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地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ワンダー 君は太陽

2018年06月25日 | 映画
ワンダー 君は太陽
を観ました。


10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、普通の子には見えない。遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきたのだ。
27回もの手術を受けたせいで、一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の「まだ早い」という反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。
夏休みの間に、オギーはイザベルに連れられて、校長先生に会いに行く。
先生の名前はトゥシュマン(マンディ・パティンキン)、「おケツ校長だ」と自己紹介されて、少し緊張がほぐれるオギー。だが、「生徒が学校を案内するよ」と言われたオギーは動揺する。
紹介されたのは、ジャック・ウィル(ノア・ジュプ)、ジュリアン(ブライス・カイザー)、シャーロット(エル・マッキノン)の3人。
いかにもお金持ちの子のジュリアンはオギーに、「その顔は?」と聞いてきた。
オギーは毅然とした態度をとるが、帰宅してからは元気がなかった。
だが、イヤならやめてもいいと言いかけるイザベルに、「大丈夫、僕は行きたい」と答えるのだった。
初登校の日、両親と姉のヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)に校門まで送られるオギー。
ネートは息子の頭から宇宙飛行士のヘルメットを外すと、「孤立してもお前は一人じゃない」と励ます。だが、生徒たちはオギーを遠巻きにしながらジロジロと眺め、ランチタイムでは誰もオギーのテーブルに座らない。
それどころか、ジュリアンに食べ方がおかしいと指摘され、『スター・ウォーズ』のパダワンを真似た三つ編みを「ダサいぜ」とバカにされる。
帰宅するなり三つ編みをはさみで切り、夕食の席でヘルメットをかぶったまま黙りこくるオギー。
たしなめるイザベルにオギーは、「なぜ僕は醜いの?」と涙ながら訴える。
イザベルは「顔は人の過去を示す地図」だから、「あなたは絶対に醜くないわ」とキッパリと答えるのだった。
その日は、ヴィアの高校の初日でもあった。数週間前から、幼なじみで大親友のミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)からの連絡が途絶え、ようやく学校で顔を合わせたら、髪を派手に染めて変身し、新しい友達を作っていた。
ショックで涙ぐんでいると、演劇クラスのジャスティン(ナジ・ジーター)という魅力的な男の子から声をかけられる。
だが、両親から“世界一手のかからない子”と呼ばれているヴィアは、心配をかけるようなことは何一つ話さない。
本当は自分にも注目してほしいけれど、絵本のイラストレーターと美術の先生になる夢を封印している母に、甘えることなどできなかった。
そんなヴィアの心の支えは、最大の理解者のおばあちゃん(ソニア・ブラガ)だった。でも、「お前は私の宝物なの」と言ってくれたおばあちゃんも、今では天国の住人だ。
一方、オギーは触れたらペストがうつると噂されて増々孤立していくが、得意な理科の授業で目覚ましい才能を発揮する。ある日、ジャックに理科の小テストの答えをこっそり教えてあげたことをきっかけに、二人は意気投合する。オギーの自宅に招かれたジャックは、息子の初めての友達を大歓迎する家族とも仲よくなっていく。
そして、オギーが心待ちにしていたハロウィンがやって来る。
ジャックに約束していた『スター・ウォーズ』のボバ・フェットの衣装を愛犬のデイジーに汚されたオギーは、『スクリーム』のゴースト・フェイスで登校したので誰もオギーと気付かない。
ウキウキしながら教室へ行くと、ジャックがジュリアンに耳を疑う“本音”を打ち明けていた。
でも、オギーはもう一人じゃない。頭がよくて面白くて、前向きで優しいオギーの魅力に気付く生徒たちが現れ始めたのだ。
オギーの存在の大きさに気付いたジャックとも劇的な仲直りを果たすが、理科研究大会に野外学習、ヴィアの演劇発表会とイベントの度に騒動が巻き起こる。  
オギーと彼に関わるすべての人にとって、忘れ難い1年が終わろうとしていた。
そして修了式の日、一生忘れられない出来事が彼らを待っていた─。


