写真↓はwebCGから拝借
【スペック】全長×全幅×全高=4930×1875×1465mm/ホイールベース=2910mm/
車重=1790kg/駆動方式=4WD/
2.8リッターV6 DOHC24バルブ(204ps/5250-6500rpm、28.6kgm/3000-5000rpm)/
価格=610万円
※注:今回の試乗車は写真の20インチ?ではなく、標準の245/45/R18のタイヤでした。
このクルマと対面してまず感じるのはデカい!です。外からの見た目は最近のアウディの顔と共通したもので、「ああ、アウディだね」と誰もがわかる外見となっています。シトロエンDSシリーズ、新型ルノールーテシア、ボルボV40やV60シリーズのようにパッと見で「おぉ!」というのはなく、すっきりしたものです。で、繰り返しますがデカいなぁ、と感じます。
運転席に座るとまず感じるのはMLBプラットフォーム(アウディのエンジン縦置き車)のお約束、左足を置く場所に困ることです。右足はブレーキとアクセルに合わせてドライビングポジションを取るわけですが、そうすると左足はつま先を伸ばし気味でやっとフットレストに触れる格好になります。さらにトランスミッションが室内に入り込んでいるせいで左足は時計の1時の方角に向く感じです。これは結構気になります。
ちなみに、A6を運転する直前にQ5ハイブリッドの展示車が偶然あったので、運転席に座ってみました。このモデルは左ハンドルしか選択できないのですが、ドラポジは見事にぴったりでした。ハンドルのオフセットは無く、左右の足も自然に置けて、シフトノブ、空調やオーディオ類へのアクセス、運転席からの視界いずれも良好でした。右ハンドルのQ5はA6同様の左足環境であることに加え、あろうことかこんなにでかいのにハンドルが左に3センチほどオフセットしているんです。このでかさでこんなにも左ハンドルと室内環境が違うのか、、、と愕然としました。これだけでもQ5はハイブリッド以外はダメ、といいたいのですが、ハイブリッドを運転したことが無いのでそこまで言えません。
話を戻してA6。ハンドルのオフセットはQ5の右ハンドルのようにオフセットしてなかったので、ここは一安心です。でも、繰り返しますが左足は置き場所に困ったまま1時の方向を向いていることは変わりありません。結局試乗が終わるまで慣れませんでした。
内装の作りはさすがアウディで、非常に緻密でコストがかかっていることがイヤでもわかります。内張りの質感、空調やオーディオその他諸々の操作系の見た目とボタンを押したときの操作感、速度計などの機器類や数字と針の見え方、ディスプレイ類の高彩度感、など全てにおいて。これにはただただ圧倒されます。そしてダメ押し。ドアを閉めれば「バスン!」という、まさにドイツ車といった重厚感のある閉まり方をします。ここでまた「はぁスゲぇなぁ」と溜息が出るわけです。
外見と内装を見終えたところで、実際に動かしてみることにしました。ドライブモードは「自動」でとりあえずスタート。シフトノブをDに入れてアクセルを踏んでみると意図した以上に「ビュッ」と飛び出るので、「おお、低速トルクあるのか?」と一瞬だけ思うのですが、シフトアップしていくにつれて徐々に「トルク感が薄いかなぁ」に変化します。つまり、ゼロ発進を意図的にガバッと飛び出るように制御しているとしか思えません。この特性をつかむと自然に発進加速の際はアクセルをそーっと踏むようになりました。それでも高速道路をETCゲートから一気に法定速度まで加速していくような場面では、やはり排気量の大きめなノンターボエンジンらしく気持ちの良い伸び方をしていきます。6気筒エンジンだけあって安っぽい音や振動はないし、小排気量ターボのように上で詰まることもないし、大排気量NAエンジンの存在意義ってやはりあるのだなあと思わされます。それでもこの重量だと過給器を付けるか、更に排気量が大きければと感じるのは正直なところ。
