愚行録
を観ました。
エリートサラリーマンの夫、美人で完璧な妻、そして可愛い一人娘の田向たこう一家。絵に描いたように幸せな家族を襲った一家惨殺事件は迷宮入りしたまま一年が過ぎた。
週刊誌の記者である田中(妻夫木 聡)は、改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始する。
殺害された夫・田向たこう浩樹 (小出恵介) の会社同僚の渡辺正人(眞島秀和) 。 妻・友希恵 (松本若菜) の大学同期であった宮村淳子 (臼田あさ美) 。 その淳子の恋人であった尾形孝之 (中村倫也) 。
そして、大学時代の浩樹と付き合っていた稲村恵美 (市川由衣) 。
ところが、関係者たちの証言から浮かび上がってきたのは、理想的と思われた夫婦の見た目からはかけ離れた実像、そして、証言者たち自らの思いもよらない姿であった。
その一方で、田中も問題を抱えている。妹の光子 (満島ひかり) が育児放棄の疑いで逮捕されていたのだ――。
石川慶監督の長編デビュー作だそうです。
相変わらず前情報無しで観に行ったので始まるまでどんな映画かさっぱりでした。
オフィス北野作品のロゴと始まってすぐの重々しい空気感でどんなテイストの作品かはすぐに掴めました。
冒頭から繊細で暗いテイストの雰囲気で好みの感じでした。
ヴェネツィア国際映画祭に出品してるらしいですが、いかにもその辺に好かれそうなテイストです。
意味深で説明不足で観てる人を引きつけるけど真相は言わない、の連続です。
予備知識無しで観に行ったので、相関図もさっぱりです。
みんな深い要素を持っていて、主人公に沢山語るのにそもそも何者かがイマイチわからないです。
学生時代こうだった人が社会人になって何故こうなってるのか?などもさっぱりです。
誰が殺されて事件がどうなってるのか?もさっぱりです。
え?どういうこと?まさか?と食いつかせてからのー、言わずに場面変わるです。
極度の焦らし映画でしょう。
ただ場面場面の繊細な描写や緊張感、静ながらも犯人は誰だ?的な好奇心の煽りによってかなり食いついてしまいます。
もちろん焦らしの効果も大きいです。
そんなわけでパズル式のストーリーになています。
それをかなり見事な塩梅、テンポで物語の輪郭を提示してきます。
それは絶妙だった気がします。
主に会話劇ではありますが、よくぞこのテンポ感や静かさでこのボリューム感を出したなと感心しました。
不思議に思うくらいに見事にミステリーを堪能していました。
この作品の一つの大きな功績といいますか、感心したポイントに、
日本の大学における、そこに確かに潜むヒエラルキーみたいなものを実に生々しく描いていたことです。
大学って明確なクラスとかで行動するわけではないので、確かに社会性は必要ですからね。
中高とは違うもう少し複雑な、いじめとかでは無いのに居場所がなくなっていく感じはあります。
この手のモノを観ているとやはり
「真相は◯◯なのでは?犯人はコイツなのでは?」
という予想をしてしまうものですが。
非常に惜しかったですが、外しました。
あまり有名じゃない映画なのですが、ネタバレかもしれませんが、
観ながらふと思い出したのはパーフェクト・ストレンジャーと言う映画ですね。
テイストは違いますが主人公の職業と探る感じがそれを思い出させたせいで、
クライマックスの予想をしてしまいました。
それがちょっと近かったです。
まあ、テイストが全然違いますしクオリティはこちらの方が高いです。
幾つか衝撃の事実がクライマックスにくるので結構精神的にやられます。
ただ全て断言はしていない・・・的な。
まあ、見る人の想像で全て補完しなければいけないので、
作り手がもし「そうじゃない」と言ったらまるで違うものになることだってあるでしょう。
ただ非常に屈折した幼少期を送った主人公兄妹。
その二人の悲しみや絆は結構ぐっと来てしまいました。
主人公の妻夫木聡は暗くて無口で殆ど笑わない様な記者でした。
悪人やら怒りに通ずる様な作品ですが、それを思い出させる感じの役な気がしました。
ただとにかく静で暗くて、でいて正義なのか悪なのかもわからないです。
ただ非常に屈折した人物像でした。
その妹を満島ひかりが演じていました。
彼女の演技力を最大限活かすようなかなり精神を病んだ女性でした。
静かにプッツンしている非常に危ない雰囲気をプンプンに出していました。
相変わらず凄い雰囲気出しますね。
ただ更に非常に屈折した人物でした。
臼田あさ美がなかなかいい演技をしていました。
最近コントのイメージが強いですが、元々かなり演技力ありますからね。
自分の好きな中村倫也が出ていましたが、相変わらずいい感じです。
大学生から社会人への姿の変え方もリアルで良かったです。
本当に歳をとっているように見えました。
好みの小出恵介が珍しくちょっと嫌なやつの役でした。
他の大学の人々のキャスティングがなんかリアルで良かったです。
美男美女だけの学園モノって基本的には感情移入出来ませんからね。
ちょっと期待させるテイストでしたが、期待通りにいい映画でした。
そんなわけで7点。
