天空の蜂

天空の蜂　を観た。

1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ《ビッグB》が、突然動き出し、小学生の高彦を乗せたまま、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止した！
遠隔操作によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、”日本全土の原発破棄”を要求。
従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する。機内の子供の父親でありビッグBを開発したヘリ設計士・湯原（江口洋介）と、原発の設計士・三島（本木雅弘）は、上空に取り残された高彦の救出と、日本消滅の危機を止めるべく奔走するが、政府は原発破棄を回避しようとする。
その頃、《ビッグB》と原発を開発した錦重工業総務課に勤める三島の恋人・赤嶺（仲間由紀恵）は、周囲に家宅捜索の手が伸びる中、密かに恋人の無事を祈っていた。
一方、事件現場付近で捜査にあたる刑事たちは、《ビッグB》を奪った謎の男・雑賀（綾野剛）の行方を追跡。
聞き込みを続けるうちに、衝撃の真相へと辿り着いていくー　

って話。


東野圭吾原作のクライム・サスペンスの実写映画化です。
今や巨匠の堤幸彦監督です。

東野圭吾作品はかなり読んでいますが、
コレは文庫化されてすぐくらいに読んだのでだいぶ前に読みましたが、かなり高評価な作品でした。

しかしだいたい実写化される東野圭吾作品ですが、
コレの実写化は無理だろうと常々思っていました。
更に東日本大震災で原発事故が起きたのでより無理だろうと思っていましたが、
よくぞこのプロジェクトをやってのけたなとまずは感心します。

あまり覚えていない部分もありましたが、かなりの再現度だった気がします。

冒頭からかなりスリリングな展開ですっかりのめり込みました。
見事なテンポ、テンションでのつかみだったと思います。

映像も凄いし高所恐怖症の人にはしんどいくらい高くて怖かったです。

改めて見事な展開と原発の是非を問う深い物語ですね。
自分は物理学大好きなので当時から原発のテクノロジーには興味津々で、
この小説を読んで更に関心を深めた事を思い出します。

そして国が隠す原発被害者たちの現状。
当時自分はこの手の事故を結構気にしていました。
今や日本の原発はすっかり有名になりましたけど、
当時はあまり知られておらず皆が見て見ぬふりをするような設備だった気がします。

原発の良さと恐ろしさを分かり易く一般人に伝える見事なお話です。

今、日本に暮らす人々はこの犯人の最後のメッセージを真摯に受け止めて暮らさないといけない気がします。

原作とは違って最後はエピローグ的に東日本大震災に繋げていました。
原作から時間が経った現在を効果的に表現していて良かったと思いました。

江口洋介や本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵と豪華キャスト。
どれも素晴らしい演技でした。

僕の苦手な、
時間がない！
って状況なのに軽い演説みたいに語り出すシーンは嫌でしたが。
残り10分や言うてるやん！急げや！とイライラしてしまいました。

しかし高品質で面白かったです。
日本映画とは思えないくらいに迫力満点でした。


そんなわけで８点です。

原作こんなだったっけ？
と気になる部分が幾つかあったので本棚から掘り出し再読中です。