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スキャンダル

2020年02月22日 | 映画
スキャンダル
を観ました。


2016年、アメリカニュース放送局で視聴率NO.1を誇る「FOXニュース」に激震が走った! クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソンが、TV業界の帝王と崇められるCEOのロジャー・エイルズを告発したのだ。騒然とする局内。
看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリーは、自身の成功までの過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。
一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラは、ロジャーに直談判するための機会を得て――。


ジェイ・ローチ監督です。

つい最近に実際にあった事件をモデルにしたノンフィクションです。
2016年の事件をもう映画化するなんてハリウッドのフットワークの軽さは素晴らしいですね。

特殊メイクのカズ・ヒロがアカデミー賞を取ったので気になって見に行きましたが。
まずはその特殊メイクっぷりは相変わらずお見事の一言に尽きます。
よく知った女優さんたちの顔が違和感なく若干違うのです。
感覚としては整形に近い気がします。
特殊メイクというジャンルに大きなイノベーションを与えていると思います。

なんと言っても豪華キャストです。
自分からすると夢のような主演3人です。
それぞれがトップを取ってきた、プロレスで言うならば3人共チャンピオンベルトを巻いたことがあるレスラーがタッグを組んだような印象です。
この3人を見事に使いこなしていたと思います。

mee too的な強烈なセクハラの話ですが、一人が声をあげたらみんな声をあげて行くという流れです。
最初は想定以下の効果でしたがどんどん広まっていく感じは現代っぽかったです。
みんな立ち上がるのは寒暖じゃなく、それぞれが今の立場を失う覚悟で大きな葛藤の中で立ち上がったりそうしなかったりです。
主張できるようになったとはいえこの手の性を絡めた社会問題は尽きないですね。
セクハラして、好みの女性を採用して体をチェックしてスカート履かせて露出多めのアングルで報道番組を作る。
そうして視聴率を稼いでテレビ局を大きくした男。
見る側にも責任を感じさせるような、経済と性の切り離せない因果関係を見るような。
なかなか根深い問題をわかりやすく伝えていたと思います。

おそらくアメリカ人からすると非常にスキャンダラスでしょうが、自分には身近な出来事ではないので若干テーマ弱めに思いました。
起承転結もかなり典型的だったので特別印象的な要素は無かったです。
ただ主演の3人の晴れ晴れとした余韻がいい感じでした。

こういう現存の実在の人物を演じるのは近年のハリウッドには増加傾向ですが、日本だとほぼ無いですね。
今現役の有名人や政治家を扱えないような圧力は日本の方が強いんだなって思いました。

作品としてセクハラを扱っていますが、明確な性描写やらセクハラ行為は無く、予感みたいなものでした。
なので見てる人はどの程度悪く、本当に上司がそこまで悪いのかは明確にしていませんでした。

主演のシャーリーズ・セロンはエース的なキャスターで一番強い感じの女性像でしたが。
エースでありながら所属のテレビ局に反旗を翻す一番リスクを背負った役でした。
デラべっぴんさんなので何をやっても様になりますが、彼女のストロングポイントがよく出る役でした。
特殊メイクしても美しさはひしひしと伝わります。

ベテランキャスターをニコール・キッドマンが演じていました。
流石におばさんになってますが、ちゃんと美しさと気品みたいなものは維持してるので流石ですね。
最初に訴える、一番勇気を使う役でしたがそれに相応しい存在感でした。
後半は意外と出番少なくて物足りなかったですが。

マーゴット・ロビーが新人でこれからスターになることを約束されたような役でした。
出世欲、出世のチャンスにしがみつきたいがゆえにセクハラおやじに応じてしまう葛藤が切なかったです。
スタイルもよく顔立ちもはっきりしてるので役の説得力はありました。
かなり今旬な感じなのでまだまだ快進撃は続きそうです。

こういう事件があったことを知らなかったのでその点で良かったです。
実力派が揃う映画は見心地が良いです。


そんなわけで6点。
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