メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

50回目のファーストキス

2018年06月03日 | 映画
50回目のファーストキス
を観ました。


ハワイでコーディネイターをするプレイボーイ弓削大輔(ゆげだいすけ)はある日、
カフェで藤島瑠衣(ふじしまるい)という女性と出会い恋に落ちる。
しかし、翌日同じカフェで会った彼女は大輔の事をまるで覚えていない。
実は彼女は交通事故の後遺症により、新しい記憶は1日で消えてしまう短期記憶障害を負っていたのだ。
彼女を想う父と弟の手で、その事実を隠され、同じ日を繰り返す瑠衣。
事情を知った大輔は、毎日、自分を覚えていない彼女に一途に愛を告白し続ける。
瑠衣にとっては毎日が大輔との初対面。
大輔の機転と努力により結ばれた二人だが、大輔の本当の夢を知った時、瑠衣はある行動に出るー


大好物な福田雄一作品です。

昔観たアダム・サンドラーとドリュー・バリモアの同名タイトルのリメイクです。
アメリカ版のやつは当時の恋人と面白がって観た、なかなか思い出深い作品です。

何故、今福田雄一がこれをリメイク?という感情はありつつも。
適度なロマンティック・コメディで意外と合うのかも、との期待がありました。
いやはや、相当面白かったですね。
流石の福田雄一です。

普段のふざけきって冗長さすら感じさせる作品とは違って、
かなりのコメディ演出があるものの普通に楽しめる娯楽映画でした。
これならば今まで福田雄一作品に縁のなかった世代や客層でも楽しめる気がします。

爽やかなハワイでツアーコンダクターをしつつ天文学の研究をする主人公。
日本からのツアー客を相手に後腐れない恋愛を楽しむ悠々自適で羨ましすぎる暮らしの描写がまず良かったです。
たいがいのハワイ舞台映画と同様にハワイに行きたいと思わされるパワーはちゃんとありました。

コメディの部分は何時も通りに爆笑ものなのですが、初めてくらいに節度のある演出でした。
普段はルール度外視でめちゃくちゃシュールも入れてきますが、今作に限ってはそれがなかったのが非常に良かったです。
かなりボケボケなことやりますが、シュールをやらなかった部分でとても優しいテイストに仕上がっています。

ストーリーはそのタイトル通り、交通事故の後遺症で短期記憶が睡眠中に長期記憶に移せず。
毎日同じ日を過ごさないとパニックを起こしてしまう美女と毎日恋をする良い設定です。
なので周囲の人々は必死に同じ日を繕います。
恋に落ちた女性が日々自分を口説く攻略法を教えてくれたりするのでリセットされつつも進展していくのは見事です。
ふとゼルダの伝説のムジュラの仮面を思い出しました。
記憶は曖昧ですがオリジナル版とかなり設定や展開は忠実だったと思います。

途中から彼女に病気であることをなるべく傷付けないように毎日教える手段に出ますが、
場内は予想外に涙涙でした。
自分は全く泣かないのですが、周りの女性の客がやたら泣くのに戸惑いました。
そう言えばオリジナル版を観た時も全く同じだったことを思い出しました。
何でしょう、これは女性だけが泣ける物語設定なのでしょうか。
いい話だなとは思いますが、泣くには到底及ばないのです。

でもクライマックスに行くに連れた展開やらテンポ感は見事で。
いつもはポイントポイントでダレるような場面があったり、急ハンドルみたいな強引な展開とかあったりしますが。
今作ではそれが無いです。
ひょっとしたら今までの福田雄一作品では最も完成度が高いかも知れません。

山田孝之は福田雄一作品へのマッチングは全く問題ないのは当然ですが、
この真面目な役は大丈夫なのかな?と不安もありましたが。
コメディする時はめちゃくちゃコメディでした。
笑って泣かせる素晴らしい主役っぷりでした。
遠からずヨシヒコではありました。

長澤まさみも同様に、この役が長澤まさみで良いのかな?という不安もありましたが。
全く問題なし、むしろ最適でした。
美人で可愛くてコミカルで、それでいてとても悲しくて。
改めて再評価されたり、新たに好きになったりする人もいそうなくらいのクオリティでした。

ムロツヨシ、佐藤二朗に関しては言うまでもなく。
優しく感動を作る役目はありつつもコメディは何時も通り。
とかく佐藤二朗のコメディシーンはいつもと違って真面目な役だけに相当笑えました。

佐藤二朗と見事な掛け合いをする大賀が良かったですね。
賀来賢人や中村倫也や吉沢亮などこの手のポジションをやる人は結構いますが、そこに全然入れます。

山崎紘菜が予想外に福田雄一作品にマッチしていて、なんか雰囲気が長澤まさみにとても似ていました。
声も似ていて、流石後輩って感じです。

勝矢は非常にあちこちで見かけますが、コメディが一番良いかもですね。
この作品にめちゃくちゃマッチしていたので今後も福田雄一作品でみたいですね。

漫画やらファンタジーやら何かのパロディでも無い珍しい福田雄一作品ですが、
かなり高品質でかなりオススメな、観ておいたほうが良いと言いたい映画です。


そんなわけで8点

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