明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1893)「黒い雨」裁判は内部被曝の危険性と福島原発事故とのつながりを見事に明らかにした!-控訴に関する抗議声明によせて

2020年09月30日 14時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200930 14:30)

今日、二度目の投稿です。「黒い雨」訴訟に関する抗議声明に関しての続報です。

問題を鋭く指摘した素晴らしい声明文に拍手

昨日29日、「黒い雨」控訴に関する抗議声明が広島市と国(厚労省)に手渡されました。広島市と東京での同時行動でした。なお抗議声明は広島県に対しても向けられています。
提出したのは以下の5団体。原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)・伊方原発広島裁判原告団・「避難の権利」を求める全国避難者の会・福島原発事故被害救済九州訴訟原告団・原発賠償関西訴訟原告団

前回の記事で全文をご紹介したので、ここではアドレスの提示だけにとどめます。

「黒い雨」控訴に関する抗議声明
2020年9月29日
https://drive.google.com/file/d/1Jsv-kriCj2xA5MGHxh1DV47kw2LRVbPr/view

内容も問題の本質を本当に鋭く追究しています。例えば次の二点・・・。
「この控訴は判決が含む実証性・科学性を否定する反科学的意図を含むものであり、被爆者健康手帳交付を徒に遅らせ、「黒い雨」被爆者救済を先延ばしするものである。」
「さらに、広島地裁判決は、内部被曝による健康被害の可能性を認め、地理的線引きによる被害者の特定を否定した点で、福島原発事故による広範な放射線被曝被害を正しい解決に導く一つの指針である。」

素晴らしい。心から拍手を送りたいです!
広島の行動については広島ホームテレビのHPに動画がアップされています。僕も原告として参加している伊方原発広島裁判原告団のみなさんが中心になっています。期限があると思うのでお早めにご覧を。

「黒い雨裁判」控訴に抗議 原発事故被害者と連携 広島
広島ホームテレビ 9/29(火) 19:55配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d5d1e88fa9bd6e0076c9cedb71e543ab75a27fd


広島ホームテレビの報道より


抗議声明に続き、森川聖詩さんが問題の核心を指摘!

国(厚労省)への抗議文提出は、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)の村田弘さん、熊本美彌子さん、伊方原発広島裁判原告で広島出身被爆者の上田紘治さん、同じく原告で被爆二世の森川聖詩さんによってなされました。
森川聖詩さんがFacebookに書かれているご報告を紹介します。
https://www.facebook.com/photo?fbid=964119234070250&set=a.121967318285450

森川さんはその場でこう語られました。(Facebookより)
***
「厚労省は、これまでことごとく、放射線の内部被ばくによる影響と遺伝的影響を軽視・否定し続けてきた。その際の常套句が、判で押したように『科学的知見』が得られないとしての、ほしょうの必要性の否定。今まで、この決まり文句を何度聞いたことか…。
しかし、知見というのは、見たり聞いたりして得た知識のことである。厚労省は、過去からの、しかもその中のご自分たちに都合の良い、一部の科学者の旧態依然たる机上の定説などを振りかざすのでなく、核被害者の生の声を聴いて実情を見て、必要とされる対策を講じるべきだ。『黒い雨』の被爆者にも、また被爆二世にも、そして原発被災者にも、一人や二人、たまたまと言うことでなく、多くの人々に共通する様々な病気や症状が現れている。これを直視していただきたい。

たとえば、被爆二世にしても、平均年齢は、すでに70歳に近づいているなか、『遺伝的影響は認められていないが、引き続き状況を見守るとか結論を出すのには数十年かかる』などの詭弁は、被爆二世を研究材料=モルモットとしか見ていないことを吐露したものではなかろうか!?
また、被爆者の、この間の『福島第一原発事故による被ばく住民の健康管理と医療対策を自治体任せにせず、“国民の命と健康を守る”厚労省は、国の施策として早急に実施していただきたい』という度重なる要請に対しても、『福島の問題は、環境省・復興庁管轄の問題だから関知しない』と回答し、責任を回避し、核被害者の分断に徹してきた。
厚労省は、広島地裁の判決を真摯に受けとめ、『黒い雨』被爆者に対する援護施策を開始することとし、控訴を取り下げていただきたい」。
***


厚労省への申し入れ マイクを持っているのは熊本美彌子さん 写真は森川聖詩さんご提供

まったくその通り!
「『黒い雨』の被爆者にも、また被爆二世にも、そして原発被災者にも、一人や二人、たまたまと言うことでなく、多くの人々に共通する様々な病気や症状が現れている」のです。
だから心身を守るため、命を守るための施策がすぐにも必要なのです。にもかかわらず今回の控訴、本当に許しがたいです。

いま、国内の被ばく被害者は大きくつながりだしています。広島・長崎の被爆者、被爆二世・三世、核実験のヒバクシャ、そして福島原発事故の新ヒバクシャをはじめとした核施設のヒバクシャ。
その大きな渦の中に「黒い雨」裁判はあります。みんなでこの裁判を支えることから、内部被曝の危険性に立ち向かう輪をどんどん広げていきましょう!
広島市、県、国は控訴を取り下げよ!!

