11月13日(木)
1:00、約束の時間通りにY先生がいらしゃった。
午前中に、娘には、
「ママの友人で、中学校の先生になる勉強をしている友達がいる。
その人は今、4年生で、後輩達にもそう言う仲間がいて、中学生を家庭教師などして実際に教えてみたいのだが、みんな地方出身で、中学生を教える機会になかなか恵まれない。
塾の先生のアルバイトをしている人もいるが、できればマンツーマンで、じっくり勉強のやり方を教えてあげたい。
みんなで、そう言う勉強法を研究している。
その友人から、中学生の母でもあるママの所に相談があったの。
ママは、あなたの勉強のことも心配だったから、もし、あなたが家庭教師という勉強法をやってみたいと言うのであれば、協力してあげようと思っているの。
どうかなあ?やってみる?
でも、あなたとの相性が一番大事だから、今日、友人があなたの『こんな先生がいいなあ』という希望を聞きに来てくれるから、会ってみてくれる?
嫌だなあと思ったら、断ってもいいし。無理にとは言わないから。」
娘は会うことを了解してくれた。
娘にとっては、大学生ぐらいの年齢の女性と話すなんてことは、日常的にも機会は無い。
娘はかなり緊張しているはずだ。
でも、そこはさすが!という感じで、12歳の女子中学生が話しやすい、興味のありそうな話題で、どんどん話し掛け、フレンドリーな関係を作っていく。
だんだんに勉強の話に入って行き、たとえ、学校に行けなくても、中学3年間の勉強がどれだけ大切かと言うことを分かりやすく説明する。
不登校児の不安や心配、ジレンマの心境をを抑えた説明のしかたはとても説得力があった。
娘の場合は、学校に行きたくないのではなく、行く勇気が無いのであれば、
「教科書を理解し、授業についていけるようになる」
ことで、自信を回復していこう。
そして学校に戻れるようになったら、次は、高校進学を目標にして勉強の習慣づけと、やり方のコツを身に付けていこう。
今のままなら、
『本当はここに行きたいけど、ここにしかいけない』
と言うような志望校選びになってしまう。
とりあえず、学校を選ばなければ、『高校生』にはなれるが、そう言う決め方では3年間卒業まで通いきれるかどうか。
いくつか候補があって、その中で、ここにしようと自分で選んだ学校だったら、自分の責任。
2年後の三者面談では、
『行ける学校はたくさんあるけど、その中から、志望校としてその学校を選び、受験に向かう』
と言う状況に持っていこう。
今のままでは2年後の今は、
「あの時からやっておけばよかった・・・」
と、必ず後悔する。
今から頑張れば、遅れた分を取り戻すのにそんなに大変じゃない上に、2年後には
「あのときからやっていて良かった」
と必ず思えるようになる。
そのためには、先生だけが頑張っても、先生が来る日だけ頑張るのでも効果は無い。
先生が来ない日の勉強が大事。
その効率のいいやり方を教えてあげるね。
そうして、自分で、どこが分からなくてつまづいているかを上手に聞き出して、簡単な問題でポイントを掴ませ、計算力や、基礎がどれだけできているかをチェックしていく。
そばで見ていて、娘のつまづいている部分が手にとるように分かる。
そこのポイントを教えてあげるだけで、すぐに応用問題ができるようになっていく。
それが「実力」として身についていくには「反復学習」が必要になっていくのだが。
「分からなかったことが分かるようになった」
「解けなかった問題が解けるようになった」
分かる喜びと、解けた達成感を上手にほめたり励ましたり、わずかな時間だったが、娘は集中的に勉強した。
今まで、自分で1時間かけてやっていた問題が、もし正解しても、本当に分かったのかどうか自信がないまま進めていていた。
それが、もっと短時間で、要点が抑えられ、理解できたと言う実感の元に次の単元に進めたり、忘れてしまっていたら、どこに戻って見直すべきかの指示を出してもらえる。
自信なさそうに固かった娘の表情が、見る見る変わっていった。
そうこうしているうちに、妹や兄が帰ってきた。
兄も妹も学校に行って留守の時間に来てもらったのだが、そんな時間になっていた。
今日は妹のピアノの日で、途中10分間ずつぐらい、送迎で私が席をはずしていた間、娘と先生はいろんなことを話していたらしい。
娘の了解を得、契約をし、Y先生を駅まで送っていく車内で、そのときの娘との話の内容を聞いた。
初対面にもかかわらず、学校のことや、家庭のこと、自分のことなど、かなり込み入った話までしたらしい。
帰り際、娘の希望の先生のタイプを聞いていたが、
「たとえば、Y先生が教えると言うことだったら条件にあっているか」
と言う質問に対して、娘は
『OK』
を出した。
「OOちゃんは、学校に行かない自分を嫌い、学校に行けない自分を責めています。
今日の出会いで生まれたOOちゃんとのとの貴重な信頼関係を壊さないよう、OOちゃんが学校に戻り、志望校の進学できるよう、みんなで頑張ります」
という力強い言葉。
「これから今日の資料をもとに、ミーティングをし、後輩の指導にあたります」
と言って、Y先生は改札口に向かって行った。
帰宅後、娘は、自分でもまだ上手く気持ちの整理がついていないようではあったが、暗い顔はしていなかった。
「決めてよかったのかな?やってみる?」
「うん」
「来週の水曜日に、あなたの希望に合いそうな先生と一緒にまたいらっしゃるそうよ」
「そう」
この出会いが、娘の大きな一歩に繋がるよう、願ってやまない。
1:00、約束の時間通りにY先生がいらしゃった。
午前中に、娘には、
「ママの友人で、中学校の先生になる勉強をしている友達がいる。
その人は今、4年生で、後輩達にもそう言う仲間がいて、中学生を家庭教師などして実際に教えてみたいのだが、みんな地方出身で、中学生を教える機会になかなか恵まれない。
塾の先生のアルバイトをしている人もいるが、できればマンツーマンで、じっくり勉強のやり方を教えてあげたい。
みんなで、そう言う勉強法を研究している。
その友人から、中学生の母でもあるママの所に相談があったの。
ママは、あなたの勉強のことも心配だったから、もし、あなたが家庭教師という勉強法をやってみたいと言うのであれば、協力してあげようと思っているの。
どうかなあ?やってみる?
