明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1813)恐怖を意図的に煽っているものがいる!とくに再度の感染拡大時にご用心―新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(27)

2020年05月12日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200512 23:00)

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恐怖をあおる何者かと立ち向かうために

このところ原子力ムラ、ないし製薬業界に深いつながりをもつ、渋谷健司氏、上昌広氏、久住英二氏らへの用心を呼びかけていますが、今回はもっと不穏当に、組織的に人々の不安を煽りつつ、病院にストレスをかけている人々への注意を促したいです。
具体的には、全国に展開している日本赤十字社をターゲットにした、チェーンメイルのことです。4月10日前ぐらいから、全国一斉に流れました。
日赤の医師の名を騙り、「もうコロナ病床はいっぱい」「事態はみんなが思っているより深刻」と、あたかも医療崩壊が起こっているかのような演出がなされたのですが、これをかなりの方が転送してしまいました。

しかし、こうしたことへの日本赤十字の対応が秀逸でした。
デマメールを否定することにとどまらず、「恐怖のささやきに耳を貸さないようにしよう」と素晴らしい動画を作ったのです。
まずはご覧ください。

ウイルスの次にやってくるもの
https://www.youtube.com/watch?v=rbNuikVDrN4&feature=emb_logo



日赤作成の動画より


狙われた日本赤十字病院

再度、チェーンメールに戻りましょう。どんなメールだったのか、サンプルを一つご紹介します。 (メルマガの方はぜひブログなどでご覧ください)
このメールはある意味で「良く」できていました。最後の方に「外出を控えてください、人に会わないでください」と、この時期としては妥当なことが書かれていたからです。デマは真実を混ぜると拡散されやすい傾向を持っています。
だからこのメールを誤って転送してしまった人の中には、「実態とそれほどずれてもいないのでは」とあまり反省してない人もいるようでした。しかし当の日赤の病院には、問い合わせの電話が殺到し、業務に支障をきたしました。


各地で拡散された日赤の医師を騙ったデマメール

調べてみると、かなり組織的に行われていたことが分かりました。東京の渋谷、広尾の日赤の医師からと書かれていたり、東京の「日赤総合病院」という架空の名で書かれていたものもありました。
他に、和歌山県、岐阜県、静岡県でも、それぞれの日赤の病院のドクター名でメールが流され、それぞれの病院に問い合わせが殺到したそうです。
それで日赤全体としても、それぞれの病院からも、このメールがデマであること、転送しないで欲しいという呼びかけがなされました。


チェーンメールを否定する日本赤十字社医療センターの声明


実はこれは国際的な動き

メールはそれぞれに少しずつパターンが変わっていて、書かれていることもに違いがあるのですが、僕が調べてみて驚いたのは、次のようなフレーズです。
「咳と熱の症状が出て、病院に行った時は大体50%は肺が線維化されていると考えられます。即ち、症状が出て受診すると遅れるケースが多いです」。もちろんウソです。とにかく不安をあおるフレーズです。
このどこに驚いたのかと言うと、アメリカでも「スタンフォード病院の委員会メンバー」と名乗るデマメールが流されたのですが、これとまったく同じフレーズが使われていたからです。この点を報じたCNNの記事をご紹介します。7つ目にご注目を!

新型コロナをめぐる誤情報が拡散、専門家は否定
CNN 2020.03.18 Wed
https://www.cnn.co.jp/fringe/35150992-2.html

この他、台湾のテレビ映像の画像をつけたこんなものもTwitterで流されました。「日本では絶対報道されません。拡散希望です。「新型コロナウイルスに罹患した患者の多くの肺が線維化。生存率は肺癌より低い」・・・。
もちろんデタラメです。実際の台湾のテレビ番組では「必ず特異性肺の繊維化になるわけではない」と指摘しており、「生存率が低い」についても、あくまでも合併症がある場合と説明されていたとのことです。
これをファクトチェックしたサイトをご紹介しておきますが、これを読むとけして間違えて解釈したのではなく、意図的に内容を捻じ曲げたものであることが分かります。

[新型肺炎FactCheck] 台湾の報道を「患者の多くの肺が線維化」と誤訳した情報が拡散 2020年4月8日
https://infact.press/2020/04/post-5384/


