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男はつらいよ お帰り 寅さん

2019年12月30日 | 映画
男はつらいよ お帰り 寅さん
を観ました。


サラリーマンを辞めて、念願の小説家になった満男(吉岡秀隆)は、中学三年生の娘ユリ(桜田ひより)とマンションで二人暮らし。
最新作の評判は良く、出版社の担当編集・高野(池脇千鶴)からも次回作の執筆を薦められるが、いまいち乗り気になれないでいた。
亡くなった妻の七回忌の法要で、久々に葛飾の実家を訪れた満男。
柴又帝釈天の参道にある、親戚が営んでいた草団子屋「くるまや」は新しくカフェに生まれ変わった。
その裏手にある昔のままの住居に、母・さくら(倍賞千恵子)と父・博(前田吟)が暮らしている。
満男は 法事の後、両親や親戚、付き合いの長い近所の人々と昔話に花を咲かす。
それは、騒々しくて楽しかった伯父・寅次郎 (渥美清)との日々。
あの寅さんへの想いが蘇る―。
日本中を旅していて、破天荒で変わり者、でも、いつも優しく味方でいてくれた寅さん。
長い間彼に会えず、大人になった満男の心には大きな穴がぽっかりと空いていた。
書店で行われた満男のサイン会。
その列に並ぶ人々の中に、かつて結婚の約束までした初恋の人・イズミ(後藤久美子)の姿があった。
彼女は現在、海外でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員となり、夫と二人の子供と暮らしているが、仕事で来日中に偶然サイン会を知って訪れたのだった。
驚きながらも、再会を喜ぶ満男は「会わせたい人がいる」と小さなジャズ喫茶にイズミを連れていく。
そこには、20年以上前に奄美大島で会った寅のかつての恋人・リリー(浅丘ルリ子)がいた…。
懐かしい人たちとの時間。
語り合う、寅さんのこと。
それは満男たちの心にあたたかい何かをもたらしていく。
そして満男とイズミは、リリーから寅との思いがけない過去を聞かされ―


山田洋次監督作品です。

言うまでもなく、日本が世界に誇る名シリーズの最新作です。
正直一般的な知識はありますが、実際にしっかりと観たことはありませんでした。
子供時代、おじいちゃん子だった自分はよくおじいちゃんが面白いと言っていたのを覚えています。

いやーこれは素晴らしい映画ですね。
男はつらいよを一度も観たこと無い自分でもノスタルジックの極地で人情味の極地で号泣、号泣でした。
人生でもトップ5に入るくらい映画館で泣いたかも知れません。
冒頭の主題歌のイントロを劇場サウンドで聴くだけでサブイボでした。
これはスター・ウォーズ級ですね。

リアルタイムで観てきた人やファンには何を今更、と怒られそうですが。
改めてこの古き良き日本の下町の人情味の描写はすごすぎますね。
柴又という舞台設定も素晴らしすぎますね。
よくぞこれほどまでの人情物をこの時代に作ってくれたと思いました。

今作は吉岡秀隆演じる満男が大人の人生の迷いに出くわしてその度におじさんのことを思い出すという手法です。
実家に帰って家族とおじさんの思い出話をしたりと。
そういうシーンに過去の作品の映像の寅さんが出てきます。
中盤以降はそれらの回想シーンでもれなく泣いてしまいました。
ガサツでわがままだけど深い愛に満ちていて。
クライマックス付近の寅さんのメッセージには嗚咽くらい泣けました。
今まで観てこなかったことを後悔しまくりました。

かなりの主要キャストやマドンナ役がすでにこの世を去ってしまっていますが、ご存命のキャストは結構出ていました。

それにしてもリマスタリングされた過去のシーンが素晴らしかったです。
当時の日本の風景を見るだけで懐かしさ凄いし、当時の日本の映像記録としての役割すら果たしている気がしました。
そして倍賞千恵子の可愛さがエグかったですね。
この偉大なシリーズの裏の主役的ポジションを担うだけあります。

過去のシリーズとちゃんと繋がる満男の恋。
山田洋次監督らしく現代日本のリアルな描写もちゃんとあって。
新キャストも絶妙でした。

回想シーンで出てくる渥美清さんはもう言うまでもなく最高の中の最高です。
正直、今まで何故にこんなに支持されるのか?と過剰な気もしてましたがめちゃくちゃ反省です。
もっと評価されるべき役者ですね。
役者として国民栄誉賞もらうのも当然でしょう。
めちゃくちゃ屁理屈ばかりで自己中でトラブルメーカーで。
最近見たドラマの”俺の話は長い”もこの辺からめちゃくちゃ影響受けていたのでしょう。
哲学的なことも独自の言い回しと妙な説得力で周囲を言いくるめてしまうのは見事です。
そして天性のコメディセンス、今見ても面白くて場内はかなりの笑い声でした。

主演の吉岡秀隆は子役からしっかりと大人の演技派になった貴重な役者ですね。
彼が北の国からや今作のような名作に子役として参加していたおかげでこういう作品が実現できますね。
日本の映像世界における非常に貴重な役者だと思いました。
歳より若く見えるし今のうちにこのシリーズも続けてほしいです。

ヒロインの後藤久美子はこの作品以外じゃ見れないでしょうが。
よくぞ出演したと感心しました。
若い頃の映像はめちゃくちゃ可愛くて時の残酷さは感じますが、今でもこの世代の助成ではめちゃくちゃ綺麗ですね。
海外生活が長いからか?英語やフランス語は流暢でしたが日本語は若干外人なまりになってました。

倍賞千恵子はすっかりおばあちゃんですがとにかく若い頃の可愛さです。
現代に居てもめちゃくちゃ上位になるでしょう。
声質も非常に良いですね。
すっかり若い頃の倍賞千恵子のファンになってしまいました。

前田吟も若い頃はとてもカッコいいですね。
今のイメージが大分強かったのでかなりイメージ変わりました。

美保純は過去の作品で見てないので変化はわからないですが、タコ社長ポジションを見事に継承していました。
今作の中では非常に貴重なコメディポジションでした。

桜田ひよりや池脇千鶴という新しいキャストもうまく作品に馴染んでいました。
流石のキャスティングです。

浅丘ルリ子はとても重要な役でしたね。
もちろん変わっていますが、雰囲気が変わらないのは凄いです。

夏木マリも同様ですね。
この辺の強気女性は息が長いですね。
他にも縁のあるキャストや過去作品のキャスティングも多く出ていてその辺でも楽しめます。

これをきっかけに男はつらいよファンになり過去作品をおさらいしようと思います。
こんなにも今更のことは珍しいでしょうが、きっと今作をみて僕のように思う人は沢山居ると思います。

とにかく号泣映画でした。


そんなわけで10点。

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