喜劇 愛妻物語
を観ました。
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、もっぱら生活費はチカのパートに頼っている。若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日だ。
豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、日夜タイミングを見計らい、チカのご機嫌を取り、猫なで声を出し、あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、けんもほろろに拒絶され続けている。
ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていたホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、さらに別企画のプロットを書くように薦められる。豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、映画の企画書を提出していたのだ。脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、プロデューサーに取材費を出すそぶりは毛頭ない。取材先を巡るにも運転免許がない豪太は、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。
苦しい家計を取り仕切るチカが手配した旅程は、東京から香川県の高松まで丸一日かけて鈍行列車に乗る強行軍。しかも初日の宿はビジネスホテルのシングルルームで、チカは豪太とアキがチェックインした後に、裏口から潜入して合流するという。しかし疲れが溜まっていた豪太は部屋の風呂場で寝てしまい、締め出されたチカの逆鱗に触れる。これではセックスは遠ざかるばかりだ。
翌日、「高速でうどんを打つ女子高生」の家を訪れるが、彼女をモデルにした映画とアニメの企画が同時進行しており、翌月にはクランクインの予定だと知らされる。豪太は完全に出遅れており、もはや旅行の目的も失われた。しかしチカは女子高生の両親に、映画化が頓挫したらどうか豪太に企画を任せて欲しいと食い下がる。非常識だとたしなめる豪太にまたもチカの怒りが炸裂した。
その夜もセックスを拒否された豪太は、チカとアキが寝ている間にひとりで夜の盛り場をほっつき歩く。風俗に行こうにもカネはない。道端で酔いつぶれていた若い女を見つけてちょっかいを出し始めるが、警察に捕まってしまう。度重なる豪太の失態に愛想を尽かしたチカは、豪太にアキの世話を任せて、小豆島に住む大学の同級生・由美(夏帆)に会いに行ってしまった。しかし豪太に降りかかる災難はまだ終わっていなかった。果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?いや、そんなことより綱渡りの夫婦関係はついに終わりを迎えてしまうのか?
足立紳原作・脚本・監督作品です。
ちょっと前情報なかったですが、非常に高評価な濱田岳主演ということで観てみました。
原作書いた人が脚本と監督やるなんて一番理想的というか映画人としては夢みたいですね、自分もやってみたいって思ってしまいます。
足立紳さんをあまり知らなかったのですが、この手の小説をいくつか書いてるっぽいですね。
とにかくあまりに生々しい夫婦のやり取りです。
自分は独身ですが、この映画を夫婦で見ることを勧めないです。
またはこの映画を夫婦で観たらどうなるか?という実験を著名な学者にやってほしいような。
それくらいハイストレスな夫婦の描写でした。
冒頭からいわゆるエロスな感じではない昭和ポルノ的なセクシー描写でびっくりしますが。
リアルな貧乏夫婦描写ってこんなですよね。
ここまで生々しく男女を描いた映画は他に思い浮かばないくらい独特で容赦ない描写でした。
とかく男のメンタルの生々しさったら無いですね。
これは男という生き物のネタバレになってしまいますね。
とにかく性欲強くて女性を抱きたいが経済力的に妻しか抱けず。
どんな場面でも脳の片隅にそれを置いている感じ、憎しみ合っててもひょっとしたら今日いけるかも、は多くの男の脳にあるでしょう。
正直自分は弱いので全然執着しないですが大抵の男の執着心はこんなです。
そして現代日本の夫婦のパワーバランスというか型ではこのパターンがとても多い気がします。
妻が夫を馬鹿にしていて事あるごとに過剰に腐しますが、流石に言い過ぎて耐えかねたところで夫が反論します。
ただ反論すると更にそれを上回る妻の罵詈雑言です。
日常のちょっとした所作や家事の手伝いの要領の悪さをイチイチ駄目だしする感じとかリアルに思いました。
未婚者ですが。
美人じゃ無い浮気相手とのクズっぽいやり取り。
妻と妻の学生時代の友人との女子ならではの赤裸々トーク。
ようやくのセックスに持ち込めた際に当たり前に出てくる大人のおもちゃ。
描写がストレートで作品の世界観との辻褄が合ってて観心地が良かったですね。
ロードムービーのような展開もありますが基本的には徹底した会話劇で。
舞台が変わっても夫婦のやってることが変わらない感じがとても上質でした。
