真夏の方程式

真夏の方程式　を観た。


両親の都合で一人、親戚が経営する旅館で過ごすことになった小学5年生の少年恭平（山崎光）は、玻璃ヶ浦へ向かう電車の中で湯川（福山雅治）に出会う。
湯川は海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして出席するために玻璃ヶ浦へ来ており、恭平の親戚の旅館に宿泊する。
そんな中、同じ旅館に泊まっていた客の塚原正次（塩見三省）がその夜中に姿を消し、翌朝海辺で変死体となって発見される。
県警は現場検証を行い、堤防から誤って転落した事故死の線が濃厚であるとしていた。
警視庁は塚原が元刑事だったことから事故死を疑い岸谷（吉高由里子）に捜査させる。
そして塚原と同じ旅館に湯川が泊まっていることを知り、いつも通り湯川に助けを求めるがいつも通り拒まれる。
捜査を進めるうち、塚原は殺害された後に、海に遺棄された可能性が高くなっていった。
湯川は恭平に物理の素晴らしさを教えるためにとある実験を企画する。
はたして塚原は、何のために玻璃ヶ浦に来たのか。
事件に遭遇した湯川は「ある人物の人生が捻じ曲げられる」ことを防ぐために、真相に挑んでいく。
鍵を握るのは、16年前に塚原が担当した元ホステス殺人事件。
そして、その裏には旅館の家族が隠さなければならなかったある重大な秘密があった。


って話。


僕の好む東野圭吾原作、言わずと知れた人気シリーズ、ガリレオシリーズの映画第二作目ですね。
いつものスタッフ、キャストです。

今作は・・・名画です。
前作同様・・・名画です。

前作が名画だったのでガリレオシリーズでは流石にあれ以上は無いでしょう、というちょっと冷めたスタイルで観に行きましたが。
いや、かなり泣きそうでしたね。

大衆映画の方式でありながら深くて高品質で感動します。
前作同様ストーリーの複雑さを見事にわかり易く見せています。
多くの登場人物達のそれぞれの思惑、事情、悲しみ、切なさが見事に描かれています。
容疑者Xの献身では湯川教授は脇役的でしたが、今作はバリバリ前面で活躍してました。

まずきれいな日本の田舎の海辺の街が舞台ってのがいいです、その良さを遺憾なく発揮してましたね。
最近もちょいと沖縄舞台のダイビングに絡む映画を見ましたが次元が違いますね。

そして夏感。
僕が好む夏感。
少年と教授の交流、少年の成長、海の情景、少年の一夏のあまりに悲しみと感動に満ちた体験。
夏～！！！って言いたくなるほどの夏感に溢れた作品です。
改めてタイトルのセンスを感じずには居られないです。

物語は家族が皆、それぞれに過去の事件の秘密を命がけともいうべき悲壮感で守っている。
それぞれの悲壮感、健気さ、やっぱり献身さが泣けるのです。

クールな湯川教授も人間味を見せてしまうほど。
子供嫌いを乗り越えて人間味を見せてしまうほどのストーリー展開。
福山雅治、改めてハマり役ですね。

吉高由里子はあまり活躍してません。

キャスティングは決して豪華とは言えませんがとても芯を食ったキャスティングだと思いました。
演出ももう慣れたものですが程よくいつものテンポで。

ドラマの映画化は力みに溢れてしまうパターンをよく見かけます。
必死にグレードアップをさせようとして無駄なシーンや無駄なコストをかけてるのを見かけます。
しかしこのシリーズはホント余裕を感じるほどいつも通りのテイストのままのグレードアップです。

総括ですが、西谷弘監督はなかなかやるな！力持ってるな！
と脱帽させられた作品でした。
西谷弘監督の中では一番良かった気がします。


そんなわけで８点です。


このシリーズは定期的に続けた方がいいですね。

何より原作を読んでないので読まなければ・・・。