岬のマヨイガ
を観ました。
ある事情で家を出てきた17歳のユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳のひより。
居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、海を見下ろす岬に建つ、ふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。
なりゆきでキワさんについてきてしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。
そんなある日、"ふしぎっと"と呼ばれる優しい妖怪たちがキワさんを訪ねてきた。
彼らは町で相次ぐ怪奇現象を調べるため、キワさんに力を貸しにきてくれたのだった。
ふしぎっとの存在と共に、キワさんは昔からこの地に伝わる伝説"アガメ"のことを語り出す。
人々の悲しい思いを糧に大きくなっていくという“アガメ”と、人々を陰から守る存在“ふしぎっと”。
新しく見つけた居場所と、自分のまわりの優しい人々を決して傷付けたくないと強く思うユイ。
ユイとひより、そしてキワさんは、それぞれの過去を乗り越え、大切な居場所を守ることができるのだろうか—。
川面真也監督です。
あまり前情報は無かったですが好みっぽい雰囲気を感じたので観に行きました。
見てみたら導入からかなり好みのタイプのアニメ作品でした。
序盤は特にセリフが少なく紙芝居に近い雰囲気で物語を紡いでいました。
具体的なワードや決定的な描写は無いですが東日本大震災のことを描いていることはすぐわかりました。
エンドロールを見ても3.11から10年をベースにした企画だとわかりました。
父親から逃げている最中に被災した主人公の女の子が避難所でであった失語症の女の子と謎のおばあさんと共同生活を始めるお話。
度々言ってしまう感想ですが、血の繋がりが無い人々の家族みたいな絆系物語に非常に弱いのでかなりそのタイプでした。
普通の現代劇と思いきやちょっとトトロっぽい導入があり日本昔話っぽい描写、やがては大量の妖怪たちも出てくるファンタジーへとグラデーションしてました。
それでも肝は王道的な現代劇でした。
ファンタジー部分は震災で傷ついた人々の心やそれにまつわるもののメタファーだらけです。
ほぼメタファーで物語が描写されていると言ってもいいくらい思い切った表現でした。
ただ嫌味も説教臭さもなく絶妙の塩梅で震災やその心の傷を表現していて見事だと思います。
タイトルのマヨイガというのが気になりましたが序盤ですぐに説明してくれます。
主に善人をもてなしてくれる不思議な家のおとぎ話です。
唐突に起きる不思議な現象がちょっとジョジョの奇妙な冒険のスタンドみたいでワクワクしました。
主人公がそれを信じるまでのステップ感も絶妙でした。
その割に妖怪が現れるのはかなり唐突で良い衝撃度がありました。
絵のタッチが変わる昔話シーンも芸術性高く魅力的でした。
クライマックスはジャパンアニメらしいスケール感もあり、それでいてやはりシンプルな心の傷にフォーカスしてて。
世界観や設定の説明が無いので他の人にとって起きている事象の辻褄はわからないですが。
それらを違和感なく見せていたのは見事だとおもいました。
主人公の女の子の声を芦田愛菜がやってました。
海獣の子供でも非常に高評価でしたが声だけでもその演技力は見事です。
声質にクセがないのもこの子の場合非常にアドバンテージだと思います。
ストーリーの肝になるおばあさんの声は大竹しのぶでした。
この人は逆に非常に声に特徴があるのでクセのあるキャラクターの声をやらせるには最適ですね。
キャリアを経ておばあさん役を違和感なくやれるようになったのは素晴らしいと思います。
もし実写化するならばクールでサバサバと感情の起伏がなく樹木希林みたいなキャラクターだったのでゆくゆく大竹しのぶもそんな感じになりそうな気がしました。
河童の声をサンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけし、他に宇野祥平などがやっていました。
この辺はコミカルさもあって良いキャスティングでした。
震災から10年の節目の作品として十分役割を果たしている重要な映画だと思いました。
そんなわけで7点。
