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『ミュンヘンへの道』~金メダリスト西本哲夫さんの講演・講習会に参加して~

2009-11-28 08:41:00 | 徒然なるままに
10月25日(水)

今日、我が校にトップアスリート講演会(講習会)として、ミュンヘンオリンピック金メダリスト*(日本)**(キラキラ)*の西本 哲雄さんにご来校頂き、貴重な講演とバレーボールの講習をして頂いた。

小学生6年生の時のミュンヘンオリンピックは今でも忘れられない。
特に、金メダルを取った男子バレーボールは、当時、『アニメドキュメント ミュンヘンへの道』と言うTVアニメで紹介され、毎週皆で夢中になって見ていた。
『ミュンヘンへの道』とは、バレーボール日本代表が、ミュンヘンオリンピック(同1972年)へ向けて取り組む様をチーム全体、あるいは選手個々のエピソードを交えて取り上げられたもので、エピソード部分はアニメーション、また練習の模様などは実写映像を使って放送された。
毎回、猫田勝敏、南将之、森田淳悟、横田忠義、大古誠司ら、チーム全員12人を主役としてストーリーを編み、当時の日本バレーボール界をリードした選手がもちろん実名で登場している。
主題歌&画像*(音符)*http://www.youtube.com/watch?v=9tQgGwDSZlM&feature=related
1972年ミュンヘンオリンピック 全日本男子バレーボール金メダル獲得画像
http://www.youtube.com/watch?v=yl_r9tTvLmg&NR=1

講演を聴きながら、当時の金メダル獲得の興奮や、アニメを見て「こんなに大変な練習をして頑張っているんだ」と感動し、応援していたことを思い出した。

西本さんは、その全日本メンバーに最年少で参加され、活躍された方だ。(中学時代はサッカー選手だったそうだ)
準決勝のブルガリア戦での奇跡の大逆転に一役買い、金メダル獲得に繋げた件には胸が熱くなった。
「バレーボールは思いやりと勇気のスポーツだ。どんな球でも拾いに行って味方に繋げる。味方が打ちやすい位置にトスする。球を受ける時も、打つ時も声を掛け合うのも大切だ。そして何より大切なのは、最後まで諦めない。諦めたらそこで終わってしまうんだ。自分を信じて、仲間を信じて、最後まで諦めなかったから、金メダルが獲れたんだ」
生徒達はみんな真剣に聞いていた。

また、中学生向けにいろいろなアドバイスをしてくださった中に、ご自身の失敗談もお話してくださり、生徒達はより親近感を持ったことだろう。
『挨拶』の大切さ
『すばやい行動』
『人の話をよく聞くこと』
この3つは特に強調されていた。
3つ目の『人の話をよく聞くこと』では、
「『一流の人間』はよく人の話を聞いている。イチローもそうだ。
逆に、どんなに素質や技術があっても、人の話を聞けないやつは『一流の人間』にはなれない。ただ『普通の人より上手な人』で終わってしまうだろう。
私が初めて全日本のメンバーに選ばれた合宿の初日、監督が説明をしている時に、他のメンバーが注意を受けていた。
私は自分が注意を受けているわけではないので、聞き流していたら、監督に
『西本、今の言葉を復唱してみろ』
と言われた。
私は、言葉に詰まってしまい、答えられないでいると、
『お前はもういい。荷物をまとめて今すぐ帰れ』
言われてしまった。
ここですごすごと帰ってしまったら、私の全日本メンバーとしてオリンピックに出場することも、バレーボールを続けることも出来なくなると思い、土下座して謝り、
『もう一度教えてください!』
とお願いをした。

その時に、他人が注意されていることもよく見て聞いて、それを自分のこととして理解し、そこから学び、同じ失敗を繰り返すことのないように努力すること。
人の話を聞くときは、たとえ遠くからでも、その人の目を見てしっかり聞くようにすること。
それが大切なんだと肝に銘じた。」