#黒い雨訴訟 #控訴に関する抗議声明 #内部被曝 #広島原爆

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明日に向けて(1892)「黒い雨」控訴に関する抗議声明を心から支持します!拡散しましょう!

2020年09月30日 09時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200930 09:30)

昨日29日、「黒い雨」控訴に関する抗議声明が広島市と国(厚労省)に手渡されました。広島市と東京での同時行動でした。抗議声明は広島県に対しても向けられています。
素晴らしい内容です。何はともあれ声明全文を転載します。ぜひ拡散しましょう。


広島市での行動を報じる広島ホームテレビ

*****

「黒い雨」控訴に関する抗議声明
2020年9月29日
https://drive.google.com/file/d/1Jsv-kriCj2xA5MGHxh1DV47kw2LRVbPr/view

2020年7月29日広島地方裁判所は、「黒い雨」裁判に関する判決を下し、原告84名全員への被爆者健康手帳交付を広島市・広島県に命じた。
これに対し参加行政庁厚生労働省、被告広島市及び広島県は、判決が「科学的知見に基づいていない」として、8月12日広島高等裁判所に対して控訴した。
この控訴は判決が含む実証性・科学性を否定する反科学的意図を含むものであり、被爆者健康手帳交付を徒に遅らせ、「黒い雨」被爆者救済を先延ばしするものである。よって厳重に抗議し、控訴取り下げを求める。
さらに、広島地裁判決は、内部被曝による健康被害の可能性を認め、地理的線引きによる被害者の特定を否定した点で、福島原発事故による広範な放射線被曝被害を正しい解決に導く一つの指針である。
高度約600mで核爆発した原爆であったことと、地上で核事故を起こした原発であったこととの違いがあるだけ で、膨大な核分裂物質が環境中にまき散らされ、周辺住民を生涯にわたって不安と健康被害に陥れる事実に変わりはない。

広島地裁、高島義行判決は現時点での英知の結晶であり、決して闇に葬ってはならない。

国・広島市・広島県の控訴は、戦後75年経過してもなおかつ未解決の「黒い雨」被爆者救済を、徒に遅らせるという点で不当である。
「黒い雨」被爆者は原告になった84名だけではない。調査によれば数千人規模の被害者が存在すると言われる。
控訴せずとも、判決を機に今回認定された「黒い雨」被爆を広島原爆被害の「類型」として認め、「黒い雨」降雨域の範囲を新たに認定し、政令を改正すれば済む話である。
これで数千人といわれる「黒い雨」被爆者を救済できる。にもかかわらず控訴して、救済に時間をかけようとする国、広島市、広島県の姿勢は到底容認できない。

さらに、広島地裁判決のもつ科学性・実証性が、核産業にとって、そして核産業推進を掲げる現政権にとって都合が悪いからという理由でこれを「非科学的」と論難し、自らの都合だけで広島地裁判決をなかったものとして闇に葬り去ろうとする国の「控訴理由」は極めて不当である。

私たちの国は、福島原発事故という未曾有の「放射能大惨事」のただ中にある。現に「福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言」は、2011年3月11 日以来継続中である。宣言解消のメドすらたっていない。
長期低線量被曝、特に内部被曝被害を考えて見たとき、広島原爆による「黒い雨」被爆者同様、福島第一原発事故による被曝被害は、私たちの国の将来を左右しかねないほどの健康被害を現にもたらしている。
また、科学的調査に基づかない政治的判断による線引きによって被害者は分断され、差別され、賠償や援護策から切り捨てられようとしている。

こうした被曝被害を、日本全体で正しく解決に導く一つの指針が、広島地裁判決である。それを闇に葬り去ろうという動きは、ここに至っても原発と訣別できぬこの国を滅亡に導くことと同義である。

日本国百年の計に立って見て、到底許されるものではない。

私たちは控訴に断固抗議し、控訴取り下げを求めるものである。

以上 

(本抗議声明の「背景と解説」を別途添付する。)↓↓↓
https://drive.google.com/file/d/1jCpTJ1e58XCdqJSGhzii9V4feTKq1mMH/view


【抗議声明発出団体】

原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)
住所:〒963-4316 福島県田村市船引町芦沢字小倉 140-1 
電話:080-2805-9004

伊方原発広島裁判原告団 
住所:〒733-0012 広島県広島市西区中広町 2-21-22-203 
電話:090-7372-4608

「避難の権利」を求める全国避難者の会 
住所:〒004-0064 北海道札幌市厚別区厚別西四条 2 丁目 6-8-2 中手方
電話:080-1678-5562

福島原発事故被害救済九州訴訟原告団 
住所:〒839-1308 福岡県うきは市吉井町八和田 633 
電話:090-9530-3148

原発賠償関西訴訟原告団
住所:〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満 2 丁目 8 番 1 号 大江ビル 405 号
電話:06-6363-3705

#黒い雨訴訟 #控訴に関する抗議声明 #内部被曝 #広島原爆

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