悪の法則

悪の法則　を観た。


カウンセラーと呼ばれる有能な弁護士（マイケル・ファスベンダー）は美女のローラ（ペネロペ・クルス）と婚約して何もかもが順風満帆に見える。
しかし裏でライナー（ハビエル・バルデム）に誘われ一度だけというつもりで麻薬ビジネスに手を染める。
ライナーは謎の美女の恋人マルキナ（キャメロン・ディアス）に不気味な恐怖感を抱いていた。
カウンセラーはライナーに紹介された麻薬の仲介屋ウェストリー（ブラッド・ピット）に会いその世界の掟を聞かされる。
軽く考えていた麻薬ビジネスが想像以上に恐ろしい世界でどんどん悪い方向へ進んでいく。
一度入ったらもうまっとうな世界には戻れない世界だと知る。


って話。


リドリー・スコット監督のダークでスリラーなサスペンス映画です。
豪華キャストで公開前から話題でしたが、結構期待を込めて観に行きました。

リドリー・スコットの典型的なタイプの映画を期待して観ると結構裏切られる、期待外れな映画です。

エンターテイメント性は薄く、基本的に淡々としていて生々しく麻薬カルテルの世界、雰囲気を描いています。

基本的な目線としては、マイケル・ファスベンダーの演じる優秀な弁護士を
「愚かだなぁ」
として見る感じです。
そこまでの気持ちが無く始めた麻薬ビジネスがそこまで恐ろしいものだとは知らなかった。

知ってた者達でさえとことん恐ろしい目に遭ってしまう。

誤解であろうが冤罪であろうが組織は許さない。
ミスして疑われたらなんのためらいもなく恐ろしすぎる罰を受ける。

一つの決断、ミスでとことん転がり落ちていってしまうそんなお話でした。

演出としてはとても暗くて不気味でした。
説明も少ないので物語の展開はわかりにくい感じです。
とにかくヤバいことになってると言うのはわかります。

普通の映画である、
ピンチを何とか奇跡的に切り抜ける、
みたいなパターンはまるで無く
容赦なく制裁を受けます。

マイケル・ファスベンダーがかなりハマり役で良かったです。

ペネロペ・クルスは可愛くていいです。

ブラッド・ピットはちょい役であまりいい役じゃないですが、
彼には役不足に見えるこんな役でも引き受ける姿に役者魂を感じます。

僕の大好きなハビエル・バルデムも実にいい味出してました。
この人も役を選ばない名優ですね。
一昔前のベネチオ・デル・トロを彷彿とさせます。
今回は宇梶剛士に見えてましたが。

キャメロン・ディアスがエロくて謎めいた峰不二子的な役でした。
この人のセクシーはいいですね、興奮します。

トータル怖くていい味出てましたが、
ちょっと退屈感は否めなかったです。

キャストや予告の作りから期待させる内容では無かったのが減点ポイントですが質は高かったと思います。
久々にリドリー・スコットのこの手の映画が見れて良かったです。


そんなわけで６点です。


冒頭に
「製作者の意図でスペイン語に翻訳を入れてないのでご了承ください」
的なメッセージが出てました。
メキシコ人を謎めかせ怖い存在に見せるための演出と思います。

少しスペイン語が分かる僕にはどのようなベクトルの事を言ってるかわかりました。
スペイン語を勉強してて良かったです。