メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

王様のためのホログラム

2017年02月13日 | 映画
王様のためのホログラム
を観ました。


立派な車もステキな家も美しい妻も、煙のように消えてしまった。すべてを失くした男の名はアラン。大手自転車メーカーの取締役だったが、業績悪化の責任を問われ解任されたのだ。
愛する娘の養育費を払うためにIT業界に転職し、一発逆転をかけて地球の裏側、はるばるサウジアラビアの国王に最先端の映像装置〈3Dホログラム〉を売りに行く。
ところが砂漠に到着すると、オフィスはただのボロテントでエアコンも壊れ、Wi-Fiもつながらなければランチを食べる店さえない。
抗議したくても担当者はいつも不在(居留守かも?)、プレゼン相手の国王がいつ現れるのかもわからない。上司からはプレッシャーをかけられ、ついには体も悲鳴をあげる。
追いつめられたアランを助けてくれたのは、予想もしない人物だった──。


トム・ティクヴァ監督です。
比較的高評価してきた監督です。

人生に悩む中年の物語ですがかなり好みのテイストの設定です。
自分の希望に反してサウジアラビアに行く羽目になりますが、
サウジアラビアを舞台にした映画って初めてかもしれません。
サウジアラビアの風景、サウジアラビアの文化、サウジアラビアの人間、
それらを見事に描写していました。
早速感化されてかなりサウジアラビアに行きたくなりました。

海外放浪好きな自分としては、
こうして自国で培った常識がことごとく通用しない世界に行くのは大好きです。
そしてまあ、西欧諸国とはまるで違う風景と文化が良いですね。
基本、砂漠国家で砂漠に建つ近代的な建物の感じや、都市開発の風景は圧巻でした。
そういうサウジアラビアを伝えてくれるだけでかなり価値ある作品でした。

ストーリーは中年のおじさんが新たな世界で新たな人生を始めていくという、
かなり好みの設定です。
踏んだり蹴ったりで良いこと無い日々の中異国でのささやかな経験、出会いをきっかけに、
また人生への活力を取り戻していきますが、こういうことは異国では良くあることだと思いますね。
日常でどうしても手に入れられないものが、異国での経験から手に入る事は確かにあります。
主人公は旅では無く仕事のミッションでサウジアラビアに行くのですが、まあ旅です。
ベタですがそういう旅系映画です。

結構展開が急に思えるようなこともありましたが、
サウジアラビアってこういうところなのだろうと思えました。

コメディはそこそこ笑えて悪くなかったと思います。
運転手の男がなかなかいい味出してましたね。
サウジアラビアでCIAのジョークを言うのは、空港で爆弾を持ってると言うジョークを言うくらい駄目なこと。
ってのは面白かったです、本当にそうかも知れませんね。

主演はトム・ハンクスです、安定のトム・ハンクスです。
比較的彼らしい役だったと思います。
適度に陽気で適度に悩みを抱えていて。
背中にできたコブが何か象徴のようになっていて、ただそれが痛々しくて見るのがしんどかったです。

相手役はサリタ・チョウドリーが演じていました。
決して美人じゃないですがそれがなんか生々しくて良かったです。
イギリス人女優ですが、サウジアラビア人っぽさはなかなかでした。

僕の好きなベン・ウィショーがカメオ的ですがホログラムで出てました。

尺が短めだったので全体的にもう少し重さや深刻さを描写しても良かったかな?と思いました。
ライトな作品ですがヘビーに仕上げるのに向いている内容に思いました。

サウジアラビアと言う国をコレほど生々しく美しい映像美で描いた事はかなり価値あると思いました。
とにかく行きたくなりました。
そして中年の人生へのメッセージ性は真に受けたくなりました。


そんなわけで7点。
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