天使のざわめき 悪魔のささやき 月夜に甘いくちづけ

ちょっと思うところがあって近頃は殆どタバコを吸っていない。

飲み会の席等で人に頂いて吸うことはあるが、
私生活では吸わない。

所謂ソーシャルスモーカーである。

ヘビースモーカーでは無いのだが、
長いことタバコを吸っていたので、
私生活の中ではやはり無性に吸いたくなることがある。

こってりした食事の後、
走った後、
トイレの中、
眠れない夜。

先日フットサルをした帰り道。
深夜、最寄り駅から人気のない住宅街をテクテクと歩いていた。
今日は月が綺麗だな・・・なんて、
愛しのあの子はどうしてるかな？なんて
そんな事を思いながらテクテクと。

そして、
今日は運動したからタバコを吸いたいぜ・・・とふと思っていた。

すると道端に箱ごとタバコが落ちていた。
ちらりと見ると、中身が沢山入っている。
驚くことに僕が愛用していたマルボロメンソールである。

そう、僕は迷っていた！

夜の住宅街、僕の足音以外には何も聞こえない！

千載一遇の好機！

こんな事が、漫画の外の世界であるのだろうか？

誰かが落としたものだ、もう誰のものでもない・・・
ゴミになるし・・・
タバコを作った人たちにも申し訳ないし・・・

などと都合のいい理論が次々と。

いかんいかん！と頭をふり、
こんなモノはそもそも俺と何の因果関係も無いのだ。
毒入りかもしれん。
そもそも拾い吸いなんて鬼畜の所業！

どっきりカメラかもしれないし・・・
拾ってくわえた途端、ライトで照らされて大勢の人々にゲラゲラと笑われるかもしれない。

そんな葛藤をしながら遂にはそのエリアを通過することが出来た。

なんとか落ちぶれること無く過ごせました。


ふぅ、かなり神様に試された気分だった。