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地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ファースト・マン

2019年02月10日 | 映画
ファースト・マン
を観ました。


1961年 愛する娘との別れ 空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、仕事に集中できずにいた。
まだ幼い娘のカレンが、重い病と闘っているのだ。
妻のジャネット(クレア・フォイ)と懸命に看病するが、ニールの願いもかなわずカレンは逝ってしまう。
いつも感情を表に出さないニールは妻の前でも涙一つ見せなかったが、一人になるとこらえ切れずむせび泣く。
悲しみから逃れるように、ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する。
1962年 1962年 人類の長年の夢、月旅行へ NASAに選ばれたニールは、妻と長男を連れてヒューストンへ引っ越し、有人宇宙センターでの訓練と講義を受ける。
世界の宇宙計画ではソ連が圧勝していたが、そのソ連もまだ到達していない“月”を目指すと指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は宣言する。
月への旅に耐えられる宇宙船は重すぎて、たとえ到着しても月から打ち上げられない。
飛行士は母船から小型船に移り着陸、任務終了後に母船とドッキングして地球へと帰る。
2機のドッキングができると実証するのがジェミニ計画、成功したら月面に着陸するアポロ計画へと移行することが決まる。
1964~65年 訓練&訓練&訓練…… 宇宙空間で活動するための想像を絶するハードな訓練を共にし、飛行士たちは絆を結んでいく。
ニールが最初に心を開いたのは、軍人ばかりの飛行士のなかで互いに民間人だったエリオット・シー(パトリック・フュジット)だ。
向かいに暮らすエド・ホワイト(ジェイソン・クラーク)とは、家族ぐるみで親しくなった。
ある夜、エドの家に集まった時、テレビからソ連が人類初の船外活動に成功したというニュースが流れる。
それはエドがもうすぐ成し遂げるはずのミッションで、またしてもソ連に先を越されてしまった。
1966年 死を覗き見たドッキング ディークから、ジェミニ8号の船長として史上初のドッキングを命じられるニール。
その任務から外されたエリオットが、訓練機の墜落事故で命を落とす。
友の無念を胸に、デイヴ・スコット(クリストファー・アボット)と2人、ジェミニ8号で飛び立ったニールは、アジェナ目標機とのドッキングに成功するが、ジェミニの回転が止まらなくなる。
非常事態に家族への通信も切られ、血相を変えたジャネットがNASAへと駆け付けるが、何とかニールの冷静な判断で危機を脱出、アジェナを切り離して帰還する。
その結果、NASAはメディアに人命を危険にさらし、莫大な費用を無駄にしていると書き立てられる。
だが、調査委員会はニールの功績を認めてアポロ計画へと移行、パイロットにエドが選ばれる。
名誉ある任務に就いたエドを、ニールとデイヴは心から祝福するのだった。
1967年 アポロ計画最大の悲劇 エドと2人の乗組員が、アポロの内部電源テストを行っていた時、ニールはホワイトハウスのパーティーに出席していた。
政治家と話が合わず手持ち無沙汰の彼に、ディークから電話が入る。
それは、アポロ内部で火災が発生し、3人全員が死亡したという知らせだった──。
1969年 “未知”へのカウントダウン 莫大な税金をかけて犠牲ばかりだと、アポロ計画は世間から非難を浴びる。
逆風のなか、月に着陸する11号の船長にニールが任命される。
乗組員は、バズ・オルドリン(コリー・ストール)とマイク・コリンズ(ルーカス・ハース)の2人だ。
出発の日、ジャネットは息子たちに黙って行こうとするニールに、「帰れない場合の心構えをさせて」と訴える。
無邪気に笑う次男の横で、長男は父に「戻ってこれる?」と尋ねるのだった──。
家族と別れ、宇宙服に身を包み、3人は遂に“未知”へと旅立つ──。


ラ・ラ・ランドでブレイクしたデイミアン・チャゼル監督作品です。
今作も主演はライアン・ゴズリングです。
ライアン・ゴズリングは下手したら今一番売れてるハリウッドスターかもしれないですね。

今作はニール・アームストロングをガッツリ描いたアポロ計画の映画でした。
まさにタイトル通りの内容です。

幼い頃から天文学大好きで、そこから宇宙物理学にハマって大学までその道で生きた自分としてはかなり好きな物語です。
アメリカで暮らしたことなんて全く無いのにこのアポロ計画時代、1960年代のアメリカの雰囲気がとても好きでノスタルジックを感じます。

この手の映画や本はそれなりに見てきたので大筋は知っていますが、ここまで細かい人物描写は見たことなかったので勉強になりました。
アームストロングがこんなクールなキャラで娘の死を引きずっていたことは知りませんでした。

作風は相当本格的で完全に心配なく見れる映画です。
ハンディカメラで撮ったような一人称視点な揺れる画面の手法が多くてちょっと疲れますが。
訓練用のコックピットなどの閉塞感をうまく伝えていたと思います。
僅かな灯りや一瞬把握できるような情報だけで見せるシーンが多く。
きっと船員はこんな状況なのだろうなと思わされました。
それ以外の日常的シーンでもその手法は多かったですが。

かなりのナチュラル演出もあって家族のシーン、とかく子供のシーンはどこまでがアドリブなのか?ってレベルでした。
是枝作品のようでした。

映画としては僕世代だと同じくアポロ計画を描いた名画、アポロ13を思い出させますが、それよりはもう少しドキュメンタリー寄りです。
当時の社会情勢やらソ連との冷戦、税金問題の中でアポロ計画が実行されていたことも描かれています。
そして11号に至るまでの多くの失敗や犠牲も描かれています。

非常に重厚で叙情的な描写でした。

そしていよいよの月へ向かうシーン。
それまでの訓練での緊迫感がすごかったのでそれとの見事なコントラストでとても感動的な仕上がりでした。
過剰な演出もなくゼロ・グラビティのように爆音と無音をうまく使いこなしていました。
そして耳鳴りがするほどの静寂の月の世界、圧巻の映像でした。
コレはぜひとも映画館の巨大スクリーンと爆音で見ないと駄目な作品ですね。
見ている人も月にいるようなバーチャル体験が可能です。

そして多くは言えませんが言葉を超越した最高のラストシーンでした。
自分が大好きなラストシーンでした。
この手の終わり方がめっちゃ後を引きます。

主演のライアン・ゴズリングは一番彼らしいキャラクターでした。
無口でクールで感情を表には出さないけど内側では非常に多くの感情を抱いていて。
宇宙飛行士として非常に説得力のある、トラブル配下でもパニックにならない人物像でした。

妻役はクレア・フォイが演じていました。
最近ドラゴンタトゥーの女で見たばかりですが、1960年代の女性っぽさは非常にありました。
今作の中ではちょっとヒステリックで、このアメリカ人のヒステリック演技は正直苦手で全然ピンと来ないですね。
アメリカ人って本当にこんなにすぐ怒るのでしょうかね?

ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストールなどもとても一昔前な感じが出ていて説得力ありました。

それにしてもアポロ計画ってロマンの塊ですごい時代ですね。
ヤラセ説があるくらいですが、未だに当時の技術力で月に行ったのは快挙でしか無いですね。
またこんな時代が、生きているうちに来ないかなぁなんて思います。


そんなわけで8点。

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