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AI崩壊

2020年02月02日 | 映画
AI崩壊
を観ました。


2030年。人々の生活を支える医療AI「のぞみ」の開発者である桐生浩介(大沢たかお)は、その功績が認められ娘と共に久々に日本に帰国する。
英雄のような扱いを受ける桐生だったが、突如のぞみが暴走を開始ーー人間の生きる価値を合理的に選別し、殺戮を始める。
警視庁の天才捜査官・桜庭(岩田剛典)は、AIを暴走させたテロリストを桐生と断定。
日本中に張り巡らされたAI監視網で、逃亡者・桐生を追い詰める。
桐生が開発したAIを管理していたのは、桐生の亡き妻でありAI共同開発者の望(松嶋菜々子)の弟、西村(賀来賢人)。
事件の鍵を握る西村も奔走する一方で、所轄のベテラン刑事・合田(三浦友和)と捜査一課の新米刑事・奥瀬(広瀬アリス)は足を使った捜査で桐生に迫る。
日本中がパニックに陥る中、桐生の決死の逃亡の果てに待っているものとは?
一体、なぜAIは暴走したのか?止まらないAI社会の崩壊は、衝撃の結末へーー。


入江悠監督です。
近年、企画者によく起用されていますね。
たまに高評価もありますがハズレのほうが多い印象です。

AIの研究やら開発も多少なりとも関わっているエンジニアなのでかなり関心がありました。
予告を見る限り医療系の、少なくとも健康維持のAIは結構リアリティあると思っていました。

しかし、、、結構しんどい映画でしたね。
ちょっとポジティブ要素を見つけられなかったのでネガティブな感想しか出ないですね。

まずこんなに感情的で論理性の無い天才プログラマーはいないでしょう。
あまりにおバカな逃亡者とあまりにおバカな追跡者を作品上では天才として扱っているしんどさでした。
事件が起きていないのに既に犯人がわかるような雰囲気もびっくりでした。
一応予告編は見ていたので何かしら大変なことが起こるのはわかっていましたが。
フリがあまりに稚拙で、普通ならばそれをおとりにどうどんでん返しするか?だと思うのですが。
怪しげに登場して事件前から怪しかった人物がそのまま黒幕でした。
過去最高レベルの「そのまんまかい!」でした。

そもそもこのレベルの大パニックが起きているのに何の疑いもなく開発者をテロリストと断定するフローに誰も納得出来ないと思います。
見ている人間が誰一人納得しない展開を映画内の人間たち、特に警察側の人間が全然疑わない違和感はすごいです。
僕が嫌うバカしか出てこないタイプの映画ですね。

かろうじて三浦友和と広瀬アリスのAI社会否定派なアナログのコンビだけが観客に近い感情を持ってくれていますが。
この手の映画で科学技術の進歩は危険、アナログは正義という安直な構図にするには説得力はほぼなかったです。

一応映画の中で片田舎のおじさんがAIに助けられてきたという描写があったのが個人的には救いでしたが。

作り手としてはどんでん返し的な、実は出し抜いていた、みたいな感じを出そうとしているのは伝わりましたが。
実際はごくごく普通の一番王道的な行為をしてるのを編集で後出ししているだけで巧妙さは無かったです。
銃を結構使いますが、すぐ撃つシーンと構えたまま話し始めて全然撃たないシーンがある映画は基本的にはNGです。

描写の冗長性やら場面場面の稚拙さはかなり残念でした。
ずっと残念な気持ちで見てましたがオチも残念でした。

早くも今年の俺ラジー賞最有力候補ですね。

主演の大沢たかおはこういう大作の主人公として流石の存在感です。
熱血でギャーギャー騒ぐ感じの演技が多くてちょっとストレスでした。
一応長年プロのプログラマーしてる自分としてはAIエンジニアとしての説得力は皆無でした。

賀来賢人が久々にいい人の役でしたがやはり大クセのイケメンが合いますね。
ちょっと彼の使い方としてはもったいない気がします。

岩田剛典が強面刑事役ですが彼の演技力やルックスの良さは活かせてなかった気がします。
ちょっと仕事歴から消した方が良さそうです。

三浦友和は流石の存在感と演技力で今作の救いだった気がします。
三浦友和のシーンだけ別作品みたいに引き締まっていました。

広瀬アリスは三浦友和のバディだったのでやっぱりいい感じの役でした。
演技も良くてルックスも良くて妥当でした。
そもそも広瀬アリスの番宣活動を見て劇場に行きました。

高嶋政宏、玉城ティナ、芦名星、余貴美子などもほぼ無駄遣いでした。

お金はかかってる感じでしたがかなり厳しい映画でした。


そんなわけで2点。

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