バーボンロック

かつて共に夢を追った友人と久々に再会して道を歩く。

日も暮れ始め住宅街を行く。

住宅街にひっそりと佇むジャズバー。
友人は躊躇いもなく入っていく。
人見知りで入ったことのない店に抵抗を抱く僕はその後に続く。

友人は慣れた手つきで店の冷蔵庫から瓶の酒を取り出し小粋に飲み始める。
僕も真似をして同じ酒を飲む。

周りは外人だらけでとても落ち着かない気分だったが、酒が進むに連れて徐々にその緊張も解けた。

既に結婚して子どもが居る友人は家族の話ばかりした。
羨ましさもありつつ僕はそれはだんだん退屈な話題となった。

奇妙な色をしたお酒を飲み干して帰る事にした。


外に出るとひっくり返ったマンションが建っていて、その外に昔ながらの蛇口があった。

何故だか手足が泥だらけになっていた僕はそこで洗った。

凍えるほど寒かった。