明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1897)高浜原発4号機が10月7日に止まります!特定重大事故等対処施設が間に合わなかったため

2020年10月05日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201005 21:00)

特重施設未完成で停まるのは今年4基目

「明日に向けて」では(1879)~(1889)にかけて、玄海原発を始めとする加圧水型原発の構造的欠陥について指摘してきました。一部は沸騰水型原発にも共通する原発の欠陥です。
すぐにも運転を止めるべきですが、本日、さらに止めるべき理由を大きくする発表がありました。高浜原発4号機が7日に停まることです。
4号機は前回の定検を2月に終えたので、法的には最大13か月動かせることになっていましたが、特定重大事故等対処施設(特重施設)建設が期限までに間に合わなかったので運転できなくなるのです。


共同通信による報道より 西日本新聞掲載

実はこのために運転ができなくなった原発は今回で4基目です。同じ理由で本年3月16日に川内原発1号機が、5月20日に川内3号機が、8月2日に高浜3号機が運転できなくなり、10月7日に高浜4号機も期限を迎えます。
そもそも徳重施設は「福島原発事故の教訓を活かした」ことをたてまえとしている新規制基準(2013年7月施行)によって決められたもの。それが7年間も建設を猶予されながら、結局、できていないのに原発が稼働してきたわけです。
なんでこんなことになっているのか。元々の新規制基準が加圧水型原発には大甘で、特重施設建設が5年も猶予されたのでした。ところがその期限の2018年7月までにも間に合わないと知った規制委員会が、さらに数年、期限を延ばしたのです。

それでも電力各社はこの施設を完成させなかった。そのために次々と停まりだしています。今後2021年3月22日伊方3号機が。2022年8月24日に大飯3,4号機と玄海3号機が。同年9月13日に玄海4号機が期限を迎えます。
反対に言えば、大飯・玄海原発は福島事故から11年と半年も「特定重大事故等対処施設」建設が猶予されていることになる。これでなんで福島原発事故の教訓を踏まえたことになるでしょうか。
「新規制基準」とかいいながら10年もそれが適用されていない部分があるのですから、あまりの騙しです。この規制を満たしたとてなお原発は危ないですが、しかし規制すら満たしてないのだから、即刻、残りの原発も停めるべきです。


民衆運動の力で稼働原発を2基にまで抑えこむことに

一方で私たちは、このように原発が今年に入って4基も止まったことは、民衆運動の成果であることも大きく確認しておきましょう。
そもそもこれで動かせる原発は、玄海、大飯の3,4号機の4基のみとなりましたが、(伊方3号機は広島高裁による停止命令の下に)大飯3号機は7月20日から、玄海3号機は9月18日から定検中なので稼働中はたったの2基になります。
私たちは原発の稼働を2基にまでおさえこんでいることにいなる。しかもそれでも電力不足なんてまったく起きていない。私たちはこうして、原発などなくても電気は足りていることを再び三度、証明しています。

電力会社がなぜ特重大施設を完成させなかったのか。経費がかさみんで、採算が合わなくなるからです。ではなぜ新規制基準が作られたのか。民衆の「危険な原発を止めよ」という声の高まりを無視できなくなったからです。
このため経費がかさむ対策が必要になったけれども、電力各社とも苦しいのでギリギリまで施設の完成を引き延ばし、あわよくばさらなる期限延長を引き出す方針を採りました。だからどの原子炉も2度猶予された期限にすら間に合いませんでした。
しかしいくらなんでもそれでは規制委員会などないにことになってしまう。それで規制委員会は原発を止めざるを得なくなりました。これが実際に起こっていることです。

同じことが世界でも起こっています。私たち民衆の頑張りの結果、各国がレギュレーションを上げだしたら建設費が高騰し出し、採算割れしてしまったのです。こうして日本からの原発輸出計画はすべてとん挫してしまいました。
原子力推進派にとってかなり深刻な打撃でした。国内での稼働ができない分、海外への輸出で儲けを確保しようとしていたからです。しかし多くの案件が巨額の赤字を出して焦げ付き、東芝はほとんど倒産状態になりました。
だとすればもう私たちのなすべきことは明白です。あらゆる角度から原発の危険性をさらに指摘し、再稼働反対の声をもっと強めるのです。原発賠償訴訟なども原発を追い詰める素晴らしい力になっています。

いまここで頑張れば、すべての輸出を止められたように、すべての原発を廃炉に追い込む道が切り開かれます。頑張りましょう。


雨の中の関西電力京都支店前金曜行動 2017年秋


なお特重施設問題について3月に川内1号機が停まった時に動画で解説したのでご紹介しておきます。

実はビデオ解説、初めて撮ったのがこれでした。今見るとなんかかたくて進め方もうまくない(笑)
でも内容はしっかり話せているので詳しく知りたい方はご覧下さい!

川内1号機停止について 20200317
https://youtu.be/ZMSjOLGebBc

特定重大事故等対処施設は「テロ対策」以前のもの 20200318
https://youtu.be/-EcpWkBESik

そもそもベントがある段階で原発はアウト 重大事故等対処施設などあってはならない 20200319
https://youtu.be/SZFh7KQTDUM

#高浜原発 #特定重大事故等対処施設 #原発再稼働反対 #新規制基準

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