ギスギス夫婦のリアルを覗き見してるだけみたいな錯覚もありました。
なんかジメジメしてて冴えない世界観ですが極度の悲哀と惨めさと深い感情で何周もしてオシャレ感すらありました。
貧乏前提の世界観、登場人物たちの価値観が自分のバイブルのつげ義春作品を彷彿とさせてビシビシと響きました。
作品の大半を占める夫婦の演技が非常に素晴らしかったですね。
娘を絡めたやり取りもとても即興性を感じて見事でした。
そしてコレが夫婦なんだろうなぁというクライマックスのオチ。
呆れて笑ってしまうヤツでした。
主演の濱田岳は言わずもがなの演技派でとても好きです。
金八フリークとしてずっとリアルタイムで観てきてますが本当の実力派で。
久しく名脇役のポジションだったのにその実力だけで主演ポジションになりましたね。
今作は珍しくクズな男の役でしたが流石の高品質でとてもリアルでした。
妻役の水川あさみも最初はアイドル的な女優だったのにいつの間にか本格派ですね。
年齢や時代とともに柔軟にポジションを変え対応してて素晴らしいと思います。
今作はすぐ下着姿になるなかなか体当たりな役ですが全然堂々としてて逆に露骨なエロさを出さないのが凄かったですね。
そして終始のヒステリック演技は天下一品、世界に出れるポテンシャルを感じました。
娘役の新津ちせって子もとても素晴らしかったです。
即興性や長回しが多い演出の中で全く不自然さを出さずに完璧に馴染んでました。
とんでもない天才子役かも知れません。
大好きな夏帆が妻の友人役でとてもらしいキャラクターでした。
女子トークのエグさを見事に表現していて、水川あさみとは違ってエロスがにじみ出てる感じが良かったです。
大久保佳代子が主人公の元同僚で、妙に胸を強調したコント的なキャラクターでした。
クセは強いですが芸人としてのキャラをそのまま役に投影出来るのは凄いと思います。
ふせえり、光石研などベテランもいい味出してました。
映画には元々7点くらいを満点としそこを目指すタイプの作品がありますが、コレはそれですね。
そしてその方針の中でパーフェクトなクオリティでとてもおもしろかったです。
そんなわけで7点。
を観ました。
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、もっぱら生活費はチカのパートに頼っている。若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日だ。
豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、日夜タイミングを見計らい、チカのご機嫌を取り、猫なで声を出し、あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、けんもほろろに拒絶され続けている。
ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていたホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、さらに別企画のプロットを書くように薦められる。豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、映画の企画書を提出していたのだ。脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、プロデューサーに取材費を出すそぶりは毛頭ない。取材先を巡るにも運転免許がない豪太は、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。
苦しい家計を取り仕切るチカが手配した旅程は、東京から香川県の高松まで丸一日かけて鈍行列車に乗る強行軍。しかも初日の宿はビジネスホテルのシングルルームで、チカは豪太とアキがチェックインした後に、裏口から潜入して合流するという。しかし疲れが溜まっていた豪太は部屋の風呂場で寝てしまい、締め出されたチカの逆鱗に触れる。これではセックスは遠ざかるばかりだ。
翌日、「高速でうどんを打つ女子高生」の家を訪れるが、彼女をモデルにした映画とアニメの企画が同時進行しており、翌月にはクランクインの予定だと知らされる。豪太は完全に出遅れており、もはや旅行の目的も失われた。しかしチカは女子高生の両親に、映画化が頓挫したらどうか豪太に企画を任せて欲しいと食い下がる。非常識だとたしなめる豪太にまたもチカの怒りが炸裂した。
その夜もセックスを拒否された豪太は、チカとアキが寝ている間にひとりで夜の盛り場をほっつき歩く。風俗に行こうにもカネはない。道端で酔いつぶれていた若い女を見つけてちょっかいを出し始めるが、警察に捕まってしまう。度重なる豪太の失態に愛想を尽かしたチカは、豪太にアキの世話を任せて、小豆島に住む大学の同級生・由美(夏帆)に会いに行ってしまった。しかし豪太に降りかかる災難はまだ終わっていなかった。果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?いや、そんなことより綱渡りの夫婦関係はついに終わりを迎えてしまうのか?