スティーブン・チョボスキー監督作品です。
前情報の時点でかなり感動作の予感ですが想像通り、いや想像以上の感動作でした。

テーマがテーマだけに繊細で上品な演出は必要ですが、そのミッションはちゃんとクリアしていました。
冒頭から素晴らしいな思ったのは、決して障害を持った主人公の困難を描くだけの映画ではなかったということでした。

主人公のオギーを取り巻く人々の群像劇というような映画の作りです。
テイストとしては”私の中のあなた”みたいな感じでした。

明確に困難を持った主人公を取り巻く人々の困難やら思いも同じようなバランスで描かれています。
最初、お姉ちゃんが描かれて、これはわかると思いました。
いつも弟中心の生活でお姉ちゃんは孤独感を感じつつも自分はとにかく手のかからない子供で居ることを自覚してそれを遂行している。
ただ思春期ならではの苦悩は人並みにあり、それ以上にそういう弟が居る苦悩もあり。
実に素晴らしい描写でした。

お姉ちゃんだけでなく次はオギーの友達やお姉ちゃんの友達にも派生してそれぞれの目線で物語が綴られます。
この手の映画は通常は生涯を持った人目線、またはその母親目線くらいがせいぜいですが、友達目線もじっくりと描かれて居るのは素晴らしいですね。
きっと世の中の大半の人々が共感するのはこの辺りだと思ので。
「最初は見た目に驚いたけど見た目は3日で慣れる、一番科学が出来る、話が面白い」
という印象でオギーを見ていました。
なるほど、非常に効果的な視点だなと思いました。

そして主に感動もその周囲の人々によってもたらされていました。
最初は抵抗があった人々、それこそいじめていた人々が徐々にオギーに共感し始め、
後々は守るようになっていく様、人間の根幹は正義なのだと思わされる人間讃歌な映画でした。

悪の側、いじめる側にもそれなりに共感できる言い分があったりします。
自分も子供の頃は些細ないじめやいじめられを体験していますが、こうして許容範囲の中で学んで行くことが大事だと思いますね。
最初に友人になった男の子のメンタルがとても生々しくてかなり泣かされました。
ちょっとネタバレですが、オギーに対して嫌がらせをしようとしている現場を先に見つけいじめっ子と喧嘩になるが、
結構クールなその友人はオギーと気まずい状況でも
「殴った理由は退学になったとしても言いたくありません」
と校長に伝えるシーンに涙涙でしたね。
ベタな感動演出ではない非常に上質な感動でした。

お姉ちゃんのシーンもたいていが感動でした。
ナチュラルにずっとほんのり感動な雰囲気な素晴らしい仕上がりでした。
自分の苦悩より障害のある弟を優先しつつもちゃんと尊重している雰囲気が良かったです。

主演のジェイコブ・トレンブレイはルームでの名演技が非常に印象的でしたが。
すっかり現在の天才子役なポジションですね。
元は可愛い顔なのにルックスの障害がある難しい役どころでしたが見事にこなしていました。

ジュリア・ロバーツが母親役が様になってるのを考えると時のうつろいを感じます。
予告で言ってるほど母親はスペシャルでもなくごく想定内な母親像でした。
でもとても勇敢で大きな愛を持った母親を演じていました。

オーウェン・ウィルソンが父親役でした。
ホームドラマの父親役としてはルックス的にも最適だと思います。
後ろでうまく家族を支えている感がとっても素敵でしたね。

お姉ちゃん役のイザベラ・ヴィドヴィッチはかなり可愛くて雰囲気あっていいです。
今後も追っていきたいです。

お姉ちゃんの親友役のダニエル・ローズ・ラッセルもかなり可愛くていい感じでした。
今作では一番予想外のキャラでした。
夏休みでグレたと思いきやなんか切ない事情を抱えていて。
主人公家族との関わり方も素敵でした。

なんかとっても優しくてちょっと笑えて素直に感動出来る名画でした。
このテーマを表現する上では相当秀逸な表現だったと思います。


そんなわけで8点。

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