メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

TENET テネット

2020年09月20日 | 映画
TENET テネット
を観ました。


満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスで、テロ事件が勃発。
罪もない人々の大量虐殺を阻止するべく、特殊部隊が館内に突入する。
舞台に参加していた名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間を救うため身代わりとなって捕らえられ、毒薬をのまされてしまう・・・
しかし、その薬は何故か鎮痛剤にすり替えられていた。
昏睡状態から目覚めた名もなき男は、フェイと名乗る男から”あるミッション”を命じられる。
それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。
未来では”時間の逆行”と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できるようになっていた。
ミッションのキーワードは<TENET>。
「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」。
謎のキーワード、TENETを使い、第三次世界大戦を防ぐのだ。
突然、巨大な任務に巻き込まれた名もなき男。
彼は任務を遂行することが出来るのか?
そして、彼の名前が明らかになる時、大いなる謎が解き明かされるーー。


クリストファー・ノーラン監督作品です。
フォロウィング、メメントからリアルタイムで観てきた非常に大好きな監督さんです。

毎作、過去の映画の歴史を塗り替えるほどの凄まじいイマジネーションとクリエイティビティと労力を見せてくれますが。
今作もそれを更新するくらい凄まじい映画でした。

インターステラー同様かなり物理学にハマっているのは容易に想像つくクリストファー・ノーランです。
物理学オタクの思春期を過ごしてそのまま大学まで物理学専攻で一応卒論は量子力学関連なので自分にはかろうじて理解できる映画でしたが。
ああ、あの辺の理論に着想を得ているな、って感じで見てましたが。
それでも難解過ぎて3回は観ないと理解できないくらいの難易度でした。
この手の勉強をしてない人にはどの程度わかるのか?非常に混んでいましたが理解できている人はどれくらいいたのか?
とちょっと周りが気になってしまいました。
起きている現象の難解さに加えてそもそもやってること、物語も難解だったので。

その辺は流石のクリストファー・ノーラン、客に媚びないところが大好きです。
全く説明的なシーンや不自然なセリフのやり取りは無かったです。
序盤からエントロピーの話が出てきて、自分には子供の頃から触れてきた馴染みの単語ですが、みんな大丈夫かな?って心配になるほどサラサラ進みました。
真に理解したかったら物理学勉強してね、くらいのスタンスでした。

量子力学界隈の時間逆行の事象をメインに扱っていて、彼なりのタイムトラベル的な映画を作ろうとしたのでしょう。
SFにリアリズムを持たせたかったのでしょう。
コレを脳内で想像することすら困難なのに映像化してしまうところに凄まじいイマジネーションとクリエイティビティを感じました。

仮に話が理解できなくても映像と音の凄さと、2時間半ずっと極限の緊張感に満ちていて圧倒されてあっという間でした。
普通に暮らしている中に逆行してる敵が現れるシーンはもうサブイボの極地、めちゃくちゃ興奮でした。
あの感じは誰にとっても初めての映像体験でしょう。
ジョジョの奇妙な冒険のスタンド能力の実写化って感じでした。
どうやって撮影したのか?めちゃくちゃ面倒くさい作業を地道にやったんだろうなって思いました。
創作に妥協せず、面倒くさい手法もコツコツこなすところはフォロウィングやメメントから変わらずですね。
個人的には大好きな”僕は明日、昨日のきみとデートする”にも少し通ずると思いました。
普通の時間を進む人と、逆行する時間の中を進む人が交錯しているので。
ロケットランチャーで同じ時間に同じ建物を爆撃するシーンとかたまらなかったですね。

スマートなことやってるようで、意外と簡単にやられたり行きあたりばったりな失敗に満ちていて。
普通のこの手の映画ならばそんなミスしないのに、登場人物がそんな感情的な行動しないのに。
こんな状況でこの人に会ったり、こんな会話したりしないのに、というシーンの連続でした。
やられてもやられきらないで繰り返し同じ様ないざこざをこじらせてました。
それは実はリアルなやり取りに思えました。
全体的にセリフも少なめでそれが良い間で緊張感を生み出していましたね。

毎度映画の歴史を度外視して圧倒的に新しいものを作ろうとするスタイルにリスペクトを抱きます。
諦めるか?知恵熱出しながら必死にくらいつくか?
ってくらいの凄い映画でした。

この大作に超有名な売れっ子をキャスティングしてないのも好印象でした。

謎だらけの映画ですが全部が回収されたとは思えなかったので是非とも続編を作っていただきたいですね。
そもそも誰が?どういう経緯で?彼は結局何者?などなど。
想像出来るヒントのような描写はありましたが、明確になる続編があっても良さそうですね。

主演はジョン・デイビッド・ワシントンでした。
ブラック・クランズマンのハイテンション演技が非常に印象的でしたが。
今作は打って変わってクールで物静かなキャラでした。
紳士的な雰囲気もアウトローな雰囲気もあって掴みどころが無い不思議な印象でした。
アクションもなかなかで今作の主演に相応しいキャスティングだと思いました。

相棒役のロバート・パティンソンはハリー・ポッターに出てた子ですね。
言われてみればいたような気もします。
非常に渋いいい感じの男になっていて雰囲気とても良かったですね。
主人公以上にカッコいい役回りだった気がします。

エリザベス・デビッキがヒロイン的な役で意外と物語を転がすキーマンでした。
かなりインパクトある超モデル的なルックスで各作品でインパクトを残しますね。
今作も映画自体のインパクトに相応しい忘れがたい存在感を放っていました。

悪役的な役をケネス・ブラナーが演じていました。
どこかで見たと思いましたがダンケルクに出てたのですね。
何もかもお見通しみたいな凄い怖さがありました。

謎の組織のボス的な役をディンプル・カパディアが演じていました。
秘密組織に相応しいいい佇まいでしたね。

期待通りに、期待以上にインパクトでかい映画でした。
もう一度くらい見に行きたいですね。


そんなわけで9点。

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