足立紳原作・脚本・監督作品です。
ちょっと前情報なかったですが、非常に高評価な濱田岳主演ということで観てみました。
原作書いた人が脚本と監督やるなんて一番理想的というか映画人としては夢みたいですね、自分もやってみたいって思ってしまいます。
足立紳さんをあまり知らなかったのですが、この手の小説をいくつか書いてるっぽいですね。
とにかくあまりに生々しい夫婦のやり取りです。
自分は独身ですが、この映画を夫婦で見ることを勧めないです。
またはこの映画を夫婦で観たらどうなるか?という実験を著名な学者にやってほしいような。
それくらいハイストレスな夫婦の描写でした。
冒頭からいわゆるエロスな感じではない昭和ポルノ的なセクシー描写でびっくりしますが。
リアルな貧乏夫婦描写ってこんなですよね。
ここまで生々しく男女を描いた映画は他に思い浮かばないくらい独特で容赦ない描写でした。
とかく男のメンタルの生々しさったら無いですね。
これは男という生き物のネタバレになってしまいますね。
とにかく性欲強くて女性を抱きたいが経済力的に妻しか抱けず。
どんな場面でも脳の片隅にそれを置いている感じ、憎しみ合っててもひょっとしたら今日いけるかも、は多くの男の脳にあるでしょう。
正直自分は弱いので全然執着しないですが大抵の男の執着心はこんなです。
そして現代日本の夫婦のパワーバランスというか型ではこのパターンがとても多い気がします。
妻が夫を馬鹿にしていて事あるごとに過剰に腐しますが、流石に言い過ぎて耐えかねたところで夫が反論します。
ただ反論すると更にそれを上回る妻の罵詈雑言です。
日常のちょっとした所作や家事の手伝いの要領の悪さをイチイチ駄目だしする感じとかリアルに思いました。
未婚者ですが。
美人じゃ無い浮気相手とのクズっぽいやり取り。
妻と妻の学生時代の友人との女子ならではの赤裸々トーク。
ようやくのセックスに持ち込めた際に当たり前に出てくる大人のおもちゃ。
描写がストレートで作品の世界観との辻褄が合ってて観心地が良かったですね。
ロードムービーのような展開もありますが基本的には徹底した会話劇で。
舞台が変わっても夫婦のやってることが変わらない感じがとても上質でした。
ギスギス夫婦のリアルを覗き見してるだけみたいな錯覚もありました。
なんかジメジメしてて冴えない世界観ですが極度の悲哀と惨めさと深い感情で何周もしてオシャレ感すらありました。
貧乏前提の世界観、登場人物たちの価値観が自分のバイブルのつげ義春作品を彷彿とさせてビシビシと響きました。
作品の大半を占める夫婦の演技が非常に素晴らしかったですね。
娘を絡めたやり取りもとても即興性を感じて見事でした。
そしてコレが夫婦なんだろうなぁというクライマックスのオチ。
呆れて笑ってしまうヤツでした。
主演の濱田岳は言わずもがなの演技派でとても好きです。
金八フリークとしてずっとリアルタイムで観てきてますが本当の実力派で。
久しく名脇役のポジションだったのにその実力だけで主演ポジションになりましたね。
今作は珍しくクズな男の役でしたが流石の高品質でとてもリアルでした。
妻役の水川あさみも最初はアイドル的な女優だったのにいつの間にか本格派ですね。
年齢や時代とともに柔軟にポジションを変え対応してて素晴らしいと思います。
今作はすぐ下着姿になるなかなか体当たりな役ですが全然堂々としてて逆に露骨なエロさを出さないのが凄かったですね。
そして終始のヒステリック演技は天下一品、世界に出れるポテンシャルを感じました。
娘役の新津ちせって子もとても素晴らしかったです。
即興性や長回しが多い演出の中で全く不自然さを出さずに完璧に馴染んでました。
とんでもない天才子役かも知れません。
大好きな夏帆が妻の友人役でとてもらしいキャラクターでした。
女子トークのエグさを見事に表現していて、水川あさみとは違ってエロスがにじみ出てる感じが良かったです。
大久保佳代子が主人公の元同僚で、妙に胸を強調したコント的なキャラクターでした。
クセは強いですが芸人としてのキャラをそのまま役に投影出来るのは凄いと思います。
ふせえり、光石研などベテランもいい味出してました。
映画には元々7点くらいを満点としそこを目指すタイプの作品がありますが、コレはそれですね。
そしてその方針の中でパーフェクトなクオリティでとてもおもしろかったです。
そんなわけで7点。