メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

二流小説家 シリアリスト

2013年06月25日 | 映画
二流小説家 シリアリスト を観た。


赤羽一兵(上川隆也)、45歳。職業は小説家。
とは言っても、彼自身の名前で書いた本は一冊もなく、唯一10年前に書いた若い女性向けのライトノベル「恋するヴァンパイア」でさえも、男の名前では売れないという理由で母の旧姓と写真を借りて出版している。
現在は、アメリカ出張中の兄の家を間借りしながらエロ小説を寄稿して生計を立てている。
そんな彼の元にある日、東京拘置所にいる死刑囚・呉井大悟(武田真治)から手紙が届く。
呉井は自称・写真家ではあるが、モデル募集と称して集めた4人の女性を殺害した罪で死刑判決が出ている男だ。
シリアル・フォト・キラーとして世間を賑わせた彼が、告白本を赤羽に執筆してほしいと言ってきた。
面会に行き彼に炊きつけられ彼の言うように行動する。
彼にはファンを越えて信者のような女達が沢山居た。
彼女たちに会いに行くとその先々でかつての呉井の事件を模倣した殺人事件が起き赤羽は毎度第一発見者にされてしまう。
そして謎の人間に命を狙われる。

って話。


結構興味をそそられる映画なので観てみました。
期待通りなかなか魅力的な展開でした。

しかし演出はさほど高品質ではありませんでした。
ちょっとした2時間ドラマくらいのレベルです。
猪崎監督をあまり知りませんがイマイチでした。
ハイセンスを感じれることはありませんでした。

全体的な展開は悪く無いですが、いくつか納得いかない展開も多かったです。

いくつかの謎要素がありましたが、結構どんでん返しは予想できてしまいます。
予想ができてしまうのはいいのですが、問から解までの時間が長く感じました。
「どうせ〇〇でしょ?」って思ってるのに意外に引っ張られた挙句、案の定そのまんまって感じで。

いつも言ってますが、僕の中では感情的なサイコキラーは全然納得いかないのです。
非常に冷酷に冷静に超猟奇的犯罪を犯した犯人が感情的で人間味に溢れているのはイマイチ納得行かないのです。
今作もそんなパターンです。

上川隆也はいわゆるぱっとしない男の役でしたが、なかなかはまり役でした。
違和感なく観れたと思います。
しかし終盤は舞台みたいな結構かったるい熱い語りを長々とやったりでそこはイマイチでした。
まあ、それは役者じゃなくて脚本や演出が悪いのですが。

武田真治は昔から非常に高評価な俳優ですが、サイコキラーの雰囲気がよく出ていました。
しかしながら、やはり舞台みたいなあり得ないほど不自然な感情的な語り。
異常な人間を描きたいのでしょうが、まあ普通に見れば異常な人間というよりオーバーな舞台俳優って感じでした。
感情的なのに結構聞き分けある感じで怖さはありません。
犯罪者はクールな方が怖いもんです。

小池里奈はなんかでちょいちょい観たことありますがまあまあでした。
可愛さは無いですがちょっと気になる感じです。

原作は読んでませんが、結構いい素材だったと思うので他のスタッフで観てみたかったですね。


そんなわけで4点です。


近年は観る側の目が肥えてしまったからか、
秀逸なサスペンスは生まれにくいですね。

設定はとても良かったと思うので残念です。
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