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『あなたが生まれるまで』

2003-11-16 01:35:00 | 徒然なるままに
11月14日 (金)

夜、『あなたが生まれるまで』と言う人形劇を見た。
つげくわえさんという方の『くわえパペットシアター』の作品。
この人形劇団は、一昨年、『かたっぽかたっぽどこいった?』と言う作品をみて、いっぺんでファンになってしまった。
今回も、前評判よろしく、実際に期待以上の作品だった。
最初の無言劇から、すでに会場の心を鷲掴み!
芋虫や小鳥達の台詞の無い擬音だけの短い劇でも、子どもも大人ももう夢中!
本編の『あなたが生まれるまで』に至っては、人形の可愛らしさはもちろんのこと、人形の操作や小道具使いの上手さ、パパ役ママ役(人間)のリアルなコントは実に軽妙!
『あなたが生まれるまで』と言うタイトルどおり、赤ちゃんが生まれるまでの、夫婦愛、お母さんの体調や、赤ちゃんの発育状況を、楽しく、分かりやすく演じてくれていた。

対象は幼児・低学年向けだったのだが、内容的な前評判もあり、高学年や中・高校生の女の子達もたくさん来ていた。

お母さん達にとっては、自分達の経験してきたことであり、女の子達にとっては、これから経験する未来のことであり、小さな子たちにとっては、『懐かしい』(?)お話・・・。

劇中、赤ちゃんが、
『僕、生まれてもいいのかなあ?』
と悩むシーンがあったり、いよいよ産み月になり、陣痛が始まる頃、赤ちゃんが自分の意思で、
『僕は生まれたい!』
と決断するシーンが印象的だった。
『産道』を必死で潜り抜け、産声をあげたとき、会場から拍手が沸き起こった。
『ママ』が、会場のみんなに赤ちゃんを見せてくれたとき
「おめでとう!」
と声がかかった。
なんだかとっても感動した。

公演後の子ども達の顔も、お母さん達の顔も、みんなとっても幸せそうだった。

『あなたが生まれるまで』
これはお母さんのための物語だったのかもしれない。
母になることの心の準備と不安、喜び、元気で生まれてくれることだけを願って、10月10日頑張ったあの頃を思い出したら、今、この子が元気で生きていてくれるだけでありがたいと思える。
その『原点』、『初心』に帰れる作品だった。

命のバトンタッチ。
娘達が母になる頃に、またこんな作品にめぐり会えたらと思う。