死んだ気になって

来年の今頃はもうこの世に居ない。

という前提で生きる。

何もかも捨てて海外に行った時、
もう元に戻るなんてほぼ無いだろうと真剣に思っていた。
心底思っていた。

何もかも捨て去って構わないと思っていた。

長々海外を放浪している間、
日本に戻った時の事は考えないようにしていた。

まさに現実逃避。
かなりのグレートエスケープである。

漠然と思っていたのは、
漠然と想像できたのは、
コンビニで深夜バイトとかしている姿。

しかし自分の冒険は
思ったより自分を成長させ
仕事的には以前よりも良くなっている。

たかが一年で何かを判断出来るわけではないけれど。

自分はもう死んだ気になって
最大限の勇気と絶望と恐怖を抱いて
旅をした。

どうせ死ぬくらいなら
死んだ気になってやってみろ！
などとよく聞いてきたが
そんなこと出来たらこんなに苦しまないよ
と、自分も何度も死のうとしていた。

しかし極限でその選択をした。

やってみるものである。
やった方がいい。

世の中の物差しのあり方がガラッと変わった。