ハッピー・デス・デイ
を観ました。
主人公、女子大生のツリー(ジェシカ・ロース 『ラ・ラ・ランド』)は自己チューで、世界は自分ひとりのために回っていると思っている、高飛車でビッチなタイプ。
誕生日の朝、たぶん泥酔した勢いついでに、「やらかして」しまったと思われる、男子寮に暮らす見知らぬ男のベッドでぼんやりと目を覚ます。
だが彼女はすぐに今日は何かがいつもと違うことに気づき、また何もかもがすでに経験しているように感じるのだった。
クリストファー・ランドン監督です。
ポスターの雰囲気からホラー映画というくらいで全然前情報なかったのですが、いつもお客が入っているので気になっていました。
見たらめちゃくちゃおもしろかったです。
率直な感想は、非常に良く出来ている、この上なく巧妙な映画でした。
もっと単純なスプラッターホラーかと勝手に思っていたので。
正直、ホラー5割、ミステリー3割、コメディ2割とかそれくらいの映画でした。
非常に先鋭的でちゃんと現代的な映画でした。
タイムリープものとも知らずに見ていたので、随分丁寧な冒頭だな、、、なんて思って見ていましたが。
ああタイムリープを表現するための丁寧描写だったのか、なんて後々わかります。
なんてこと無い誕生日の描写、実にいい感じにホラーになっていき、あっという間にちゃんと怖いシーンでまた振り出しに戻ります。
ただこの映画の見事なことの一つは、その冒頭15分くらいが非常に重要で。
ほんとなんてこと無いと思ったその15分くらいの内容がもの凄く意味を持つというか、癖になるというか。
びっくりするくらいフル活用されます。
一つ特徴としてはタイムリープものとしても異常な回数タイムリープして、ちゃんと毎度のタイムリープを描写するのです。
もちろん同じシーンを繰り返し見せたら飽きるのですが、そうさせない見事な表現方法。
重めの意味を持たせる回もあればハイスピードに超編集されて容疑者が減ったことだけを上手く観客に伝えるだけの回もあります。
この映画の見事な点のもう一つは、ちゃんと観客の感情を想定した見事な作りで。
タイムリープが怖いというフェーズから、ミステリーなフェーズに移行していき。
いい加減にしろ!というコメディフェーズまで。
本当にこっちも見ていて、没入して感情移入してきますが、ちゃんと主人公と近い気持ちになります。
こいつ馬鹿だな、とか気づけよ、とかわかりにくい、とかが無く相当見事なエンターテイメントです。
ちょっと個人的な感想ですが、ゼルダの伝説のムジュラの仮面ってゲーム、同じ3日間を繰り返しながら攻略していく名作があるのですが。
やってることはそれに近いです。
またはジョジョの奇妙な冒険の第4部のバイツァ・ダストに似てました。
設定ではオール・ユー・ニード・イズ・キルにも近いですかね。
全く正体不明の殺人鬼に殺されてしまうのであの手この手で逃げ切ろうとするが無理なので、犯人を突き止めようと繰り返し殺されるという。
途中は殺されることを前提で過ごすので全裸で行動したりとほんのりサービスもあります。
クライマックスと思われるようなシーン、これぞ完璧な一日の過ごし方、コレでクリアと思っても更にあるような。
ただくどくもなく見事な絶望感を提供してきます。
設定映画ですがそこまで難しくなく、感動的な一日も失敗してしまえば主人公以外は全部忘れてしまっています。
またイチから説明しなければいけないストレス感。
適度なコメディで見やすくする感じ、ちょっとジーンとさせるような感じも。
実にいいテンポで良いセンスで描写してくれていました。
最初は疑心暗鬼で見てましたが、徐々にここまで完璧だな、、、なんて思って逆にこの先が不安になったりもします。
ただ結局ラストまでひたすら無駄のない、それどころか完璧に盛り上がっていきめちゃくちゃ見事なクライマックスとオチでした。
この物語をこんなに完璧にまとめたのは驚愕でした。
個人的にはホラーとコメディの共存としてはスクリームシリーズの評価は非常に高いですが。
あれよりは更にホラー要素は少ないですが近いものはありました。
主人公のジェシカ・ロースは非常に素晴らしい女優でした。
この映画を名画にしてるのにはこの人の幅広い演技が大いに重要でした。
怖がりのシーンから思いっきりコメディからアクションからジーンとさせる演技まで。
ちょっと今年の俺アカデミー賞の賞レースにノミネートですね。
油断してたのでかなり度肝抜かれた映画でした。
見てたら映画作りたくなりました。
きっとそう思うアメリカの若者もいるでしょう。
非常に価値ある映画だったと思います。
