メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

透明人間

2020年07月22日 | 映画
透明人間
を観ました。


富豪で天才科学者エイドリアンの束縛された関係から逃げることの出来ないセシリアは、ある真夜中、計画的に彼の豪邸から脱出を図る。
失意のエイドリアンは手首を切って自殺をし、莫大な財産の一部を彼女に残した。
セシリアは彼の死を疑っていた。
偶然とは思えない不可解な出来事が重なり、それはやがて、彼女の命の危険を伴う脅威となって迫る。
セシリアは「見えない何か」に襲われていること証明しようとするが、徐々に正気を失っていく。


リー・ワネル監督・脚本・製作総指揮です。

今更透明人間映画?インビジブルからの違いはあるのかしら?
なんて懸念で見に行きましたがなかなか上々の典型的なジャンル映画でした。

ガッツリホラーでシンプルな構成のなかに適度なミステリーがあり。
かなり見心地が良かったです。

ほぼセリフ無しのかなりミステリアスでいきなり緊張感マックスな冒頭。
全くわからないのにいきなり怖いです。
こんなにいきなり怖い映画はあまり思い浮かばないですね、つかみは最高クラスだったと思います。
そこからもテンポよく食いつかせる展開がうまく続いて。
予兆無く前フリも無くいきなり透明人間モードになっていくのは逆に自然な気がして高評価でした。

適度な馬鹿と適度なストレスで没入出来ます。
信じてもらえない人と信じない人とのやり取りはなかなかストレスですが、
これ以上バカバカな映画だと萎えますが、ちゃんとクレバーなところも見せてスマートなやり取りがあって。
大好きなジョジョの奇妙な冒険的な戦いって感じで。

しかも透明人間の謎はかつて無いくらい現実的なものでした。
昔から実際に研究開発されているものですからね。

透明人間映画としての見せ方はなかなか秀逸で良かったと思います。
見えないものが居ると思わせる映像の雰囲気。
人が居なくなったなんでも無いシーンをいちいちしばらく映したり。
どこかにいるのかな、、、なにか動くのかな、、、といちいち集中させられました。

クライマックスの盛り上がりシーンになっても使い古された冗長なシーンはあまりなく、いいテンポでミステリアスな展開が面白かったです。
ちゃんとアップデートされた今の時代の透明人間映画という感じでした。
自分の大好きなアリ・アスター作品的なカルトな雰囲気もあって。
空間を感じさせる引き込みの強いシーンと単調で大きなリズミカルな音が醸し出す不気味さがあって。
この手の演出は最近好みですね。

舞台のひとつである海辺のデザイナーズ住宅な大豪邸が実に良かったですね。
この舞台設定がひとつの成功ポイントだった気がします。

起承転結がしっかりしててちゃんとこれぞ!というオチがあって見た後の満足感はありました。

主演のエリザベス・モスはアスで見たばかりなのでホラーのイメージ強いです。
この大富豪から逃亡して追われる妻約にはちょっとルックスが足りない気もしましたが。
美女的なシーン、覚えるシーン、精神病なシーン、悪女なシーン。
一作の中でかなり変わるのでそのどれもが説得力あってこの作品にピッタリのナイスキャストでした。

期待した以上に楽しめるコンパクトで見応えあるホラー映画でした。


そんなわけで7点。

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