メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

クソ野郎と美しき世界

2018年04月09日 | 映画
クソ野郎と美しき世界
を観ました。


全力で走る女、フジコ。フジコを追う不気味なマスクをした極悪人「マッドドッグ」。
彼らが向かう先には天才ピアニスト。
歌を食べて生きる少女「歌喰い」と歌えなくなったアーティストの不思議な関係。
失った息子の右腕を探す旅を続ける夫婦。2人が沖縄の海で出会ったのは・・・?
夜な夜なクソ野郎たちが集まるダンスフロアで繰り広げられるショー。


元SMAP、新しい地図の3人のプロモーション的なオムニバス映画です。
園子温、山内ケンジ、太田光、児玉裕一監督が参加しています。

日本の芸能界の中心に居た彼らが環境を変え、革新主義なクリエイターと組んで新しい映画を作ろうというコンセプトの様なものを感じてました。
そういう何か新しいモノを期待して観に行きました。

結論から言うと、頑張っていたとは思いますが一昔前の新しいもののイメージな感じですかね。
濱マイクあたりの時代ならば正解かも知れませんが、逆にこのテイストの作品は時代を掴みそこねると古くてダサい感が強まりますね。
やりたいことのイメージはわかりますが、ちょっと結果が追いついていない感じもありました。
それは4つの作品全部に共通の印象でした。

新しい地図の3人はみんな実名で現実ともリンクする様な設定で。
そのへんにメッセージ性や世の中へのアピールを感じましたね。
とかく香取慎吾は結構そのまんまなイメージでした。
草彅剛はチンピラでしたが。

園子温と稲垣吾郎の「ピアニストを撃つな」が最もそれが顕著でしたかね。
セットやロケーションでお金かけて世界観を構築するのは相変わらず凄いですが、仕上がりはちょっと中途半端な感じでした。
サイケデリックでマッドでやたら走る情熱的な作風も園子温らしくて良かったです。
初期の園子温作品を思わせる仕上がりでした。
ただその分、ストーリーはほとんど無くてチープ感が強いので、今作のコンセプトやらキャスティングにマッチしていたかは疑問でした。

稲垣吾郎はそれらしい役でらしさは出ていました。
ストーリーテラーの役割もこなしていて、観客に話しかけるタイプのやつです。

浅野忠信がメチャクチャマッドな漫画みたいな役でした。
確かに昔はこのテイストの作品の元祖的なポジションだったと思います。
かなりクセの強い役どころだったので評価は難しいところですが。

満島真之介もほぼ同じですね。
かなりぶっ飛んだ漫画なキャラでした。

そして大好きな馬場ふみかがセクシーで最高でした。
この子のこの役のおかげでかろうじてこの作品の価値を見いだせました。
園子温らしく女優さんに過激さを求めますね。
男を狂わせる役として見事でした、自分も狂わされました。

山内ケンジと香取慎吾の「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」はかなり今の現実へのリンクを感じさせる昨日でドキドキしましたね。
歌を食べてお腹を満たす女の子に歌を食べられた元ミュージシャンで現画家の慎吾ちゃんが昔の歌が歌えなくなるという。
一生懸命歌おうとしている歌がSMAPのやつかな?って誰もが思ってしまう感じで。

そんなわけで香取慎吾が香取慎吾っぽくて良かったです。
ピンチでも冷めてマイペースでいる感じがらしくて好きでした。
アーティスト感もあってカッコいいと思える瞬間もありました。

コレで歌喰い役をやってた中島セナって子がかなり良かったですね。
かなり好みのルックスだったので将来が楽しみで仕方ないですね。
未来のトップ女優って感じです。
可愛いし雰囲気あるし演技上手いし、追わずにはいられないですね。

太田光と草彅剛の「光へ、航る」は一番良かったですかね。
草彅剛と尾野真千子の圧倒的な演技力で成立している部分が大きいと思いますが。
太田光の映画監督としての才能は十分感じました。
全然太田光を感じさせない、ただのベテラン映画監督な雰囲気すら感じさせる作品でした。

草彅剛は任侠ヘルパーと全く同じ様なキャラでした。
最近のダークよりな作品でも遠からずチンピラよりなので一番得意なところでしょうね。
素直に得意そうな役をやらせたのが良かったと思います。

尾野真千子も感情爆発系なガサツ女で上手でしたね。
今更上手さを褒める女優だとは思いませんが、なりきりっぷりは見事でした。

児玉裕一と3人の「新しい詩」はミュージカルでした。
ずっと爆音の大団円な感じで、グレイテスト・ショーマンみたいな感じを出そうとしてのですかね。
ここで上記3つのストーリーの謎の回収がされたりしますが、こんなに丁寧に描かれると逆に萎えるタイプのやつですね。
こういうところで子供向け感は強まります。

プロモーション映画だと思うのでどういう目線で見たら良いのか難しいですが。
まあ3人のことは応援したいと思えました。


そんなわけで5点。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。