カンパイ! 世界が恋する日本酒

カンパイ! 世界が恋する日本酒
を観ました。


日本だけでなく、ここ数年世界中で寿司と共に人気を博している日本酒。そのミニマムでシンプルな外観の美しさの奥には、多様さ、複雑さ、そして芳醇な文化的背景が隠されている。そこには大いなる魅力と曖昧さに溢れた深淵な世界が広がっている。本作では、外国人として史上初めて杜氏（とうじ）となり、新商品を次々を世に送り出しているイギリス人のフィリップ・ハーパー、日本酒伝道師として、日本酒ワークショップや本の執筆などをとおして奥深い日本酒の魅力を世界へと発信を続けるアメリカ人ジャーナリストのジョン・ゴントナー、そして、自ら世界中を飛び回り日本酒の魅力を伝えている、震災に揺れる岩手の老舗酒蔵を継ぐ南部美人・五代目蔵元の久慈浩介。まったく異なる背景を持つ３人のアウトサイダーたちの挑戦と葛藤を通し、日本だけにとどまらず、世界で多くの人々を魅了する日本酒の魅力的な世界を紐解いてゆくー。寿司の魅惑的な世界をファンタジックに描き世界的な大ヒットとなった映画『二郎は鮨の夢を見る』から４年、日本酒が3人の男たちと共に国境を越える。


小西未来監督によるドキュメンタリー映画です。

日本酒の発展に携わる3人の男たちを追ったドキュメンタリーです。

イギリスのコーンウォール生まれながら日本で偶然出会った日本酒の魅力に惹かれ日本に残り杜氏となったフィリップ・ハーパーさん。
外人が日本の文化に深く関わって、逆に日本人以上に日本の文化に詳しくなり日本人にそれを教えてくれるのは本当にありがたいですね。
まさに逆輸入という感じです。
風情あふれる酒蔵に馴染んで作業する外人さんの姿は実にいいものだと思いました。

アメリカのオハイオ出身でフィリップ・ハーパー同様偶然に日本酒と出会い日本酒ジャーナリストになったジョン・ゴントナーさん。
奇遇にも二人は同じ英語教師募集プロジェクトに参加して同じ日に来日したそうです。
日本人でもわからない日本酒の深みを良く理解して教えてくれます。

二人共外国人ながら見事な日本酒のプロフェッショナルでした。

3人目は南部美人五代目の久慈浩介さん。
幼い頃から南部美人の息子として育ちながらも人生に迷いを感じ世界に出るが結局日本に戻り南部美人を継いだ方です。
かなり喋りが達者な方でまるで落語家の様に流暢に語ります。

彼らを通じて、また他にも何人かの登場人物を通して日本の良き酒蔵の風景を描いています。
それはなかなか美しくいい感じに描くので序盤から早速日本酒を欲しました。

終盤、突然東日本大震災のドキュメンタリーになっていき急に凹みました。
津波に流された酒蔵、亡くなった方の話、かなり重たい内容になりました。
そして久慈さんは震災復興の活動としてかなり活躍した方なんですね。
自粛という二次被害が拡大しつつある中、
「被災地のモノを買ったり食べたりすることが復興になる」
と訴え広めた人だそうです。

被災地の為に何かしたいけど何も出来ないという人々の救いにもなったそうです。
現に自分もそうだったと思います。

日本酒の勉強にもなりましたし、日本酒の文化も良く知れました。
そして間違いなく日本酒が飲みたくなる映画です。


そんなわけで5点です。