明日に向けて

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明日に向けて(2458)活断層が確認されてないところでも大地震は起きている どこで起きるか把握できないのだから原発は運転してはダメ

2024年09月07日 11時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20240907 11:30)

規制委は敷地内に活断層があっても運転を許可してきたことをあらためていない

敦賀原発再稼働不合格について掘り下げる記事の3回目です。

前回までの記事で、再稼働不合格の判断が出されたこと自体は妥当であることを確認してきました。しかしその内容は「原子炉の真下に活断層があったから運転を認めない」というもので、活断層が真下に確認されなければ運転を容認するものです。
あまりにひどい内容です。活断層が動けば周辺に大きな被害が出ることは、もう何度も経験済み。しかし国はこの屁理屈で、敷地内に浦底活断層が通っている敦賀原発の稼働を容認してきました。今回もその点はあらためていないからダメなのです。

電力各社はこの国の甘すぎる「規制」のもとで活動してきました。つまり国も電力各社も、大地震に襲われる可能性に目を伏せてきたのです。原発が設計上、大地震にとても耐えられないことを熟知しながらです。
実は電力各社が、規制委を軽視し「なめた」対応を繰り返していることにも、新規制基準そのものに意味を感じてないことが見え隠れしています。そんなことでは大地震による被害を防げないことが分かっているので、地震対策の出費を最小にしたいのです。

その点を踏まえて今回はさらにもう一歩掘り下げたいです。そもそも周辺に活断層が確認できない地帯では、大地震は起きないのかという点で、答えはもちろんノーです。
そもそも活断層は、これまで地震があったことが確認できたところでしかありません。全ての地震が起きうる地点が把握されているわけではない。実際に活断層がないとされていたところでも、大地震は起きています。大地震はどこでも起きうるのです。


敦賀原発サイトには浦底活断層が走っている(朝日新聞20230419より)


活断層が認められていなかった地点でも大地震が

まず紹介したいのはNHKの「災害列島 命を守る情報サイト」の「活断層による内陸直下地震に警戒を」という記事です。能登半島地震を受け、阪神大震災の日に合わせて投稿されています。(2024年1月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_06.html

この5つの章の4番目がこういうタイトルになっている。「未知・未調査”の活断層で地震発生のケースも」。そこの文章を引用しますが、これは地震のこと論じている人々の中で、常識とされている内容です。
「一方、2004年の「新潟県中越地震」や2008年の「岩手・宮城内陸地震」など、これまで知られていなかった活断層などがずれ動いて地震が起きるケースも相次いでいます。
2024年1月の「能登半島地震」は主要活断層帯として調査されていない石川県の能登半島付近にある活断層で発生したとみられます。日本海側ではこのほかにも海底の活断層が多く確認されています。どこで地震が発生してもおかしくない状況なのです。」

主要活断層帯とは、政府が今把握されている活断層の中でも特に動きやすそうだと調査対象にしている断層のことですが、能登半島はそれから外れていた。それどころか「新潟県中越地震」や「岩手・宮城内陸地震」などは活断層そのものが把握されてなかった。
新潟県中越地震は2004年10月23日におきました。M6.8とされる地震ですが、震源地では震度7が観測されました。1995年の阪神大震災以来の震度7の計測でした。この地震は発生から2時間の間に震度6強2回、6弱1回、震度5強4回、5弱4回と「余震」も激発しました。
岩手・宮城内陸地震は2008年6月14日におきました。M7.2とされる地震で最大震度は6強でしたが、一関西観測地点で4022ガルという世界最大の加速度を記録し、ギネスに登録されています。こんな地震を起こす活断層が把握されてなかったのです。


新潟県中越地震(2004)の揺れ 気象庁HPより


岩手・宮城内陸地震(2008)の揺れ 気象庁HPより


敦賀再稼働不合格で騙されてはダメ 原発即時停止の声を強めよう

これはとても重要です。阪神大震災以来の震度7の大地震も、4022ガルという世界最大の加速度を記録した大地震も、知られてなかった活断層によって起きた。しかもこうしたケースが「相次いでいます」と報告されています。
そうであるならば規制のあり方は、地震との関係に限って言えば、原発の近くに活断層がないことが確認できた場合にのみ、許可するとされるべきです。しかし現代科学は確実に活断層を見つける技術など持っていません。

それならどうすべきか。答えは明白です。原発をとめるべきなのです。当たり前です。だってどこで大地震が起きるか把握できていないのですから。いつ原発が大地震に襲われても不思議はないのですから。
しかも能登半島地震は、地震の脅威が揺れにあるだけでなく、土地の大きな隆起やズレなどにもあることを私たちに告げました。そして原発は、多少の耐震はしているけれども、地盤の隆起やズレなどへの備えなどほとんど持っていない。

より正確に言うと、あるところで「30㎝までの隆起なら耐えられる」との報告が出たそうです。元東芝の後藤政志さんに教えて頂きましたが、これに「では50㎝だったらどうなりますか?」と聞いたら「実験をしてないから分からない」という答えだったとか。
能登半島地震では海岸近くが4mも隆起しました。そんなことに原発が耐えられるわけもない。だから原発はやめなくちゃいけない。なぜって事故が起きたら膨大な人が亡くなるほか、被災者の数は想像を絶するし、その上、ものすごく長い間、何百キロ圏が住めなくなるからです。


濃尾地震(1891)では上下方向で6mものズレが生じた 政府・地震調査研究推進本部のサイトより

敦賀原発不合格について掘り下げて出てくるのはこのことです。不合格を出したことなどでだまされてはダメ。原発即時停止、廃炉推進の声を高めましょう!

連載終わり

#敦賀原発 #再稼働不合格 #日本原電 #2号機 #浦底断層 #活断層 #規制委 #原子力規制委員会 #活断層が確認されてなかったところでも大地震 #大地震はどこで発生してもおかしくない

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