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ピータールー マンチェスターの悲劇

2019年08月22日 | 映画
ピータールー マンチェスターの悲劇
を観ました。


ヨーロッパ諸国を巻き込んだナポレオン戦争も、1815年のウォータールーの戦いを最後に、ようやく終結。
だが、英国では勝利を喜ぶのも束の間、経済状況が悪化、労働者階級の人々は職を失い、貧しさにあえいでいた。
彼らに選挙権はなく、あちこちで不満が爆発し、抗議活動が炸裂していた。
1819年8月16日、マンチェスターのセント・ピーターズ広場で大々的な集会が開かれ、
著名な活動家であるヘンリー・ハントが演説することになる。
だがこれは、あくまで平和的に自分たちの権利を訴えるデモ行進になるはずだった。
あろうことか、サーベルを振り上げた騎兵隊とライフルで武装した軍隊が、6万人の民衆の中へと突進するまでは──。
誰がいつどんな指示を出したのか、本当の目的は何だったのか、
どうして止められなかったのか、傷つけられ殺された者たちのその後は?そして政府の見解は──?


マイク・リー監督・脚本です。

これは過去に見たこと無いタイプの映画でした。

映画らしいこれと言った主役やら主要なキャラクターも無かったように思います。
色んな人々の生々しい描写があり群像劇のようでもありますがまたそれとも違うでしょう。

映画というよりは当時の史実を忠実に再現しようとした映像って感じです。
なので娯楽性は全然無いです。
アーティスティックでもないのにここまで娯楽性を排除した作品は初めてかも知れません。

冒頭のナポレオン戦争のシーンはそれなりに映画らしいシーンでした。
そこからイギリスの社会情勢の描写になっていくともう半分ドキュメンタリーのような空気感でした。
当時を再現しようとする大人数の舞台を見ているかのようでした。

かなりクセの強い英語を喋っていて時々何語かわからなく感じる程でした。
土地の影響なのか、時代の影響なのか、今まで聞いたことのないような英語でした。

場面場面があちこちに発散していて、色んな立場の人々がそれぞれの目的を持っていて。
それらがとある一点に集まっていくようなそんな序盤から中盤でした。
描写が淡々としていて音楽もあまりなく娯楽性が無いのでかなり退屈なテイストではあります。
色んなシーンはあれとトーンが同じなので冗長な印象もありました。
結構な人が寝てしまいそうな映画です。

クライマックスに肝心な、この映画の目的なマンチェスターの悲劇が起きます。
それもなんか非常に生々しい描写です。
明確にわーっ!っと戦闘になるのではなくあちこちで徐々に衝突やら虐殺が起きて少しずつ混乱していきます。
その混乱がちょっとずつ伝染病のように拡散していき最終的に凄惨で一方的な虐殺がに繋がります。
全然知らない事件でしたが、きっとそうなんだろうなって思わされる説得力がありました。

ロリー・キニアが一応主役級なポジションでした。
演説で群衆の士気を高めるような役割でした。

マキシン・ピークが一般的な家庭の主婦でした。
政府のせいで圧迫され貧しくなる市民でした。

デイヴィッド・ムーアストは戦争から帰ってきて病んだ兵士でした。
なんか天然でのんびりして何の役割かは難しかったです。
あんな戦争を生き抜いて帰ってきたのに、、、ってことかも知れません。

映画としては正直かなり退屈で冗長で尺も長いですが、史実を知るにはいい作品です。
とにかく全体通して説得力は強いですね。
人類はこういう歴史を積み重ねて現代の社会を手にしてるのだと思い知らされるような作品でした。


そんなわけで5点。

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