台湾のテレビ番組を意図的にわい曲したツイート


再度のデマ攻勢に気を付けよう

日本における感染症は、一度ピークを越えて下降線を辿っています。今後、各地で自粛の解除がなされるでしょう。すでに学校が再開している地域があります。
しかし残念なことに、いまの予測では、しばらくすると感染の山がまた上がりだし、拡大を始める日がくるだろうと考えられています。そのときはまた自粛を強化せざるを得ない。
そしてそのときに、再び、不安を煽り、あたかも医療崩壊がもう起こっているかのような、不安をあおるだけのデマ攻勢がなされる可能性があります。場合によっては、それが本物の医療崩壊につながる可能性もあります。

こうしたデマや偽ニュースの拡散のことを「インフォデミック」と言います。
私たちはいま、パンデミックの中で、意図的に不安を煽り、結果的に病院にストレスが集まるように仕向けている人々が、日本だけではなく、世界でも暗躍していることをしっかり見据えておきましょう。
その上で、不安を拡大させないこと、危機を背後から煽る何者かに、けして踊らされないことを肝に銘じましょう。それが医療を守り、人々を守り、私たちを守るのです。

最後に日本赤十字社が出したもう一つの解説をご紹介しておきます。
こういうものが感染症拡大の最中に、医療界から出てくるところが本当に凄い。政治の場から、野党から、何も出てこないことがとても残念ではありますが・・・。

新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~
2020年3月26日
http://jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html

#新型コロナウイルス #日本赤十字社 #デマメール #危機煽り #パンデミック #インフォデミック

***

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明日に向けて(1812)原子力ムラの上昌広氏、子宮頸がんワクチンにも深く関わり被害者の会を抑圧していました――新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(26)

2020年05月12日 07時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200512 07:00)

製薬会社が買った「東大特任教授」の肩書のもとで・・・

新型コロナウイルス感染症、日本では一度感染の山が下降しつつありますが、この先、まだまだどうなるかは分からないことがたくさんあります。
すでに経済活動の部分的再開を始めたドイツで、すぐにも感染が拡大傾向に戻りつつあります。もっと社会的経済的活動を進めた韓国でも、幾つかのライブハウスでクラスターが発生しました。
多くの人々が「集団免疫ができるかワクチンができる」まで緊張が続くと言いますが、ワクチンにそれほど期待して良いのでしょうか。というより、検査やワクチン、あるいは科学への「依存」からの脱却こそが、問われているのではとも思えます。

実はそのことを考えさせられたのは、新型コロナが日本でも広がり始めたころから、マスコミに執拗に露出し、医療界を口を極めて非難し、「検査」「検査」と人々をたきつけてきた上昌広氏のことを調べる中でのことでした。
というのはこの方が、渋谷健司氏、早野龍五氏、坪倉正治氏らと組んで、相馬市で放射線安全キャンペーンを行ってきたことをすでに明らかにしましたが、その際、彼は「東京大学医科学研究所特任教授」の肩書を使っていました。

「東京大学医科学研究所特任教授」の肩書で活動する上昌広氏と原子力ムラの人々

特任教授とは何かを調べたら、アインファーマシーズ(アイングループ)という調剤薬局業界第一位の会社が、巨額を東大に供出して作った「寄付講座」の教授でした。平成20年から29年に約6億円も払われていますが、講座は平成17年から始まっています。


東京大学の資料より

企業が6億円も支出するのは、それ以上の利得があるからであることは間違いないでしょう。
アイングループは、このお金で東大医科学研究所内に「先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門」を作っているのですが、そのスタッフの筆頭に置かれたのが、上昌広特任教授でした。
ここには坪倉昌弘氏も入っていますが、さらにこの間、医療界批判を繰り返している久住英二氏も入っています。アメリカ在住でやはりマスコミへの露出度が高い大西睦子氏も研究員として入っています。彼女はレムデシビルなどの使用を声高に主張しています。


子宮頸がんワクチンと上昌広氏、久住英二氏

原子力ムラにつながっているだけでなく、薬品業界とつながっているのか・・・と思ったら、上昌広氏は久住英二氏とともに、子宮頸がんワクチンの普及にも相当に関わり、被害者を抑圧して、被害者の会からの告発を受けていました。
「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」は「株式会社アインホールディングス」にむけた公開質問状(2016年3月22日)の中で、以下のように述べています。