でも、あなたとの相性が一番大事だから、今日、友人があなたの『こんな先生がいいなあ』という希望を聞きに来てくれるから、会ってみてくれる?
嫌だなあと思ったら、断ってもいいし。無理にとは言わないから。」
娘は会うことを了解してくれた。
娘にとっては、大学生ぐらいの年齢の女性と話すなんてことは、日常的にも機会は無い。
娘はかなり緊張しているはずだ。
でも、そこはさすが!という感じで、12歳の女子中学生が話しやすい、興味のありそうな話題で、どんどん話し掛け、フレンドリーな関係を作っていく。
だんだんに勉強の話に入って行き、たとえ、学校に行けなくても、中学3年間の勉強がどれだけ大切かと言うことを分かりやすく説明する。
不登校児の不安や心配、ジレンマの心境をを抑えた説明のしかたはとても説得力があった。
娘の場合は、学校に行きたくないのではなく、行く勇気が無いのであれば、
「教科書を理解し、授業についていけるようになる」
ことで、自信を回復していこう。
そして学校に戻れるようになったら、次は、高校進学を目標にして勉強の習慣づけと、やり方のコツを身に付けていこう。
今のままなら、
『本当はここに行きたいけど、ここにしかいけない』
と言うような志望校選びになってしまう。
とりあえず、学校を選ばなければ、『高校生』にはなれるが、そう言う決め方では3年間卒業まで通いきれるかどうか。
いくつか候補があって、その中で、ここにしようと自分で選んだ学校だったら、自分の責任。
2年後の三者面談では、
『行ける学校はたくさんあるけど、その中から、志望校としてその学校を選び、受験に向かう』
と言う状況に持っていこう。
今のままでは2年後の今は、
「あの時からやっておけばよかった・・・」
と、必ず後悔する。
今から頑張れば、遅れた分を取り戻すのにそんなに大変じゃない上に、2年後には
「あのときからやっていて良かった」
と必ず思えるようになる。
そのためには、先生だけが頑張っても、先生が来る日だけ頑張るのでも効果は無い。
先生が来ない日の勉強が大事。
その効率のいいやり方を教えてあげるね。
そうして、自分で、どこが分からなくてつまづいているかを上手に聞き出して、簡単な問題でポイントを掴ませ、計算力や、基礎がどれだけできているかをチェックしていく。
そばで見ていて、娘のつまづいている部分が手にとるように分かる。
そこのポイントを教えてあげるだけで、すぐに応用問題ができるようになっていく。
それが「実力」として身についていくには「反復学習」が必要になっていくのだが。
「分からなかったことが分かるようになった」
「解けなかった問題が解けるようになった」
分かる喜びと、解けた達成感を上手にほめたり励ましたり、わずかな時間だったが、娘は集中的に勉強した。
今まで、自分で1時間かけてやっていた問題が、もし正解しても、本当に分かったのかどうか自信がないまま進めていていた。
それが、もっと短時間で、要点が抑えられ、理解できたと言う実感の元に次の単元に進めたり、忘れてしまっていたら、どこに戻って見直すべきかの指示を出してもらえる。
自信なさそうに固かった娘の表情が、見る見る変わっていった。
そうこうしているうちに、妹や兄が帰ってきた。
兄も妹も学校に行って留守の時間に来てもらったのだが、そんな時間になっていた。
今日は妹のピアノの日で、途中10分間ずつぐらい、送迎で私が席をはずしていた間、娘と先生はいろんなことを話していたらしい。
娘の了解を得、契約をし、Y先生を駅まで送っていく車内で、そのときの娘との話の内容を聞いた。
初対面にもかかわらず、学校のことや、家庭のこと、自分のことなど、かなり込み入った話までしたらしい。
帰り際、娘の希望の先生のタイプを聞いていたが、
「たとえば、Y先生が教えると言うことだったら条件にあっているか」
と言う質問に対して、娘は
『OK』
を出した。
「OOちゃんは、学校に行かない自分を嫌い、学校に行けない自分を責めています。
今日の出会いで生まれたOOちゃんとのとの貴重な信頼関係を壊さないよう、OOちゃんが学校に戻り、志望校の進学できるよう、みんなで頑張ります」
という力強い言葉。
「これから今日の資料をもとに、ミーティングをし、後輩の指導にあたります」
と言って、Y先生は改札口に向かって行った。
帰宅後、娘は、自分でもまだ上手く気持ちの整理がついていないようではあったが、暗い顔はしていなかった。
「決めてよかったのかな?やってみる?」
「うん」
「来週の水曜日に、あなたの希望に合いそうな先生と一緒にまたいらっしゃるそうよ」
「そう」
この出会いが、娘の大きな一歩に繋がるよう、願ってやまない。