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ゴヤの名画と優しい泥棒

2022年02月20日 | 映画
ゴヤの名画と優しい泥棒


世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。
1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。
孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。
彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。
しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。
当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?


ロジャー・ミッシェル監督です。
俺アカデミー賞作品賞にしたこともある実力派監督です。
昨年亡くなってしまったので今作が長編の遺作になってしまい残念です。

芸術系作品が好きなので題材が好みっぽかったので観に行きました。

時代が時代とは言えなかなか特殊な事件と特殊な犯人で映画化するに最適な題材だと思います。
世の中がちょっとおバカでずさんで、それでいて寛容で。
とある側面から見た時に昔は良かったと思ってしまうのは仕方ないですね。

シンプルに言ってしまえばややこしい偏屈爺さんが世直しをしようとしてトラブルを巻き起こすお話でした。
強引に考えれば世直しのようですが、ケチで自分のエゴを貫き通してるだけにも思いました。

現代に居たらかなり厄介で迷惑な爺さんですが、
きっと貧富の差がある世の中ではこういう人が正義になることもあるのでしょう。

プロローグと終盤は裁判モノになっていました。
自分としてはどう考えても問答無用で有罪だとは思うのですが意外と世の心を掴んで民衆の支持を得ていました。
そこでわーわーと欧米のノリになった部分はちょっと苦手でした。
芸人さんがボケでやるアメリカンコメディみたいなノリがちょっと多めでした。

クライマックスは二段構えみたいになっていてなかなかどんでん返しなオチが待っていました。
作品上盗人をかなり正義っぽく描いていますがシンプルに被害を被っている人がいるので単純に解釈はしないようにと思いました。

善悪やら方法論やら色々考えさせられる秀作でした。

主演はジム・ブロードベントでした。
色んな作品でハートウォーミングな役をやってるような印象がありましたが。
今作は主演として実在のモデルにマッチした流石の役作りをしていました。

その妻役をヘレン・ミレンがしてました。
世の中も怖がらない主人公が唯一恐れて頭が上がらない妻で、絵を盗んだことすら知らない恐妻でした。
本当に色んな作品で色んな役をやっていて今やトップのベテラン女優という印象ですね。
一番見てる女優じゃなかろうか?って思ってしまいます。

映画としては及第点くらいの面白さでしたが実在の事件の知識を得られたのは良かったです。


そんなわけで6点。

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