メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

第十二話 エロ本の逆襲

2010年11月26日 | LAWSON CALLING
---数年前僕はとあるコンビニエンスストアの深夜バイトをしていた。
住宅街にあるコンビニだからそれほど客は多くない。
毎日同じ客が同じものを買ってく、そんなコンビニだった。
深夜1時から朝9時までの間、店員は僕一人だけだった。
断っておくが僕は反社会的な思想を持っていた。---


コンビニの用途は当然人によって異なっている。

特に昼間と深夜ではその表情を変えるものだ。
僕が働いていた深夜の時間帯、エロ本を買いに来る客が当然居た。

皆共通してパッとしないモテない様な風貌をした男達だった。

何故か優位に立ったような気分で居た僕はそんな客を見下して観察していた。

皆もじもじしながらエロ本コーナーで品定めをしてレジに持ってくる。

そして彼らはやましさから必ずエロ本の表紙を下にしてレジに出す。

無意味にサディスティックな僕はバーコードを打った後必ず表紙を上にしてしかも袋に入れる時は必ず外側に表紙が見えるように入れた。

エロ本を買うにはいい感じのシチュエーションのコンビニだったが店員が最悪だ、とお客様たちの心にはさぞストレスが溜まっていただろう。

何故そんな事をするかって?
それは俺がドSだからさ。


数日前僕はレンタルビデオ屋さんに居た。

僕は長い人生でおげれつビデオ(AV)を借りたことが無かったのだが最近どうしてもファンになってしまったセクシー女優さんが居るので最大限の勇気を出してついに借りてみた。

昔友達と僕がHビデオを借りたことが無い話をしてた頃
「もし俺がエロビを借りる時が来たら恥ずかしいから普通のビデオも一緒に借りて挟んでレジに出すわ、なるべくお金がかかってる大作ではさみたい、大作なら大作な程よい」
などと笑って言っていた。

いざとなると恥ずかしさのあまりその通りの行動に出てしまう。

世のAV会社のデリカシーの無いこと、DVDレンタルは中身だけ借りるからいくらでもカモフラージュ出来るチャンスがあるのにDVDそのものにヌード写真がプリントされているので恥ずかしくて持ち歩けない。
止む無く他のDVDも一緒に借りて挟む。
エロDVD2枚に普通DVD3枚。

そうしてレジに並びカウンターに置く。
内心は早く立ち去りたくてドキドキしているが、俺余裕っすみたいな態度で堪える。

するとレジの兄ちゃんはわざわざ一番恥ずかしいDVDを表にして一番上に置いた、僕の内心を見抜いたように。
しかも結構早い段階でそのようなポジショニングを取った。


「・・・なぁるほどぉ・・・」

と僕は深い溜め息のように心でつぶやいた。

そして過去僕のレジでエロ本を買った人間たちの成仏出来ない霊が何体も取り付いていることを確信したのであった。

因果応報とはこの事です。

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