を観ました。
エリートサラリーマンの夫、美人で完璧な妻、そして可愛い一人娘の田向たこう一家。絵に描いたように幸せな家族を襲った一家惨殺事件は迷宮入りしたまま一年が過ぎた。
週刊誌の記者である田中(妻夫木 聡)は、改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始する。
殺害された夫・田向たこう浩樹 (小出恵介) の会社同僚の渡辺正人(眞島秀和) 。 妻・友希恵 (松本若菜) の大学同期であった宮村淳子 (臼田あさ美) 。 その淳子の恋人であった尾形孝之 (中村倫也) 。
そして、大学時代の浩樹と付き合っていた稲村恵美 (市川由衣) 。
ところが、関係者たちの証言から浮かび上がってきたのは、理想的と思われた夫婦の見た目からはかけ離れた実像、そして、証言者たち自らの思いもよらない姿であった。
その一方で、田中も問題を抱えている。妹の光子 (満島ひかり) が育児放棄の疑いで逮捕されていたのだ――。
石川慶監督の長編デビュー作だそうです。
相変わらず前情報無しで観に行ったので始まるまでどんな映画かさっぱりでした。
オフィス北野作品のロゴと始まってすぐの重々しい空気感でどんなテイストの作品かはすぐに掴めました。
冒頭から繊細で暗いテイストの雰囲気で好みの感じでした。
ヴェネツィア国際映画祭に出品してるらしいですが、いかにもその辺に好かれそうなテイストです。
意味深で説明不足で観てる人を引きつけるけど真相は言わない、の連続です。
予備知識無しで観に行ったので、相関図もさっぱりです。
みんな深い要素を持っていて、主人公に沢山語るのにそもそも何者かがイマイチわからないです。
学生時代こうだった人が社会人になって何故こうなってるのか?などもさっぱりです。
誰が殺されて事件がどうなってるのか?もさっぱりです。
え?どういうこと?まさか?と食いつかせてからのー、言わずに場面変わるです。
極度の焦らし映画でしょう。
ただ場面場面の繊細な描写や緊張感、静ながらも犯人は誰だ?的な好奇心の煽りによってかなり食いついてしまいます。
もちろん焦らしの効果も大きいです。
そんなわけでパズル式のストーリーになています。
それをかなり見事な塩梅、テンポで物語の輪郭を提示してきます。
それは絶妙だった気がします。
主に会話劇ではありますが、よくぞこのテンポ感や静かさでこのボリューム感を出したなと感心しました。
不思議に思うくらいに見事にミステリーを堪能していました。
この作品の一つの大きな功績といいますか、感心したポイントに、
日本の大学における、そこに確かに潜むヒエラルキーみたいなものを実に生々しく描いていたことです。
大学って明確なクラスとかで行動するわけではないので、確かに社会性は必要ですからね。
中高とは違うもう少し複雑な、いじめとかでは無いのに居場所がなくなっていく感じはあります。
この手のモノを観ているとやはり
「真相は◯◯なのでは?犯人はコイツなのでは?」
という予想をしてしまうものですが。
非常に惜しかったですが、外しました。
あまり有名じゃない映画なのですが、ネタバレかもしれませんが、
観ながらふと思い出したのはパーフェクト・ストレンジャーと言う映画ですね。
テイストは違いますが主人公の職業と探る感じがそれを思い出させたせいで、
クライマックスの予想をしてしまいました。
それがちょっと近かったです。
まあ、テイストが全然違いますしクオリティはこちらの方が高いです。
幾つか衝撃の事実がクライマックスにくるので結構精神的にやられます。
ただ全て断言はしていない・・・的な。
まあ、見る人の想像で全て補完しなければいけないので、
作り手がもし「そうじゃない」と言ったらまるで違うものになることだってあるでしょう。
ただ非常に屈折した幼少期を送った主人公兄妹。
その二人の悲しみや絆は結構ぐっと来てしまいました。
主人公の妻夫木聡は暗くて無口で殆ど笑わない様な記者でした。
悪人やら怒りに通ずる様な作品ですが、それを思い出させる感じの役な気がしました。
ただとにかく静で暗くて、でいて正義なのか悪なのかもわからないです。
ただ非常に屈折した人物像でした。
その妹を満島ひかりが演じていました。
彼女の演技力を最大限活かすようなかなり精神を病んだ女性でした。
静かにプッツンしている非常に危ない雰囲気をプンプンに出していました。
相変わらず凄い雰囲気出しますね。
ただ更に非常に屈折した人物でした。
臼田あさ美がなかなかいい演技をしていました。
最近コントのイメージが強いですが、元々かなり演技力ありますからね。
自分の好きな中村倫也が出ていましたが、相変わらずいい感じです。
大学生から社会人への姿の変え方もリアルで良かったです。
本当に歳をとっているように見えました。
好みの小出恵介が珍しくちょっと嫌なやつの役でした。
他の大学の人々のキャスティングがなんかリアルで良かったです。
美男美女だけの学園モノって基本的には感情移入出来ませんからね。
ちょっと期待させるテイストでしたが、期待通りにいい映画でした。
そんなわけで7点。