SCOOP!

SCOOP!
を観ました。


かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン・都城静（福山雅治）。しかし、その輝かしい業績も、現役の雑誌編集者たちにはほとんど知られていない。
過去のある出来事をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまった静は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身。それから何年もの間、自堕落な日々を過ごしてきたのだ。
そんな彼に再び転機が訪れる。ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりのド新人記者・行川野火（二階堂ふみ）とコンビを組まされる羽目になってしまったのである。
案の定まったく噛み合わずケンカばかりの静と野火。ところが、この凸凹コンビが、まさかまさかの大活躍で独占スクープを連発！そしてついに、日本中が注目する重大事件が発生する・・・。


すっかり売れっ子な大根仁監督作品です。
かなり独特なスタイルを確立していますが、今作でもその持ち味はふんだんに出ていたと思います。

歯に衣着せぬ演出と言いますか、そういう場面描写をする監督だと思います。
王道よりで活躍している監督としてはタブーを恐れない印象がありますね。
芸能スキャンダルをネタにした作品ということでその特徴はより出ていました。

どこまでリアルなのかはわからないですが、芸能界の裏側を容赦なく描いている様には思いました。
実際のモデルが居るような、容易に実在の芸能人をイメージ出来るようなパパラッチの獲物たちでした。
「代官山はスポットだ」「目黒のバーに集まる」「こうしてれば芸能人と遭遇できる」
的な生々しい描写の連続で。
ギャング的な集団とパイプを持ってるオラオラ系の売れっ子芸能人や、
人気男性グループと女性グループの過激な合コンとか、
芸能界から苦情来そうな内容でした。

福山雅治のチャラすぎるキャラ、生々しい風俗トークも良かったです。
ゴシップ雑誌の仕事してる人って本当にこういうゲスい人たちがやってるのかな？と思ってしまいました。
そういう性格の人じゃなきゃ出来ない様に思ってしまいました。

ど素人の二階堂ふみがイチイチ失敗だらけで鬱陶しい序盤でしたが、
慣れてきていいコンビネーションで張り込みしてる感じは楽しそうでした。

後半は報道的な仕事に戻ろうとそういう仕事をしますが、
序盤のリアルさとは裏腹に結構コメディだったり無茶苦茶な作戦のドタバタだったり、
急にリアルさなくなってきたな、と思いました。

その後も恋愛展開だったりクライマックスの危ない展開がなかなか無理矢理でした。
映画などでよく見かける
「危ないからお前はここで待ってろ」
はもはやダチョウ倶楽部さんのフリと同義語ですね。
「コレをアイツに渡してくれ」とか、この展開で急に死亡フラグ？？とは思いましたが。

映像は流石の大根監督で夜の風景や東京の感じを出すのはうまいですね。
不思議な臨場感はありました。

福山雅治は真面目な役からチャラい役までこなしますが、
今作はとことんチャラい軽薄な男でしたが、バッチリなはまり役だとは思いました。
逆にこの役は福山雅治以外では考えられないと思わせるキャスティングでした。
流石にカッコいいですし、生活感の無いワイルドな部屋に住んでるし。

二階堂ふみは活躍が著しいですが、また役幅が広いですね。
今作はらしくない役と最初は思いましたが、実に素晴らしい出来だったと思います。
ド新人のミーハーな女の子から少しずつ成長して行く様、
女性らしさも出してインパクトの割に演じるのは難しそうに思いましたが、
なかなかのクオリティで演じていました。

吉田羊はいつも通り、差し支えないクオリティを安定して発揮します。

最近よく見かけるリリー・フランキー。
すっかり売れっ子脇役でその佇まいが放つ雰囲気で今作も非常に重要な役を演じていました。
ダメ人間であり、格闘技も強く、かなりマッドな一面も。
クライマックスの演技はなかなか凄かったです。
ひょっとしたら何かしらの賞にノミネートされそうですね。

滝藤賢一も言わずもがな上手ですが。
ちょっとコメディっぽいことから感動的な演技まで。
安定のクオリティですね。

ちょっと展開の強引さは気になりましたが、基本的なクオリティは高いので楽しめる映画でした。


そんなわけで7点。