明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1749)原爆を誇りにしている町、リッチランドを訪れて(核の終わりを探る旅−3)

2019年11月02日 07時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191103 07:30 ワシントン州時間)

旅の報告の3回目です。

● パスコで旅の一行が合流

旅を続けています。初日にサンフランシスコに入り、トリシャさんの話を聞いた私たちは、翌日31日は比較的ゆっくりと過ごし、夕方の航空便でワシントン州に向かいました。
夜の8時過ぎにパスコに到着。レンタカーを借り出してホテルに向かいました。ここでさらに一人が合流し、主なメンバーが揃いました。

今回の旅の中心は明星大学准教授の竹峰誠一郎さん。主にマーシャル諸島の核被害について研究されており、そこから核の問題全般に関心を持たれています。
その竹峰さんに声かけされて参加しているのが、特定非営利活動法人ANT-Hiroshimaスタッフの渡部久仁子さん、そして「京大六人衆」と言われてきた今中哲二さん。
コーディネーターとして旅全体をアレンジしている玉山ともよさん、そして僕、守田敏也の5人です。

パスコはワシントン州の中でハンフォードに近い町。
こことトリシャさんが生まれ育ったリッチランドがハンフォードの周りの町を形成しています。

飛行機から見たパスコの町 

セルゲイさんのお話を聞く

1日にまず向かったのは今中さんの友人でワシントン大学教授のセルゲイ・トルマチョフさんの研究室でした。
リッチランドの中にありました。セルゲイさんは今、United States Transuranium and Uranium Registries(USTUR)のディレクターをされています。
プルトニウムをはじめとする超ウラン元素に被ばくした人々を研究している機関です。

 ハンフォード核施設は様々な事故を繰り返したり、ずさんな核廃棄物の投棄などによって周辺に大変な放射能汚染をもたらしました。
このために体内にプルトニウムを取り込んでしまった人々もたくさんいる。その方たちを調査し、プルトニウムの体内での動き、どこに集まりやすいのかなどを調べているのです。ハンフォードだけでなくコロラド州、ロッキーフラッツの被ばく労働者も調べていました。

登録された方から検体を受け、死後に解剖し、臓器の中の残存プルトニウムも調べています。
これらについて詳しいレクチャーを受け、さらに遺体を分解して貯蔵し、様々な試験を行っている非公開の施設の中も案内してくれました。
今、その内容をお伝えする余裕がないですが、とにかく貴重な経験でした。詳しくは帰国後にレポートさせてください。

 

訪問したセルゲイさんの研究所

セルゲイさん

セルゲイさんを囲んで記念撮影、前列左から竹峰さん、セルゲイさん、玉山さん、後列左からスタッフの方、渡部さん、守田、今中さん 
 

● 長崎とハンフォードを繋ぐジムさんのお話しをきく

セルゲイさんのお話が、科学者としてすでに生じてしまった被ばく実相をおいかけるものであることに対し、平和運動の立場から活動してきた方ともお会いしました。
Jim Stoffels、ジム・ストッフェレスさんです。1938年生まれで1982年からハンフォードで戦争反対の活動をしてきたそうです。
胸にNO WARと書いた缶バッチを誇らしげについて現れてくれました。

ジムさんたちが特に問題にしてきたのは核兵器廃絶です!
ハンフォードが長崎に投下された原爆のプルトニウムが作られた場であることに痛みを感じ、長崎への投下を問う活動をされてきました。
WCPeace.orgというグループで活動されています。このままググれば素敵なサイトが出てきます。
そこにも書いてありますが、20118月にジムさんは初めて長崎に行かれたそうです。長年の夢だったのだとか。

ジムさんのお話を聞く

 リッチモンドは、高校のロゴがRの上にキノコ雲が湧いている形になっているなど、核開発を誇っている町です。
この高校のフットボール部の名前もBombers、爆撃隊という意味です。
最近、ここに福岡出身の高校生が留学し、「キノコ雲の下で起こったことを知ってほしい」とスピーチして話題になりました。

カフェでもアトミックイエールなどという店がありました。話のネタにセルゲイさんに連れて行ってもらってランチを食べましたが、ピザの名前がすごい。
マンハッタンプロジェクトとかが並びます。僕はリアクターコアというやつを食べました。とにかく辛かった。リアクターはホット=辛いの象徴なのだとか。

 

アトミックエール

一事が万事がそんな感じの町で、長崎の痛みのシェアを訴えて奮闘してきたジムさんの長年の活動に共感しました。
持参したピースフラッグを差し上げて、ツーショットを撮ったらとても喜んで撮影に応じてくださいました。


 ジムさんとツーショット!

続く

今日はハンフォードの原子炉の見学ツアーに赴きます。廃炉になっているプルトニウム生産炉の見学です。


今回の核の終わりの可能性を探る旅へのご支援をお願いしています。
どうかお力をお貸しください。
よろしくお願いします!

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記号14490 番号22666151

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