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五日物語—3つの王国と3人の女—

2016年12月01日 | 映画
五日物語—3つの王国と3人の女—
を観ました。


3つの王国が君臨する世界。
ある王国では、不妊に悩む女王が”母となること”を追い求め、国王の命と引き換えに美しい男の子を出産した。
また、ある王国では、老婆が熱望する”若さと美貌”を不思議な力で取り戻し、妃の座に収まった。
そして、もう一つの王国では、まだ見ぬ”大人の世界への憧れ”を抱く王女の結婚相手が決められようとしていた・・・。
しかし、3人の女たちの欲望の果てには、皮肉な運命の裏切りが待っていた・・・。


イタリアのマッテオ・ガローネ監督作品です。
良く賞を取るハイセンス監督さんですね。

映画は英語劇ですが、スタッフは殆どイタリア人なのでイタリア映画と言っても良いのでしょう。

かなりノーマークで、前情報ゼロだったのでどんな映画か想像もできていませんでしたが、
かなりのスケール感と映像美の映画で面白かったです。

架空の中世のヨーロッパ的な世界観のクオリティもかなりのものでした。

序盤は関連性がわからない3つの物語が不規則に順番に描かれるような作りです。
その匙加減はかなりいい塩梅でした。

ちょっとネタバレですが、最後までそれぞれの物語がさほど絡み合うわけではありませんが。

一つ目の物語はでっかい魔法使いみたいな謎の男が出てくるし、巨大な弱いモンスターが出てきます。

二つ目の物語はかなりアホな婆さん姉妹が声だけで王様に好かれてしまいかなり無茶な作戦で大失敗します。
しかし謎の魔法的な力で一人だけ若返ってしまいます。

三つ目の物語は謎すぎる不思議な虫を王様が内緒で育てていて謎です。
結局最後までそれの重要性はわかりませんでしたが。
王女が父親の王の決めたオーガ(鬼)と結婚させられるという理不尽な展開です。

全体的に物語は暗くて不気味です。
どの物語も暗くて不気味です。

そして幾つもの理不尽があります。
世界最初のおとぎ話という触れ込みでしたが、おとぎ話ってこういう理不尽さが重要な気がします。
全然悪いことしていないのに不幸になってしまう人とか居ます。
命がけでオーガから王女を救った人々とか。

老婆の姉妹が不気味で気持ち悪かったです。
もうボケているのか?頭が弱いのもイライラしましたし、なんか怖かったです。

サルマ・ハエックが不思議な儀式でありえない妊娠をしてちょっと狂気な母親になっていく役でしたが、
なかなかいい存在感でした。
デスペラードの印象が強いですが、全く違う役でも素晴らしかったです。

ヴァンサン・カッセルがピュアで女好きな王様でしたが、どんな役をやってもインパクト残しますね。
非常にヨーロッパらしいルックスでこういう中世のヨーロッパ的な世界観にピッタリですね。

密かに名脇役として売れっ子なトビー・ジョーンズは相変わらずインパクトあります。
先日見た奇蹟がくれた数式ではクレバーな数学者が見事にハマっていましたが、
今作のクセが強い王様役もピッタリでした。
代わりが居ない役者ですね。

ノーマークの映画でしたがヨーロッパ映画らしい名画でした。

こういうヨーロッパの昔話は好みですね。


そんなわけで8点。

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