ロング,ロングバケーション
を観ました。
夫婦生活はや半世紀、アルツハイマーが進行してきた元文学教師のジョンと、全身に散らばったガンがいよいよ暴れだしそうな妻エラ。
子供たちは巣立ち、70歳を超え人生の旅にも終わりが見えてきた今、夫婦水入らずで心残りを遂げる旅に出るときが来た。病院や施設なんて真っ平ごめん。
ジャニス・ジョプリンにキャロル・キング。ご機嫌な音楽と共に愛用してきたキャンピングカーに乗り、毎晩思い出の8ミリでこれまでの人生を追懐しながら、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ・キーウェストを目指す。
道中、ジョンの小さな記憶の混乱がきっかけで、今までごまかしてきたふたりの問題に向き合ってみたり、墓場までもっていくはずだったかつての隠し事がつまびらかになったり、どうしようもなく惹かれあったあの頃の衝動が蘇ったり…。
二人で歩んできた道を、再び歩きなおす旅はやがて―。
パオロ・ヴィルズィ監督・脚本です。
ノーマークな映画でしたが、なんとなく名画な雰囲気があったので観に行きました。
いやぁ、案の定名画でした!
ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドという大ベテラン二人によるロードムービー。
余命短い妻とアルツハイマーの夫のロードムービーという、名画の予感がプンプンする映画です。
娘と息子を出し抜いてある日唐突に旅に出てしまう始まりです。
ずっと家に眠っていたキャンピングカーで旅に出ます。
そこからは様々な人々と出会い、困難と出会い、ピンチやらトラブルやらの連続で。
記憶が途切れ途切れで妻のことすらわからなくなる時間帯もある夫、おもらししたり目を離すとすぐ徘徊したり。
妻は体調不良で時々具合悪くなってしまうし、まともに行動出来ない二人のロードムービーです。
当然周りの、見ず知らずの人々の手助けが必要で。
なんとも優しい映画です。
なんとなくストレイト・ストーリーを思い出すものがありました。
細々と幾つかのエピソードが綴られ、それが良いものだったり悪いものだったり。
場面場面が所謂オチまで描かれないような、本来ならば関わった人々の後ケアの様なところまで描きそうなのに。
大事なポイントさえ捉えてしまえば後はパッと場面が切り替わってしまいます。
そんな演出が繰り返されます。
非常にハイレベルな演出だと思いました。
老人ならではの特製を活かしたコメディも非常に秀逸でした。
英語、アメリカ文化が分かればもっと楽しめると思います。
老人特有のブラックジョークは面白かったです。
トランクス派か?ブリーフ派か?の質問にオムツ派だ!と答えるシーン、最高でした。
こんな老夫婦がショット・ガンを持って老人施設に乗り込むとか面白かったですね。
そんな優しさと怒りと悲しみが素晴らしいテンションで描かれていて、
クライマックスは場内なかなかの涙でした。
コレもひとつの究極の愛を描いた映画だと思います。
トラブルや揉め事があっても歩く時は手を繋いだり肩を抱いたりして。
ごく自然な所作に二人の愛の深さが見事の表現されていました。
ちょっとネタバレですが、
こんな素敵で泣ける濡れ場は未だかつて観たことが無かった気がしました。
こんな老夫婦が未だに愛し合うというのが素晴らしすぎました。
ヘレン・ミレンは実年齢より歳上の女性を演じていましたが賞をあげたいくらい素晴らしかったです。
頑固でお喋りで、ボケた夫は自分無しでは生きていけないと思っています。
とてもとても深い愛を感じました。
こういう愛情表現は老夫婦でなければ描けませんね。
ドナルド・サザーランドがこんなに愛嬌ある役を演じているのを初めて観た気がします。
どちらかと言えば悪役多めな役者ですが、見事にボケ老人を演じていて、今までの印象がほぼ消えていました。
大変素晴らしい演技でした。
少々難点だと思ったのは、時代背景の描写のためでしょうが、
トランプさんの演説がラジオで流れていたり、
トランプ支持のデモ行進なんかのシーンがありました。
この作品のテイストだとこういう政治色はとことん排除して欲しかったなとは思いました。
そんなわけで8点。
を観ました。
夫婦生活はや半世紀、アルツハイマーが進行してきた元文学教師のジョンと、全身に散らばったガンがいよいよ暴れだしそうな妻エラ。
子供たちは巣立ち、70歳を超え人生の旅にも終わりが見えてきた今、夫婦水入らずで心残りを遂げる旅に出るときが来た。病院や施設なんて真っ平ごめん。
ジャニス・ジョプリンにキャロル・キング。ご機嫌な音楽と共に愛用してきたキャンピングカーに乗り、毎晩思い出の8ミリでこれまでの人生を追懐しながら、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ・キーウェストを目指す。
道中、ジョンの小さな記憶の混乱がきっかけで、今までごまかしてきたふたりの問題に向き合ってみたり、墓場までもっていくはずだったかつての隠し事がつまびらかになったり、どうしようもなく惹かれあったあの頃の衝動が蘇ったり…。
二人で歩んできた道を、再び歩きなおす旅はやがて―。
パオロ・ヴィルズィ監督・脚本です。
ノーマークな映画でしたが、なんとなく名画な雰囲気があったので観に行きました。
いやぁ、案の定名画でした!
ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドという大ベテラン二人によるロードムービー。
余命短い妻とアルツハイマーの夫のロードムービーという、名画の予感がプンプンする映画です。
娘と息子を出し抜いてある日唐突に旅に出てしまう始まりです。
ずっと家に眠っていたキャンピングカーで旅に出ます。
そこからは様々な人々と出会い、困難と出会い、ピンチやらトラブルやらの連続で。
記憶が途切れ途切れで妻のことすらわからなくなる時間帯もある夫、おもらししたり目を離すとすぐ徘徊したり。
妻は体調不良で時々具合悪くなってしまうし、まともに行動出来ない二人のロードムービーです。
当然周りの、見ず知らずの人々の手助けが必要で。
なんとも優しい映画です。
なんとなくストレイト・ストーリーを思い出すものがありました。
細々と幾つかのエピソードが綴られ、それが良いものだったり悪いものだったり。
場面場面が所謂オチまで描かれないような、本来ならば関わった人々の後ケアの様なところまで描きそうなのに。
大事なポイントさえ捉えてしまえば後はパッと場面が切り替わってしまいます。
そんな演出が繰り返されます。
非常にハイレベルな演出だと思いました。
老人ならではの特製を活かしたコメディも非常に秀逸でした。
英語、アメリカ文化が分かればもっと楽しめると思います。
老人特有のブラックジョークは面白かったです。
トランクス派か?ブリーフ派か?の質問にオムツ派だ!と答えるシーン、最高でした。
こんな老夫婦がショット・ガンを持って老人施設に乗り込むとか面白かったですね。
そんな優しさと怒りと悲しみが素晴らしいテンションで描かれていて、
クライマックスは場内なかなかの涙でした。
コレもひとつの究極の愛を描いた映画だと思います。
トラブルや揉め事があっても歩く時は手を繋いだり肩を抱いたりして。
ごく自然な所作に二人の愛の深さが見事の表現されていました。
ちょっとネタバレですが、
こんな素敵で泣ける濡れ場は未だかつて観たことが無かった気がしました。
こんな老夫婦が未だに愛し合うというのが素晴らしすぎました。
ヘレン・ミレンは実年齢より歳上の女性を演じていましたが賞をあげたいくらい素晴らしかったです。
頑固でお喋りで、ボケた夫は自分無しでは生きていけないと思っています。
とてもとても深い愛を感じました。
こういう愛情表現は老夫婦でなければ描けませんね。
ドナルド・サザーランドがこんなに愛嬌ある役を演じているのを初めて観た気がします。
どちらかと言えば悪役多めな役者ですが、見事にボケ老人を演じていて、今までの印象がほぼ消えていました。
大変素晴らしい演技でした。
少々難点だと思ったのは、時代背景の描写のためでしょうが、
トランプさんの演説がラジオで流れていたり、
トランプ支持のデモ行進なんかのシーンがありました。
この作品のテイストだとこういう政治色はとことん排除して欲しかったなとは思いました。
そんなわけで8点。