毎日かあさん

毎日かあさん　を観た。

元夫婦の小泉今日子と永瀬正敏共演で話題の映画です。
結構楽しみにしていたので初日に鑑賞です。

なかなか泣けました。


（お話）
漫画で一家を支えるサイバラリエコ（小泉今日子）。
長男6歳のブンジ（矢部光祐）、長女4歳のフミ（小西舞優）と母のトシエ（正司照枝）と暮らしている。
家事はトシエ任せ、自宅が仕事場なので仕事と子育てに追われる日々。

それと元戦場カメラマン、無職でアル中の夫カモシダユタカ（永瀬正敏）も居ます。

カモシダは優しくて子どもに好かれているが酒を飲むと荒れてしまう。
その度落ち込み禁酒宣言をする。

カモシダは戦場で見た悲惨な光景がトラウマでアル中になっている。

ある日戦場の幻想に怯え酔ってひどく暴れる、遂に子供に手を出しそうになるところをリエコが必死に守る。
そして血を吐いて倒れるカモシダ。
リエコは已むを得ずカモシダと離婚する。
離婚しても時々面倒を見たり、禁酒治療を助けてあげる。

そんな家族のお話。


（評価）
小泉今日子モノだけあってさすがに面白かったです。

原作は知りませんが漫画だけあって、大きなストーリーとは別に4コママンガのような小さなエピソードも沢山組み込まれてます。
それらが効果的に彼女たちの暮らしの空気感を分り易く伝えて居ました。

小泉今日子と永瀬正敏の共演が話題ですが、やっぱり元夫婦にしか出せない空気があったように思いました。
（僕の気のせいかもしれませんが）

アル中で暴れる夫を必死に抑えるリエコの表情、翌日後悔してるカモシダの表情、それを見つめるリエコのあきらめとも優しさとも取れるような表情。
これはなかなかその場で出せるものでは無いな、と思いました。

なんだか凄く良かったです。

小泉今日子の母親っぷりも最高に素晴らしくて、終盤には本当の親子にしか見えませんでした。
二人の子供と夫の面倒を見ている。
決して慌てたりパニックを起こしたりせずに堂々と何でもこなす姿がとてもハマっていました。

ブンジはやんちゃで鬱陶しいけどなんか男の子らしくて可愛いし、フミはとっても可愛かったです。
おっかしゃん、おっとしゃんの言い方が超可愛かったです。

永瀬正敏は劇中で病気のためにどんどん痩せていきますが、かなりの役者魂を感じさせてくれました。
破天荒で子供と仲良しなお父さん、あんなお父さんになりたいと思う僕でした。
僕はアル中じゃないですけどお酒大好きですし。
最後一人で静かに写真を取り続けるシーンが素敵でした。
死を悟ってリエコに「君のおかげて子供を傷つけずに済んだ、人として死ねる、ありがとう」とお礼を言うシーンは泣けました。

アシスタント役の田畑智子さんは最近結構いい役者さんと思っています。
結構よく見かけますね。

古田新太さんは渋い役で良かったです。
キワモノ的なコミカルな役からシリアスな役までこなせる素晴らしい役者さんです。

要所要所に家族の暖かさが上手く表現されていて最近涙腺ヨワヨワな僕はホロッとしてしまいました。
カモシダの死に深く悲しむリエコを笑わせようと子供たちがおちゃらけるシーンには完全に泣いてしまいました。


そんなわけで８点です。


コメディ要素は基本的に滑り気味だったのでちょっとマイナスでしょうか。
それでもなかなか名作だったと思います。

こんな奥さんが欲しいです。
欲しくて欲しくてたまんないっす。


（ネタバレ）
一人になり真剣に禁酒治療を始めるカモシダ、二人の共通の友人であるゴンゾ（古田新太）のアドバイスでお酒を止められたらまた一緒に暮らそうと言うリエコ。

色々困難がありなかなか酒をやめられないカモシダ。
親子３人の暮らしが続くがカモシダの事が気になるリエコ。

徐々に良くなったカモシダとまた一緒に生活するようになるが、カモシダは末期癌と診断される。

治療をしながら残された時間を穏やかに過ごす４人。

病院で寝たきりになったカモシダはリエコに感謝の言葉を告げる。

そしてカモシダは死に、リエコは悲しむ。
そんなリエコを励ます子供たち。

リエコと子供たちの暮らしは変わらず続く。

フミはカモシダの写真にひとつだけチョコを置く。