メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ショットガンディスコ

2009年06月13日 | 
母校に帰っていた

夜だった

懐かしい教室にたたずんでいると

外がなにやら騒がしい

戦争でもしているようだ

確かにそんな時期だと思った

僕一人の教室に誰か女の人が入ってきた

東京で最近好きになった女の子だ

何度か話した事はあるが

名前すら知らない片思いだ

しかし相手は僕を知っているようで

突然手に持っていた不自然なショットガンで僕を撃ってきた

慌てて机の影に隠れて怯える

絶体絶命と思ったが手にはいつの間にかライフルが

闇雲にその女の子の方へ向けて一度だけ発射する

静かな空気が教室に充満し始める

恐る恐る顔を出してみると女の子の首からおびただしい血が噴出していた

立ったままだが絶命間近だった

スローモーションで倒れてゆく彼女に慌てて駆け寄り抱きかかえる

しかし喉を撃たれた為会話は出来ず彼女は死ぬ

いつの間にか元通り僕一人になっている

戦争だからしかたが無いと思ったが

戦争なんて初めからなかったようだ

急に黒い闇が体内を駆け巡り始める

・・・やってしまった・・・人を・・・殺してしまった・・・

そんな気分で急に吐き気がしだした

逃げなければ・・・

僕は証拠のライフルだけ持ち外へ飛び出した

夜なので人通りは少ない

学校は海のそばだったのでコイツは海に捨ててしまおうと考えた

大通り沿いを歩く時

ライフルが車の人に見られないように

車道側じゃないほうの体にぴったりとくっつけて

少しでも車から見えないようにして歩いた

海に着くともう安心だった

誰もいない広々とした夜の砂浜

証拠を隠す場所で溢れている

溢れすぎていて逆に余裕すら生まれる

ちょっと散歩してみた

確か昔向こう方の防波堤があったな

その近くの浅瀬で昔親父とおよいだな

そんな思い出が蘇りそっちの方へ歩いていった

すると何故かプレハブの様な建物があり

なんとその前で軍隊の人達が訓練をしていてこっちに向かってきた

なんてことだ・・・

ああ 終わった

こっちに歩いて来るんじゃなかった・・・

こんなものさっさと捨ててしまえばよかった・・・

15年も経てば風景なんて変わっているものだ

後悔の念にさいなまれていた

案の定彼らの列はライフルを持っている僕の方へ

そしてこっちの気も知らず

「いいライフルもってるじゃん、ちょっと撃たせて」

などと言ってきた

彼らは陽気だったが

これで僕はもうあの死体から逃げられないのだと落ち込んだ

僕の人生はもう終わりなんだと悟った


やはりどこかで戦争でも起こっていたのかもしれない

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