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ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018年04月04日 | 映画
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
を観ました。


1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。
内閣不信任決議が出されたチェンバレン首相の後任として、外相のハリファックスが最適任者だという声があがるが、本人はこれを固辞。
そこで、国民からの人気は高いが、たび重なる失策から政党内の “嫌われ者”であったウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つ。
朝から酒をたしなむ変わり者の夫を叱咤激励する妻クレメンティーンや、気難しくもウィットとユーモアに富んだチャーチルの言葉をタイピングする秘書エリザベスのサポートを受けながら、国難に陥ったイギリスの新首相に就任したチャーチルは、ドイツとの和平交渉をすすめるチェンバレンとハリファックスらに陰口を叩かれながらも、「決して屈しない」と徹底抗戦を誓う。
そんななか、ドイツ軍に追い込まれた英国軍は、フランス・ダンケルクの海岸まで撤退し孤立状態となっていた。
30万人もの兵士が包囲され、救出するすべがない。ならば彼ら兵士を救うべく船をダンケルクへ向かわせるのだ、大型船はもちろん、ボートや小型船など民間の船もすべて召集して。こうしてダイナモ作戦が実行された。
日に日にナチス・ドイツの勢いは増す一方で、英国にも上陸の危機が迫る。ヒトラーに屈するのか、それとも戦うのか。ヨーロッパのみならず世界の運命がチャーチルの手に委ねられた。
日々悩み、葛藤するチャーチル。そんな彼の姿に、就任当初はチャーチルに対して懐疑的だった英国王ジョージ6世も心を開き、二人は絆を育む。
そしてついに、チャーチルは歴史的決断を下す。


ジョー・ライト監督作品です。

特殊メイクの辻一弘さんがアカデミー賞を取ったことで日本でも非常に大きな話題となった作品ですね。

いやはや、噂通りにめちゃくちゃ凄い特殊メイクです!
やりすぎなほどのなりきりです。
もう特殊メイクとゲイリー・オールドマンのなりきり演技が凄すぎる映画です。
目玉以外は全部チャーチルでした。
所作も喋りも凄いなりきりでした。

ウィンストン・チャーチルのことはそこまで詳しく知りませんが、多分こういう人なんだろうって納得できるほどのなりきりっぷりです。

話はまさに自分が大好きな第二次大戦のものなので非常に食いつきました。
そして昨年非常に高評価したクリストファー・ノーラン監督作品のダンケルク、それの別視点的な作品でもありました。
ここに来て今まで全然知らなかったダンケルク、ダイナモ作戦について急に詳しくなれました。
こういう勉強になる作品は良し悪し抜きにして非常に好きです。

そしてウィンストン・チャーチルという人物についてあまり知らなかったのですが、今作で大分知ることが出来ました。
ヒトラーと互角に渡り合ったって感じの人物なのですね、ヒトラーが恐れたのがなんとなく納得行く人物でした。
わがままでガサツでちょっと嘘つきに近いギリギリの発言をする人物ですが、人を煽って勇気を奮い立たせる能力も持っていて。
それでいて根はちゃんと一人の人間で非常に苦悩していました。

映画は大きく日付が表示されて描かれるタイプのものだったので、凄い短期間に激動の仕事をしたことが伝わります。
この映像を一言で表現するならば、あまりに究極の選択、って感じですね。
降伏するか?抗戦するか?イギリス一国では決めきれない要素もあり本当に難しい状況だったのが伝わりました。
本当に緊迫の時代だったのですね。
いつも思いますが、この時代に生まれなくて良かったと思います。
チャーチルがこの時ナチスに降伏する選択をしていたら今の世界はどうなっていたのか?ゾッとする気持ちも芽生えます。
今日日の世界を作るのに大きく貢献した人物であることは間違いないでしょう。
そんな事を深く感じさせるくらい作品に力がありました。

ゲイリー・オールドマンのチャーチルですが、コレはちょっと凄すぎますね。
余裕でアカデミー賞ですねってくらいの演技でした。
元々演技派の俳優が本気でなりきってみましたって感じの演技です。
特殊メイクと合わせて最高峰のなりきりだったと思います。
もうほぼ実物です、感動します。

クリスティン・スコット・トーマスが妻役でした。
変わり者の夫を献身的に支える政治家の妻の鏡の様な人物でした。
ちょいちょい喧嘩しそうになりますが、深く愛し合ってる感じでちゃんと夫をサポートしていました。
どこまで事実かはわからないですが、この人がいなければやはり歴史が変わっていたかもですね。

チャーチルの話すことを記録するタイピストの役をリリー・ジェームズがやっていました。
この子は非常に可愛くてかなり好きな方の女優さんですが、今作も実にいい塩梅でした。
結構このタイピストを通した目線で描かれている要素も強いので、この子の目線で描くことでチャーチルの客観性が表現されるので、非常に大事なポジションの役でした。
当時の若者って感じも出ていて素晴らしかったです。

国王役はベン・メンデルソーンでした。
バイプレーヤー的にあちこちで見かけますがインパクトあっていい役者ですね。
あちこちで重宝されるのも納得です。
最初は反チャーチルな国王も結局はいい人で、チャーチルにとっても大事な人物でした。

とにかくこの時イギリスがナチスに降伏しなくて良かったと思います。
当時のイギリスがアメリカとともに強烈なリーダーになったのがよく理解できました。
その後の地球を引っ張っていく国家になっていくのも納得です。
そんなイギリスとアメリカが現在、保護主義国家になってしまったのも改めて残念ですね。

とにかく観ておいたほうが良い名画でした。


そんなわけで8点。

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