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劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん

2019年06月24日 | 映画
劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
を観ました。


「この人が死んだ時、僕は泣いたりするんだろうか」 ── 父親の背中を見ながら、心の中で呟くアキオ(坂口健太郎)。
広告代理店に 勤めるアキオは、ずっと単身赴任中だった父の暁(吉田鋼太郎)のことを何も知らない。
そもそもアキオが子供の頃から、典型的な仕事人間の父はいつも出張ばかりだった。
たまに家にいる時も、ムスッと押し黙ってテレビを睨んでいる。そんな父が、突然会社を辞めて、家へ戻って来た。
何があったのか一切語らない父に、母の由紀子(財前直見)も妹の美樹(山本舞香)も困惑するばかり。
父のことが知りたい、そう思ったアキオは、ある計画を閃く。
すっかり忘れていたが、父と遊んだ思い出が一つだけあった。
かつてゲーム「ファイナルファンタジーIII」で一緒に戦ったのだ。
アキオは今自分がプレイしているオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」に 父を誘い、正体を隠して共に冒険へ出ようと考える。
アキオは顔も本名も知らないからこそ、本音で語り合えるゲーム仲間たちに協力を依頼する。
さっそく、退職祝いの名目で、父にゲームソフトをプレゼントするアキオ。
父は自分の“光の戦士”に、“インディ・ジョーンズ”と名付けてゲームを始める。
父に気付かれないように、自室のパソコンから参加するアキオの名前は“マイディー”だ。数日後、思い切って“インディ”にフレンド申請してからは、父のもう一つの顔に驚くばかりのアキオだった。
最初こそ、言葉づかいも 硬かったが、仲間と共に戦ううちに、「一人で冒険するより皆さんと一緒の方がずっと楽しいです! 」と、オンラインゲームの素晴らしさに目覚めたのだ。
そんな中、先輩の吉井(佐藤隆太)と重大なコンペに参加することになり、アキオを慕う同僚の里美(佐久間由衣)が心配するほど、 急に仕事が忙しくなるアキオ。ある夜、久々にログインすると、父はすっかりこの世界を楽しみ、アキオが「これ、本当に父さんだよな?」 と呆然とするほどはしゃいでいた。
協力して強敵を倒し、また一歩心の距離が縮まった“インディ”に、“マイディー”は仕事で悩んでいることを打ち明ける。
すると“インディ”は、自分の経験から的確なアドバイスをくれる。
その言葉を活かしたアキオは、見事仕事を 獲得するのだった。
仲間たちと、さらに胸躍る冒険へと突き進む父とアキオ。
「もっと、感動したいです」とコメントする“インディ”に、“マイディー”は 最強の敵への挑戦を持ちかける。
アキオはこの勝負に勝ったら、自分の正体を明かすと決めていた。
だが、約束の金曜日の21時、思いもかけない出来事が二人を待ち受けていた──。


野口照夫監督です。
非常に斬新な映画ですが、かなりのパーセンテージでゲーム内のシーンが多いですが、そこは山本清史監督です。

自分はすっかりゲームをやらなくなっているのでどんなものかわからず期待値はイマイチでした。
しかし見てみるとなかなかいい映画でした。

実話ベースらしいですが、なかなか現代的な社会状況を反映した見事な物語でした。
寡黙な父と寡黙な息子。
コミュニケーションが苦手な者同士、オンラインゲーム上だと饒舌になれるという。
意外と、かなりガチでありと思える新たな家族内コミュニケーション方法だと思いました。

ファイナルファンタジーは1から10くらいまではリアルタイムでやりました。
10だけはどうしても出来ず、何度もやり直したが結局楽しめずクリアせずじまい。
オンラインゲームをやったことは無いですがなんとなくわかります。

FF14は未だに売れているようですがその宣伝にも最適な映画だと思います。
近年のFFがすっかり苦手になっていたのですが、コレを見るとちょっとやりたくなりました。
そして登場人物たちが仕事で扱っていたお茶漬けも食べたくなったのでそういう宣伝能力は高い映画です。

昔はSFの話だったこういうバーチャル空間でのコミュニケーションがよもやのFFで成立するようになっているのですね。
もちろん他のゲームでも同様でしょうが、時代は意外と良くなってる気もします。
eスポーツもそうだし、ゲームを害だと一概に言えない時代ですね。
それでも自分は時間の無駄に感じてしまいますが。

ゲームの世界が映画に相当していましたし、お父さんの吹き替えで動くハンサムキャラクターはなかなかコミカルで笑えました。
厳格で寡黙なお父さんがゲーム内でめっちゃはしゃいで変なポーズを取るのは笑えます。
もっと笑い声上がってもいいと思えるシュールさはありました。

なんだかんだでおもいっきりの家族ドラマですが、父と娘とその彼氏のやり取りのエピソードは妙に感動してしまいました。
善人で頑固なようでも話せばちゃんとわかり合える関係性がとても素敵だと思いました。
そういう点でもこの映画は良い提案をしていると思います。
幸せとは何なのか?というような大きめのテーマを重くせずにサラッと伝えていました。

クライマックスの展開や描写はかなりベタで目新しさは無いですが、それがFF14の上に乗っているという点で面白く見れました。
自分はFFの曲は非常に好きなのですがプレリュードとオープニングテーマが良いところで流れてサブイボでした。
コレは劇場の音響とスクリーンで見る価値ありでした。

主演の坂口健太郎は弱々しい役でちょっと大袈裟な演出も多かったですが妥当でした。
部屋をノックされてゲームやってる事を隠す件がちょっと多くてストレスでした。
1度だって要らないような要素が5回くらいありました。

父親役の吉田鋼太郎が相変わらず素晴らしかったです。
怖い役だったりゲイだったり、いずれにせようるさいキャラのイメージが強いですが、今作は非常に寡黙でした。
普通ならこのキャラに吉田鋼太郎を、って発想しにくそうなキャラでしたがここに吉田鋼太郎をキャスティングしたのは見事でしたね。
ベテラン実力派って結局殆どの役柄出来ますね。

母・妻役の財前直見って密かにいい感じにシフトしてきてますね。
昔はシンプルなヒロインだったのに実にナチュラルに母親側に行ってます。
それでいて若い頃から得意のコメディも行けて良いです。
もっとこの辺のポジションでブレイクしても良さそうな気がします。

妹役は大好きな山本舞香でした。
相変わらずめちゃ可愛いですね。
この世代でこのルックスでちょっと悪っぽい役が出来る非常に貴重な存在ですね。
チャラくてちょっと悪で、スマホで勝手に写真撮って笑ってる感じとか見事です。
僕が大ファンの漫画みたいにいかない、遊戯みたいにいかないに近い感じで嬉しかったです。

同じく大好きな佐久間由衣が主人公の同僚役でした。
おとなしい役でしたが相変わらず独特の可愛いルックスでいいです。
ちょっと髪型の雰囲気変わってましたがやはりトキメキました。
もうちょっとブレイクしても良いと思います。

佐藤隆太が主人公の会社のお調子者先輩でらしかったです。
元気でポジティブでコメディ担当で的確でした。

個人的にはなかなか斬新で非常に学びのあるいい映画でした。
演出自体はベタですが、社会への良いメッセージも含んでいて多くの人に見てもらって考えてもらいたいと思える作品でした。


そんなわけで7点。

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