海へ

海まで行ってみたい・・・。

時々そんな感情が心に芽生える。

週末の気持ちの良い天気の中、近所の江戸川に行き土手に一人たたずんだ。
もうすぐここを離れるかもしれない。
そしてここを離れるより早く同棲している恋人はもうすぐ居なくなる。
そんな名残惜しさに最近は良く一人で江戸川に行くようになった。

気持ちの良い天気だったのでipodを聞きながら寝転び２時間程天を仰いでいた。
昔はいつもこんな事をしていたのである。

そしてなんとなく川沿いを歩いていたら、いつのまにか隣の町まで着いてしまった
。
かなりの時間歩いた。
すっかり夕暮れの風景だった。
強い風に髪の毛がぐしゃぐしゃにされた。

すると恋人が日の暮れた宵闇のなかそこまで迎えにきた。
「来週は海まで行きたいな」
僕はそういいながらまた来た道を引き返した。

回転すしを食べて、すべらない話を見て１日は終わった。

人生は何気ない１日を繰り返し、病気みたいに僕を弱らせる。

これ以上の記憶はもういらないのに、ひたすら増えてしまうのである。