そんなわけで8点。
を観ました。
主人公、女子大生のツリー(ジェシカ・ロース 『ラ・ラ・ランド』)は自己チューで、世界は自分ひとりのために回っていると思っている、高飛車でビッチなタイプ。
誕生日の朝、たぶん泥酔した勢いついでに、「やらかして」しまったと思われる、男子寮に暮らす見知らぬ男のベッドでぼんやりと目を覚ます。
だが彼女はすぐに今日は何かがいつもと違うことに気づき、また何もかもがすでに経験しているように感じるのだった。
クリストファー・ランドン監督です。
ポスターの雰囲気からホラー映画というくらいで全然前情報なかったのですが、いつもお客が入っているので気になっていました。
見たらめちゃくちゃおもしろかったです。
率直な感想は、非常に良く出来ている、この上なく巧妙な映画でした。
もっと単純なスプラッターホラーかと勝手に思っていたので。
正直、ホラー5割、ミステリー3割、コメディ2割とかそれくらいの映画でした。
非常に先鋭的でちゃんと現代的な映画でした。
タイムリープものとも知らずに見ていたので、随分丁寧な冒頭だな、、、なんて思って見ていましたが。
ああタイムリープを表現するための丁寧描写だったのか、なんて後々わかります。
なんてこと無い誕生日の描写、実にいい感じにホラーになっていき、あっという間にちゃんと怖いシーンでまた振り出しに戻ります。
ただこの映画の見事なことの一つは、その冒頭15分くらいが非常に重要で。
ほんとなんてこと無いと思ったその15分くらいの内容がもの凄く意味を持つというか、癖になるというか。
びっくりするくらいフル活用されます。
一つ特徴としてはタイムリープものとしても異常な回数タイムリープして、ちゃんと毎度のタイムリープを描写するのです。
もちろん同じシーンを繰り返し見せたら飽きるのですが、そうさせない見事な表現方法。
重めの意味を持たせる回もあればハイスピードに超編集されて容疑者が減ったことだけを上手く観客に伝えるだけの回もあります。
この映画の見事な点のもう一つは、ちゃんと観客の感情を想定した見事な作りで。
タイムリープが怖いというフェーズから、ミステリーなフェーズに移行していき。
いい加減にしろ!というコメディフェーズまで。
本当にこっちも見ていて、没入して感情移入してきますが、ちゃんと主人公と近い気持ちになります。
こいつ馬鹿だな、とか気づけよ、とかわかりにくい、とかが無く相当見事なエンターテイメントです。
ちょっと個人的な感想ですが、ゼルダの伝説のムジュラの仮面ってゲーム、同じ3日間を繰り返しながら攻略していく名作があるのですが。
やってることはそれに近いです。
またはジョジョの奇妙な冒険の第4部のバイツァ・ダストに似てました。
設定ではオール・ユー・ニード・イズ・キルにも近いですかね。
全く正体不明の殺人鬼に殺されてしまうのであの手この手で逃げ切ろうとするが無理なので、犯人を突き止めようと繰り返し殺されるという。
途中は殺されることを前提で過ごすので全裸で行動したりとほんのりサービスもあります。
クライマックスと思われるようなシーン、これぞ完璧な一日の過ごし方、コレでクリアと思っても更にあるような。
ただくどくもなく見事な絶望感を提供してきます。
設定映画ですがそこまで難しくなく、感動的な一日も失敗してしまえば主人公以外は全部忘れてしまっています。
またイチから説明しなければいけないストレス感。
適度なコメディで見やすくする感じ、ちょっとジーンとさせるような感じも。
実にいいテンポで良いセンスで描写してくれていました。
最初は疑心暗鬼で見てましたが、徐々にここまで完璧だな、、、なんて思って逆にこの先が不安になったりもします。
ただ結局ラストまでひたすら無駄のない、それどころか完璧に盛り上がっていきめちゃくちゃ見事なクライマックスとオチでした。
この物語をこんなに完璧にまとめたのは驚愕でした。
個人的にはホラーとコメディの共存としてはスクリームシリーズの評価は非常に高いですが。
あれよりは更にホラー要素は少ないですが近いものはありました。
主人公のジェシカ・ロースは非常に素晴らしい女優でした。
この映画を名画にしてるのにはこの人の幅広い演技が大いに重要でした。
怖がりのシーンから思いっきりコメディからアクションからジーンとさせる演技まで。
ちょっと今年の俺アカデミー賞の賞レースにノミネートですね。
油断してたのでかなり度肝抜かれた映画でした。
見てたら映画作りたくなりました。
きっとそう思うアメリカの若者もいるでしょう。
非常に価値ある映画だったと思います。
そんなわけで8点。