明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2230)立憲野党はなぜ敗北を重ねているのか・・・もう一度、脱原発を鮮明に掲げることが大事-1

2022年07月19日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220719 22:30)

残念だった立憲、共産両党の敗北

参院選から10日余りが経ちました。前回衆院選で16議席を減らした自民が12議席増やしました。前回30議席を伸ばした維新は今回5議席伸ばしました。
立憲野党の側は、立民が23から16議席へ、共産が6から4議席へと議席を減らし、唯一、伸びたのは0から3議席となったれいわだけ。社民はギリギリで議席と国政政党要件を維持しました。

どうして立憲野党は昨秋、今夏と敗北を重ねているのでしょうか。まずは一人区の多くで野党共闘が不成立で勝てなかったことがあげられます。実際、自民の議席の拡大はすべて一人区でした。
しかし立憲は比例で野党第一党の座を維新に明け渡し、共産も比例で650万票を目標としながら361万票しかとれず2議席を落としてしまいました。比例でも負けています。何が問題だったのでしょうか?


参院選に向けた各党のスローガン 北國新聞20220629


負けたのは脱原発をトーンダウンしてしまったため

端的に語りましょう。僕は両党の敗北は、脱原発の声を大きくトーンダウンしてしまうことでもたらされたのだと思います。なぜそうなのかというと、原発を認めるのか、認めないかということは、与野党の争点の中でも最も鮮明なものだからです。
この点では維新も明確に与党よりだし、新たに票を集めた参政党も原発推進。つまりここを争点としてしっかり頑張れば、立憲野党にもっと大きなチャンスがあったのです。


原発に関する世論調査 朝日新聞20120312


そもそも福島原発事故という、大変な問題をたくさんの人々が経験してきたこの国の中で、それでも危険な原発を進めるのか、それとも原発ゼロに向かうのか。これほど分かりやすい対立軸はありません。

だからこそ安倍政権は、一度も選挙で原発推進を鮮明にしなかったのです。徹底して争点化を避けたのです。でもそれを打ち破る形で野党共闘=脱原発共闘が進みつつありました。


原発ゼロ基本法案国会提出を発表した民進党党大会 蓮舫党首を先頭に今より勢いがあったのでは? 20170312


「原発ゼロ基本法案」へと、時を戻そう

思い出しましょう。そもそも今の野党共闘そのものが、福島原発事故後の大変なショックを越えて、新たに沸き起こった民衆運動をベースにしています。
あの時、事故後に脱原発を掲げ、毎週金曜日に国会前に人が集まりだして20万人にも達し、やがて地方に広がりだしました。新たな人々もたくさん参加してくる中で、それまでバラバラになっていた民衆運動の出会い直しも進みました。

この動きに拍車をかけたのが、安倍元首相が戦争法を強行に可決させようとしたことでした。この時、脱原発国会前行動などをベースにしつつ、「憲法守れ」の一点で多くの人々が国会を取り巻き、市民と野党議員との熱い連帯も生まれました。
これがやがて選挙での野党統一候補擁立を進めるとともに、2018年3月9日、立憲、共産、自由、社民4党による「原発ゼロ基本法案」提出にまでつながったのです。もう一度、あの熱い瞬間へと「時を戻す」ことが大事です。

続く

#参院選 #なぜ野党は負けたのか #立憲共産は脱原発に戻って欲しい #原発反対こそ最も鮮明な争点 #脱原発共闘の再構築を #原発ゼロ基本法案に戻ろう #原発再稼働反対 #原発は巨大な暴力 #原発一基で日本の半分が壊滅

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