メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

黄金のアデーレ 名画の帰還

2015年11月28日 | 映画
黄金のアデーレ を観た。

オーストリアの貴族だった女性、クリムトが描いた美しい叔母の絵はナチスに奪われ自身は命からがらアメリカに亡命した。
それから数十年、新米弁護士と共にその絵の返還を求めオーストリア政府を訴えるお話です。


なかなか興味をそそられるノンフィクションです。

いつも通りドイツの近代史に関心が強いので、
この映画もやはりナチスにまつわる映画なので観てみました。

最近観たばかりのミケランジェロ・プロジェクトと物語の背骨は同じですね。

サイモン・カーティス監督ですが、
彼のマリリン7日間の恋という映画はなかなか高評価でした。

今作は思ったよりエンターテイメント色の強い演出でちょっと期待とは異なっていました。

ベタで極端なアクションと台詞、わかり易い前フリからのわかり易いオチの連続でした。

僕の大好きな街、ウィーンが舞台になっていたのでとても気持ちは盛り上がりました。

最近白い沈黙という映画で観たばかりのライアン・レイノルズですが、
今作も主演で新米弁護士を演じていましたがその役幅にはなかなか関心しました。
非常に入り込みやすいいい役者だと思いますねね。

ヘレン・ミレンが返還を求める元オーストリア貴族の女性を演じていますが、
毎度言ってる気がしますけど、REDの壮絶な殺し屋のイメージが強すぎて。
他の役でもいつもそれがオーバーラップしてしまうネガティブ要素があります。

本題ですが。
しかしやっぱりナチスの暴挙は悩ましいですね。
思い切りナチスに支配されたオーストリアにもこういう複雑な事情があることがよくわかって非常に勉強になりました。

オーストリアは喜んでナチスを受け入れた派と、
ナチスに従わないスタイルを貫いた派に分かれていて、
それが未だに根深い軋轢を残しているのですね。

ナチスが残した財産を良しとして儲けているものと、
それはよくないと思っている人々が居るようです。

シンドラーのリスト辺りから始まってもう何十本とナチス絡みの映画を観てきましたが、
未だに近代の先進国がここまでの民族浄化をしていたことが恐ろしいと悩んでしまいます。

人種差別の最たる歴史ですね。

そしてそれまでヨーロッパが築き上げてきた文化も一気にぶち壊してしまって。
タイムマシンが作れるならばヒトラーをなんとかしないとですね。

劇中でウィーン美術アカデミーを訪れるヘレン・ミレンが
「ヒトラーがここに合格してれば・・・」
とさり気なくつぶやくシーンは非常に印象的でした。

テーマは良いですけど、演出と内容はわざとらしいなーと思っていました。
でもラストはベタに泣かせに来て、コレがかなり泣けるやつで場内いきなり涙涙でした。
勿論俺も泣いてしまいました。

でラストは完全にタイタニック式な、
ウィーンで幸せに過ごして居た妄想の中にヘレン・ミレンが入り込み叔母や自宅に飾られていた黄金のアデーレを観る演出。
終盤、急にタイタニック風な大作感と感動を作ってきたなーと言う印象です。

ウィーンの風景が観れたし個人的には結構好きな映画です。

自分が35歳までの人生で漠然と憧れた街が3つほどありました、NY、パリ、ウィーン。
パリとウィーンは結構堪能したので後はNY行っておかないとです。


そんなわけで7点です。
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