を観ました。
ある事情で家を出てきた17歳のユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳のひより。
居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、海を見下ろす岬に建つ、ふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。
なりゆきでキワさんについてきてしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。
そんなある日、"ふしぎっと"と呼ばれる優しい妖怪たちがキワさんを訪ねてきた。
彼らは町で相次ぐ怪奇現象を調べるため、キワさんに力を貸しにきてくれたのだった。
ふしぎっとの存在と共に、キワさんは昔からこの地に伝わる伝説"アガメ"のことを語り出す。
人々の悲しい思いを糧に大きくなっていくという“アガメ”と、人々を陰から守る存在“ふしぎっと”。
新しく見つけた居場所と、自分のまわりの優しい人々を決して傷付けたくないと強く思うユイ。
ユイとひより、そしてキワさんは、それぞれの過去を乗り越え、大切な居場所を守ることができるのだろうか—。
川面真也監督です。
あまり前情報は無かったですが好みっぽい雰囲気を感じたので観に行きました。
見てみたら導入からかなり好みのタイプのアニメ作品でした。
序盤は特にセリフが少なく紙芝居に近い雰囲気で物語を紡いでいました。
具体的なワードや決定的な描写は無いですが東日本大震災のことを描いていることはすぐわかりました。
エンドロールを見ても3.11から10年をベースにした企画だとわかりました。
父親から逃げている最中に被災した主人公の女の子が避難所でであった失語症の女の子と謎のおばあさんと共同生活を始めるお話。
度々言ってしまう感想ですが、血の繋がりが無い人々の家族みたいな絆系物語に非常に弱いのでかなりそのタイプでした。
普通の現代劇と思いきやちょっとトトロっぽい導入があり日本昔話っぽい描写、やがては大量の妖怪たちも出てくるファンタジーへとグラデーションしてました。
それでも肝は王道的な現代劇でした。
ファンタジー部分は震災で傷ついた人々の心やそれにまつわるもののメタファーだらけです。
ほぼメタファーで物語が描写されていると言ってもいいくらい思い切った表現でした。
ただ嫌味も説教臭さもなく絶妙の塩梅で震災やその心の傷を表現していて見事だと思います。
タイトルのマヨイガというのが気になりましたが序盤ですぐに説明してくれます。
主に善人をもてなしてくれる不思議な家のおとぎ話です。
唐突に起きる不思議な現象がちょっとジョジョの奇妙な冒険のスタンドみたいでワクワクしました。
主人公がそれを信じるまでのステップ感も絶妙でした。
その割に妖怪が現れるのはかなり唐突で良い衝撃度がありました。
絵のタッチが変わる昔話シーンも芸術性高く魅力的でした。
クライマックスはジャパンアニメらしいスケール感もあり、それでいてやはりシンプルな心の傷にフォーカスしてて。
世界観や設定の説明が無いので他の人にとって起きている事象の辻褄はわからないですが。
それらを違和感なく見せていたのは見事だとおもいました。
主人公の女の子の声を芦田愛菜がやってました。
海獣の子供でも非常に高評価でしたが声だけでもその演技力は見事です。
声質にクセがないのもこの子の場合非常にアドバンテージだと思います。
ストーリーの肝になるおばあさんの声は大竹しのぶでした。
この人は逆に非常に声に特徴があるのでクセのあるキャラクターの声をやらせるには最適ですね。
キャリアを経ておばあさん役を違和感なくやれるようになったのは素晴らしいと思います。
もし実写化するならばクールでサバサバと感情の起伏がなく樹木希林みたいなキャラクターだったのでゆくゆく大竹しのぶもそんな感じになりそうな気がしました。
河童の声をサンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけし、他に宇野祥平などがやっていました。
この辺はコミカルさもあって良いキャスティングでした。
震災から10年の節目の作品として十分役割を果たしている重要な映画だと思いました。
そんなわけで7点。