メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

イエスタデイ

2019年10月11日 | 映画
イエスタデイ
を観ました。


売れないシンガーソングライターのジャックが音楽で有名になるという夢をあきらめた日、12秒間、世界規模で謎の大停電が発生─。
真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが、昏睡状態から目を覚ますと…
あのビートルズが世の中に存在していない!
世界中で彼らを知っているのはジャックひとりだけ!?
ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況、SNSで大反響、マスコミも大注目!
すると、その曲に魅了された超人気ミュージシャン、エド・シーランが突然やって来て、彼のツアーのオープニングアクトを任されることに。
エドも嫉妬するほどのパフォーマンスを披露すると、ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。
思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが─。


ダニー・ボイル監督です。
青春であり大ファンの監督です。

昔はなかなか尖った若者向けな作品が印象的でしたが。
近年は比較的大衆向けなテイストになってきた印象もあります。

今作はその典型な、演出的にもダニー・ボイル史上一番大衆向けだったかも知れません。

そしてビートルズの大ファンな自分としてはそれはかなり最高の仕上がりでした。
ビートルズの素晴らしさや曲の良さって未だに年々増している気がしているのですが。
それを言葉にしたりすると逆にチープになるのでこういう設定はかなり見事と思いました。
ビートルズの良さを伝える一つの最適な提案だと思います。
言わずもがなビートルズファンは必見の名画です。

ビートルズが消えた世界で唯一覚えている男がビートルズを歌ってビッグスターになるという。
誰が歌ってもビートルズの曲は天才作曲家と崇められるという。
そして変わった歌詞はめちゃくちゃいじられるコミカルさ。
歌詞が変だ、変えよう、みたいなやり取りがちょいちょいあって素晴らしかったです。

予告編にあるように序盤で主人公がせっかくの大舞台でも上手く行かず、音楽を諦めようとした夜のシーン。
世界中が何か一点に向かうような高揚感とスピード感で不思議な事が起きます。
世界中からビートルズを始めいくつかの要素が無くなってしまうのですが。
主人公がそれに気づくまでの予兆みたいのもなんかいい感じでした。
それは忍び寄るゾンビ化を描くゾンビ映画のように。
ちょっとしたビートルズ例えが複雑な関係のマネージャーに通じないとか。
ビートルズのフレーズで例えても通じないとか。
いよいよビートルズを弾き語ったら驚かれるけど、ビートルズを知らないって言われて。
みんなしてからかっていると思い込む展開も良い温度感でずっと夢中でした。

ストーリー展開はビートルズが消えてしまうというファンタジー以外はなかなか説得力ある展開でした。
どんどん成功していってしまい、そんな状況でも売れてない頃の自分の曲はやはり通じなかったり。
主人公の脳内にしかビートルズはいないので必死に色んな曲を思い出す作業とか。
音楽をやっている人間としては非常にわかる苦しい作業に共感しました。

ダニー・ボイルらしいちょいちょい差し込まれるコメディ描写も非常に効果的でした。

ここからはちょっとネタバレですが唯一覚えていると思っていた主人公以外にも居る気配があります。
どう考えても破滅的なストーリー展開ですが単純な破滅には向かわず更にびっくりさせてくれる展開でした。

自分の曲じゃないのに大スターになってしまった罪悪感、本来は心優しい主人公の素敵な選択に涙でした。
破滅していくと思い込んでいたストーリー展開ですがとても素敵で爽やかな着地で感動して涙でした。

ラストシーンの子どもたちと歌うオブラディ・オブラダのフルコーラスは号泣でした。
物心がつくかつかないかくらいの頃、恐らく僕が一番最初に心つかまれたきっかけがオブラディ・オブラダだったので。
ただの偶然ですがかなりグッと来ました。

主人公のシンガーソングライターをヒメーシュ・パテルが演じていました。
ここにネームバリューがある人がキャスティングされていないことは非常に評価ポイントだと思います。
歌や楽器演奏も出来て所謂ザ・ハリウッドセレブでは無いので売れてない素朴さみたいのが見て取れて、抵抗なくその純真さを見れました。

相手役はリリー・ジェームズでした。
シンデレラを筆頭にピュアな役が多い印象ですが。
この子はルックスの可愛さと見る人を共感させる不思議な魅力が素晴らしいです。
かなり好きなハリウッド女優ですね。

エド・シーランが本人役で出ていてこの物語に妙なリアリティを与えていました。
演技も全然ナチュラルで、ミュージシャン役として全然ありでした。
主人公のビートルズ曲にやられるようなシーンもありますが、よくこんな仕事を受けたと思います。
その時点で高感度高いです。

マネージャー役のケイト・マッキノンはルックスのインパクトあって結構良いです。
ゴーストバスターズの印象強いですが、逆にそんなキャラを貫いていていいです。

ビートルズの良さを再確認するための名画ですね。
もちろん帰り道はビートルズ聴きながら帰りました。


そんなわけで8点。

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