市街地や郊外の公道には通常は多くのデコボコ道やカーブがあるわけですが、そこでは常にボディ剛性が高いこととクルマのデカさと重さを常に意識させられます。デコボコ道を通り過ぎるとやや堅めの足回りでありながらボディに安っぽい振動を伝えずフラットライドですし、トヨタマジェスタのフラットライドとはまた違う、強靱なボディと足回りが不正路面をさばいていく感覚です。しかし、デコボコ道をドコドコと超えたあと、何となくとがった振動が一瞬残る感覚があります。もしかしたらアルミ併用ボディってこんな癖があるのでしょうか。
キツめのカーブに侵入してハンドルをゆっくりと切ると、最初はスッと車体が向きを変えるのですが、カーブに合わせて徐々に切り足していくと「曲がっているけど今にも外に膨らみそうな感じ」、つまりデカいボディであることと重量が大きいことをドライバーに対して精神的プレッシャーという形で伝えてきます。F10系BMW5シリーズもこんな感じではありますが、A6はF10系5シリーズより更に重さとでかさを感じてしまう。やはりサイズと重量が大きいとこんなもんなのかな。緩いカーブを高速で走り抜ける方が断然得意なんだろう。うーん、これはキツい(若干やる気が失せる、ということ)。結局最後まで「大きい割にはサイズの大きさを感じさせない」とはなりませんでした。
(1時間弱の試乗ですが、とりあえず結論)
見た目の高品質感、ボディ剛性感は素晴らしい。長距離高速移動に向いていそうだけど、前述の左足の件があるので、長時間移動の後なんらかの体への不具合が出る可能性あり。
車を振り回したい私のような人間には正直合わないけど、上記の欠点と長所を踏まえた上で購入するのであれば、上質で洗練された機械を所有する満足感は得られるでしょう。本気で検討する際は是非長時間運転して、左足の件が全身に及ぼす影響を検証すべき。仮にA6が体に何らかの不具合を発生させることがあったとしたら、購入は辞めましょう。どんなクルマであれ、体に痛みを与えるようなクルマは絶対ダメです。そういう決定的な瑕疵があるクルマは、買わないことによってでしか自動車メーカに対して意思表示はできませんからね。
【スペック】全長×全幅×全高=4930×1875×1465mm/ホイールベース=2910mm/
車重=1790kg/駆動方式=4WD/
2.8リッターV6 DOHC24バルブ(204ps/5250-6500rpm、28.6kgm/3000-5000rpm)/
価格=610万円
※注:今回の試乗車は写真の20インチ?ではなく、標準の245/45/R18のタイヤでした。
このクルマと対面してまず感じるのはデカい!です。外からの見た目は最近のアウディの顔と共通したもので、「ああ、アウディだね」と誰もがわかる外見となっています。シトロエンDSシリーズ、新型ルノールーテシア、ボルボV40やV60シリーズのようにパッと見で「おぉ!」というのはなく、すっきりしたものです。で、繰り返しますがデカいなぁ、と感じます。
運転席に座るとまず感じるのはMLBプラットフォーム(アウディのエンジン縦置き車)のお約束、左足を置く場所に困ることです。右足はブレーキとアクセルに合わせてドライビングポジションを取るわけですが、そうすると左足はつま先を伸ばし気味でやっとフットレストに触れる格好になります。さらにトランスミッションが室内に入り込んでいるせいで左足は時計の1時の方角に向く感じです。これは結構気になります。
ちなみに、A6を運転する直前にQ5ハイブリッドの展示車が偶然あったので、運転席に座ってみました。このモデルは左ハンドルしか選択できないのですが、ドラポジは見事にぴったりでした。ハンドルのオフセットは無く、左右の足も自然に置けて、シフトノブ、空調やオーディオ類へのアクセス、運転席からの視界いずれも良好でした。右ハンドルのQ5はA6同様の左足環境であることに加え、あろうことかこんなにでかいのにハンドルが左に3センチほどオフセットしているんです。このでかさでこんなにも左ハンドルと室内環境が違うのか、、、と愕然としました。これだけでもQ5はハイブリッド以外はダメ、といいたいのですが、ハイブリッドを運転したことが無いのでそこまで言えません。
話を戻してA6。ハンドルのオフセットはQ5の右ハンドルのようにオフセットしてなかったので、ここは一安心です。でも、繰り返しますが左足は置き場所に困ったまま1時の方向を向いていることは変わりありません。結局試乗が終わるまで慣れませんでした。
内装の作りはさすがアウディで、非常に緻密でコストがかかっていることがイヤでもわかります。内張りの質感、空調やオーディオその他諸々の操作系の見た目とボタンを押したときの操作感、速度計などの機器類や数字と針の見え方、ディスプレイ類の高彩度感、など全てにおいて。これにはただただ圧倒されます。そしてダメ押し。ドアを閉めれば「バスン!」という、まさにドイツ車といった重厚感のある閉まり方をします。ここでまた「はぁスゲぇなぁ」と溜息が出るわけです。
外見と内装を見終えたところで、実際に動かしてみることにしました。ドライブモードは「自動」でとりあえずスタート。シフトノブをDに入れてアクセルを踏んでみると意図した以上に「ビュッ」と飛び出るので、「おお、低速トルクあるのか?」と一瞬だけ思うのですが、シフトアップしていくにつれて徐々に「トルク感が薄いかなぁ」に変化します。つまり、ゼロ発進を意図的にガバッと飛び出るように制御しているとしか思えません。この特性をつかむと自然に発進加速の際はアクセルをそーっと踏むようになりました。それでも高速道路をETCゲートから一気に法定速度まで加速していくような場面では、やはり排気量の大きめなノンターボエンジンらしく気持ちの良い伸び方をしていきます。6気筒エンジンだけあって安っぽい音や振動はないし、小排気量ターボのように上で詰まることもないし、大排気量NAエンジンの存在意義ってやはりあるのだなあと思わされます。それでもこの重量だと過給器を付けるか、更に排気量が大きければと感じるのは正直なところ。
市街地や郊外の公道には通常は多くのデコボコ道やカーブがあるわけですが、そこでは常にボディ剛性が高いこととクルマのデカさと重さを常に意識させられます。デコボコ道を通り過ぎるとやや堅めの足回りでありながらボディに安っぽい振動を伝えずフラットライドですし、トヨタマジェスタのフラットライドとはまた違う、強靱なボディと足回りが不正路面をさばいていく感覚です。しかし、デコボコ道をドコドコと超えたあと、何となくとがった振動が一瞬残る感覚があります。もしかしたらアルミ併用ボディってこんな癖があるのでしょうか。
キツめのカーブに侵入してハンドルをゆっくりと切ると、最初はスッと車体が向きを変えるのですが、カーブに合わせて徐々に切り足していくと「曲がっているけど今にも外に膨らみそうな感じ」、つまりデカいボディであることと重量が大きいことをドライバーに対して精神的プレッシャーという形で伝えてきます。F10系BMW5シリーズもこんな感じではありますが、A6はF10系5シリーズより更に重さとでかさを感じてしまう。やはりサイズと重量が大きいとこんなもんなのかな。緩いカーブを高速で走り抜ける方が断然得意なんだろう。うーん、これはキツい(若干やる気が失せる、ということ)。結局最後まで「大きい割にはサイズの大きさを感じさせない」とはなりませんでした。
(1時間弱の試乗ですが、とりあえず結論)
見た目の高品質感、ボディ剛性感は素晴らしい。長距離高速移動に向いていそうだけど、前述の左足の件があるので、長時間移動の後なんらかの体への不具合が出る可能性あり。
車を振り回したい私のような人間には正直合わないけど、上記の欠点と長所を踏まえた上で購入するのであれば、上質で洗練された機械を所有する満足感は得られるでしょう。本気で検討する際は是非長時間運転して、左足の件が全身に及ぼす影響を検証すべき。仮にA6が体に何らかの不具合を発生させることがあったとしたら、購入は辞めましょう。どんなクルマであれ、体に痛みを与えるようなクルマは絶対ダメです。そういう決定的な瑕疵があるクルマは、買わないことによってでしか自動車メーカに対して意思表示はできませんからね。