このお話は、講習会の最後のほうで話されたことなのだが、その時のことを西本さんが
『身体に突き刺さるほど、生徒達の視線を感じた』
とおっしゃっていたそうだ。

バレーボールの講習会はとても分かりやすく、やっているうちに、「私もママさんバレーでも始めようかなぁ」と思うようにバレーボールが楽しかった。
そのうち、西本さんのスパイクを実際にレシーブするチャンスがめぐってきた。
我が校には男子バレー部が無いので、まず、女子バレー部の生徒達が挑戦した。
さすが!と言うようなレシーブを見せた後、2順目は西本さんの少し本気なスパイクが炸裂した。
それにビビッタのか、男子たちは尻込みしてしまった。
私が運動部の主将の男子生徒達に
「金メダリストのスパイクを受けられるなんて、こんなチャンスめったに無いよ!記念に挑戦しておいで!」
と言っても、
「無理!無理!だったら先生受けてきなよ」
と逃げ腰状態*(いっぷく)*
3年生たちにも
「金メダリストのスパイクを受けられたら、高校だって受かるかもしれないよ!パワーをもらいに行っておいで!」
と言っても
「け、けっこうです*(汗)*」
とサーッと引いていく始末。*(困る)*
頭にきた私は
「よし!私が行ってくる!そしたらあんた達も行くんだよ!」
「「「え゛~~~!!!」」」
と生徒達が叫ぶ中、女子教師でただ一人金メダリストのスパイクを受けに行き、見事?!レシーブをしてきたのだった*(グッド)*
「さあ、行ってきたぞ!あんた達も行っておいで!」
と戻ってきたら、みんなして逃げて行った。情けな~~~~~っ*(激怒)*

そのことを後で先生方と話した時、ある先生は
「今の子達は、人前で失敗したり、目立つことを嫌う傾向があるからねえ・・。
せっかくのチャンスだから。とか、未知のことに挑戦してみよう。とか思わないようにしているところがある。思えないのかな。
目立つことをしたり言ったりすると、『何アレ、一人で目立っちゃってさ』と思われそうとか。
周りの目を異常に気にしたり、逆に冷めているように見せることがカッコイイと思っている。
まあ、大人にも言えることではあるけれど・・・」
と言っていた。

実際、いざとなるとそんな勇気も度胸も無いものだが、私の場合、元来目立ちたがり屋なのか(自覚は無い)、怖さより好奇心のほうが勝るところがあり、更に、生徒に勧めておきながら、自分は出ないというのはおかしいと思っているので、まずは自分がやって見せようと思ってしまうのだ。(怖いもの知らずとも言う)
でも、あの場にもし自分の子どもたちがいたら、思いっきり嫌われてしまうかもしれない*(汗)*(息子はとうに母のこの性格を諦めているらしいが・・・)

講演会の最後に、西本さんが頑張った生徒に金メダルを触らせてあげたり握手をしている時、おかしなことに、2年生の男子が、私に向かって
「先生、握手してください!」
と言って来た。
「え?何で私?西本さんでしょ?」
と言ったのに
「いや、先生です!」
と言われ、なんだか分からず握手したら、皆で大ウケしていた。*(はてな)**(はてな)**(はてな)*

講演後、企画者の先生が私が『ミュンヘンへの道』のファンだと言うことでお膳立てをしてくださり、西本さんとお話が出来、一緒にツーショットの写真*(デジカメ)*も取ってもらっちゃった*(チョキ)*LUCKY~*(ドキュン)* 

かつての全日本メンバーも高齢化となり、中には亡くなった方や、お体に故障が出てきて、毎年の『納会』に出席できる方も減ってきたとお聞きした。
同じ日本人として、偉業を成し遂げた方々にはぜひ、いつまでもお元気で、後進の指導や、今回のように、次世代を担う若い少年少女たちに、夢を与え、励まし、バレーボールの楽しさを教え、広めて行っていただきたいと思った。

今回、こういうトップアスリートの方の貴重なお話を聞き、講習を受けれたことは、まさに『千載一遇』であり、私にとっても貴重な『一期一会』だった。