「私たちに被害者にとって、上研究室が行ってきた「研究」とはワクチンのロビー活動であるものと評価せざるを得ません。そして、上特任教授は、ロビー活動のみならず、ワクチン接種を大きな売りにしていると思われる「医療法人社団鉄医会ナビタスクリニックの経営にも関与しているのではないかと推察されます」。
「上特任教授は・・・『子宮頸がんワクチンを公費摂取に』などという運動を盛んに行って来ました。そして、同学会の理事長で「医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック」の理事長でもある久住英二氏は上研究室のスタッフです」
「上特任教授や久住氏は、Twitterをはじめとするネットメディアにおいて、子宮頸がんワクチンの被害患者の被害の訴えなどについて、「醜悪」などと述べたり、「社会運動」などとレッテルを貼ったりしています。
また子宮頸がんワクチン接種による健康被害を取り上げた報道に対しても「過失」「故意犯」などとあたかも犯罪であるかのごとき発言を行ったりもしています」。


被害者を攻撃する上昌広氏、久住英二氏のツイート 久住氏は反原発運動と子宮頸がんワクチン被害告発を同列に軽蔑し脅威を与えた

これらから見えるのは、上昌広氏と久住英二氏は、ワクチン接種に大きく利害を持つ側におり、被害者を抑圧してきたということです。
子宮頸がんワクチンの是非については、ここでは触れませんが、この間、「ワクチン」についても「検査」についても、それに疑義を示したり、抑制的に考える人々に、強引なレッテルを貼ったり、攻撃を繰り返してきたことが分かります。


上昌広氏周辺の闇と、確認されたウソの数々

ちなみにその上昌広氏に口説かれて?相馬に入り込んだ坪倉正治医師は、2014年に「ベテランママの会」から『福島県南相馬発・坪倉正治先生のよくわかる放射線教室』というパンフレットを出したそうです。
目次を読んでみると、文科省が出した『放射線副読本』に似ている感じがしたので、手に入れようとしましたが、どこからもダウンロードできなくなっていました。


ベテランママの会の本(坪倉氏・早野氏が関わる)の出版を報じる上氏のツイート

それを調べていたら、上昌広氏も親しくしていて、このパンフレットの出版にも関わったベテランママの会元代表の番場さち子氏が、東電元副社長石崎芳行氏と加害者と被害者の立場であるのに、密かに交際するようになった話が出てきました。
男女の関係云々は僕は当事者の問題なので、どうこういうつもりはまったくないのですが、しかしこれは加害者側と被害者側なので、なんとも言えない不自然さがつきまとう。しかも関係が破たんしたのち、番場氏が分かれ話を巡って5000万円を恐喝しようとしたそうなのです。

このこと自身が、上昌広氏への批判につながるわけではないわけですが、なんというか、この方のことを調べていると、なんだかいろいろな闇を見てしまう感じがします。
なんだかこのことと上氏が無縁な感じがしないのは、この方が本当によく平気でうそをつき、他者への一方的でひどい攻撃を繰り返してきたからです。その邪悪なパワーが周りをも邪悪にしてしまうとは言えないか・・・。
率直に言って僕はそういうことをしたことがないし、する能力もないので、なんとも違った世界にいる方のようにすら感じてしまいます。

例えば、新型コロナの感染が始まったときに、上氏は、PCR検査を作りだしたロシュ社のキットを「厚生省がわざと入れなかった!」という話を断言口調で語りました。しかしこれがデタラメな断定であったことが後にファクトチェックされています。

新型コロナ、厚労省が最新検査法を導入しない呆れた理由
2020.02.21 16:00  女性セブン
https://www.news-postseven.com/archives/20200221_1543357.html

[新型肺炎FactCheck] 「スイス製検査キットを日本政府は頑なに導入しない」は誤り
https://infact.press/2020/03/post-5006/

あるいは上氏は「都立墨東病院が『機能停止』」と医療崩壊を煽るtweetなどもしていました。これものちに訂正されています。

拡散した都立墨東病院が「機能停止」という誤った情報。発端は専門家による発信
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/bokutou-disinformation

誰もが新型コロナで不安になっているときに、医療界への不信・不満を掻き立て、医療崩壊が始まったかたのようなtweetを平気でする上昌広氏に、僕は医師としてのモラルを感じません。
新型コロナは正体が見えないからこそ怖い。そこに乗って、あることないこと、はやしたててきたのがこの御仁だとしか僕には思えません。こういう方を信頼してはいけないのではないでしょうか・・・

続く

#新型コロナウイルス #上昌広 #久住英二 #子宮頸がんワクチン #PCR検査 @安倍晋三

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