明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1420)台湾のアマたちとともにーアマミュージアムと花蓮を訪ねて

2017年08月29日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170829 23:30)

再び台湾からです。
今回の訪問の目的は、現代美術作家の友人である曽田浩隆さん、馬場智子さんとともに故宮博物院とアマの家を訪れることと、花連のおばあさんに会いにいくことでした。とくに故宮博物院では、台湾在住の田崎敏孝さんに同行してもらって、書を始め、本当に豊かな臓物の解説をしてもらいました。田崎さんは台湾、中国、朝鮮の歴史、文化、そして宝物の知識が堪能で話もとても面白い。とてもありがたい説明をしてくださいました。でも残念ながら僕にまだ記事にするほどの力がないので、故宮博物院についてはまたの機会に記事にしたいと思います。

さてその後におばあさんたちの足跡を記した「アマの家」に行って来ました。昨年末のオープニングセレモニーへの参加以来の訪問でした。
このセレモニーに参加してくれた陳蓮花(チェンレンファ)アマも今年の春に亡くなってしまい、さみしいばかりですが、ここに来ると元気だったおばあさんたちの姿がたくさん展示されています。

そのうちの一部はおばあさんたちが京都に来てくれた時の写真で僕が撮影したものも混じっています。
また京都グループの面々がインタビューに応えた映像も流してくれていて、今回もアマの家のスタッフが僕らを喜んで迎えてくれました。

この館内の写真をFacebookのタイムラインに掲載したのでご案内します。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211730344432430&set=pcb.10211730351032595&type=3&theater

ピンクのドレスを着ているのは一番高齢だった呉秀妹(ウーシュウメイ)アマ。京都でサプライズパーティを開いた時の写真です。ハートないし日の丸を記したカードにメッセージを書いて貼る場があったので僕も即席のメッセージをのこして来ました。

館内はオープニング時よりもよりきれいにコーディネートされています。しかも朝から台湾の若い人たちがたくさん来ていてとても嬉しく思いました。

過去の過ちを捉え返すのは第一に被害を受けた方達の尊厳を回復するためですが同時にそれは私たちの人権と未来の平和に繋がるのです。
だからそれは日本に住まう私たちのためでもあること、そのためにもおばあさんたちが奮闘し続けてくれたこと、そこにおばあさんたちの深い愛があることを知ってほしいです。みなさんも台湾を訪れた時は、ぜひこの場にお立ち寄りください!

 
さてその翌日に台湾の花蓮を訪ねて来ました。
ここには日本軍性奴隷問題で日本政府を相手取って奮闘してきたおばあさんたちの中で最後に生き残った2人の方がおられます。
この日はこのお二人を訪ねて来ました。といってもお二人のうち一人の方はカムアウトされていません。なのでこの方についてはまだまだお元気で私たちを迎えてくれたことのみをお知らせしたいと思います。

もう一人のおばあさんはイアルタナハさん。タロコ族の方です。
僕もこれまで数回この方をお訪ねしていますが、部屋に入るといつも横になっておられる。もともと物静かな方ではあるのですが、他のアマたちの元気さに比べて少し弱々しげでもあったので、いつも大丈夫かな?と心配していたのですが、そのイアルタナハさんが結局、カムアウトされたおばあさんの中で一番長生きしてくださっています。

今日は息子さんも一緒にいていろいろとお話を聞けました。息子さんもタロコ族の代表の一人として二度ほど日本を訪れられています。靖国神社への台湾人の強制合祀に遺族の方が行われた抗議、分祀の要請行動にも参加されたそうです。
おばあさんも息子さんも敬虔なクリスチャン。今回はタロコ語のバイブルをみせてくれました。表記はローマ字なのだとおっしゃっていました。
イアルさんが賛美歌がお上手だと聞いていたのでみんなでお願いすると、息子さんと2人で何曲かうたってくださいました。そのうちの1つは日本語でした。

どうしてタロコの方たちが日本語を知っているのか、また台湾の部族の方たちはどんな歴史を背負ってきたのか、僕は5年前にこの場を訪問した時に「明日に向けて」に何回かに分けて連載しています。興味のある方は「明日に向けて」「タロコ族」と検索してみてください。

おばあさんとの楽しいひと時を終えて、みんなでまたくるからと声をかけて、イアルさんの家を後にしました。
イアルさん、まだまだ元気でいて欲しいです。また会いたい、会うために花蓮に来たいと思いながら車に乗り込みました。

このタロコ族のおばあさんたちは、自宅のごく近くの洞窟に連れ込まれて性奴隷生活を送られました。南方の日本軍の基地へと送られた漢族のおばあさんたちとの大きな違いでした。そのイアルさんが連れ込まれた洞窟跡を帰りに見て来ました。いまは木製のドアで封がされていました。タロコ渓谷の深々とした山並みの風景とともにおばあさんの姿、そして洞窟の写真をFacebookにアップしておきました。よければご覧下さい。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211739488341022&set=pcb.10211739505501451&type=3&theater

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする