明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1737)ヨウ素剤の配布を進めよう!災害対策の強化を、一つひとつ!(本日13日、滋賀県守山市でお話します)

2019年10月13日 11時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191013 11:30)

河川氾濫被災者の救助を。避難所に仮設トイレの増強を

台風通過の一夜が明けました。各都県に発令された大雨特別警報はすべて「警報」に変わりました。
すでに10名の方が亡くなられたことが確認されています。また16名の方が行方不明です。
何よりもお亡くなりになられた方に哀悼の意を捧げさせていただきます。行方不明の方も早く見つかるようにお祈り申し上げます。

広大な地域で河川が氾濫しています。長野県長野市の千曲川と栃木県佐野市の秋山川は堤防が決壊しました。氾濫は水が堤防を越えていくことから始まりますが、決壊は堤防が壊れてしまうことで流れ出す水の量が圧倒的に違います。
これらのため、家屋の1階が水没するなどして救助を求めている方もまだかなり広い地域におられますが、まだ被災の全貌が把握されていません。一刻も早く多くの方が救助されることを願っています。
氾濫が伝えられている川の名をあげておきます。千曲川、多摩川、都幾川、田川、秋山川、荒川、永野川、蛇尾川、久慈川、宇多川、新田川、夏井川、阿武隈川、越辺川などです。


新幹線も水没 2枚ともに朝日新聞による空撮動画より

長野市の千曲川の堤防決壊 広範囲で住宅に濁流(空撮動画) 朝日新聞 2019年10月13日09時43分 https://digital.asahi.com/articles/ASMBF2404MBFUTIL007.html

これらから広域で避難所生活が必要になると思います。応急措置としてぜひ仮設トイレを避難所のまわりに設置して欲しいです。
トイレ事情が悪いと飲食の抑制が起こってしまい、それが災害関連死にもつながりかねないからです。「命を守るためにトイレ事情をよくして!」との声をどんどんあげてください。
なお救助隊のみなさんも、昨夜から不眠不休の方もおられるかと思います。どうか二次被害にも気を付けながら活動されてください。


ヨウ素剤配布に向けて、守山市で午後2時からお話しします!

この広域災害を見据えつつですが、本日、午後2時から滋賀県守山市でお話します。ヨウ素剤配布を進めるための企画にてです。
いま福井の原発銀座で高浜・大飯原発が動いています。新規制基準では「重大事故」が起こること前提の運転が行われており、いつ起きても不思議はない。
しかも関電原発マネー問題で明らかになったのは、原発が危険であるからこそ、常に大きな裏金が動き、それで稼働が強行されてきたことです。許しがたいです。

こうした事態をまえに滋賀県で脱原発のために活動している24団体が参加して「ヨウ素剤を配ってよ!しが連絡会」が結成されることになりました。
滋賀県を含む各自治体に住民へのヨウ素剤配布を求めます。
今日は連絡会の立ち上げのための企画が行われ、そこで僕が『原発からの命の守り方~安定ヨウ素剤ってなあに?』というタイトルでお話します。

話のつかみとして「関電原発マネー問題」からお話します。
この問題について知りたい方はぜひご参加下さい。


なぜ安定ヨウ素剤の配布なのか

今日の話の核心部分になりますが、安定ヨウ素剤は原発事故で飛んでくる放射性ヨウ素から甲状腺を守るためのお薬です。
原発事故において飛び散る放射性物質=死の灰にはたくさんのものがありますが、とくに量が多いのは希ガスのキセノン、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムです。
より被曝をもたらすのがヨウ素、セシウム、ストロンチウムですが、このうち真っ先に飛んでくるのが放射性ヨウ素なのです。

理由は気化する温度=沸点が低いから。ヨウ素は184.3度、セシウムは641度、ストロンチウムは1382度なのです。
原子炉で重大事故にいたると、核燃料全体がメルトダウンする前にヨウ素はすぐに気化し始めます。格納容器内の圧力が高まり、漏洩がはじまるともうすぐにヨウ素は飛び出してきます。
だからこそ真っ先に放射性ヨウ素に備える必要があるのです。



なおこれをグラフにして下さった方がいます!その方が一目瞭然で分かりやすい!

サイト「分かりやすさが第一」を主催しておられます。以下にリンクを示します。

分かりやすさが第一「ヨウ素の沸点」  
http://laweditor.blog.fc2.com/blog-entry-592.html

また放射性ヨウ素、正確にはその中のヨウ素131が主なものですが、これは半減期が8日間しかありません。これに対してセシウム137は半減期が30年です。
このことが意味するのは単位時間当たりではヨウ素131の方が圧倒的に多くの放射線を出すことです。原子数が同じなら、セシウム137が1本の放射線を出す間にヨウ素131は約1369本もの放射線を出します。
だから早く対処しなくてはいけない。ヨウ素131は80日目にはもう1000分の1しかありません。160日目には100万分の1しかない。なくなるからいいのではないのです。それだけ放射線を出しまくって違う物質になっていくのです。


そのためヨウ素131に被曝すると「デトックス」などで出すのは難しい。それよりも初期に身体に入れないことが大事です。だから即刻、安定ヨウ素剤を服用して、とっとと逃げて欲しいのです。
ヨウ素は30~60%が甲状腺に集まるとされています。あとは血管を循環し体外に出ていくとされていますが、僕はその間にかなりの被曝を血管に与えるのですからその被害もかなりあると思います。
安定ヨウ素剤で守られるのはあくまでも甲状腺だけ。だからこそ飲むだけでは足りないのです。ぜひ「飲んで逃げるのが大事」なことをおさえてください。

これらを含めて『原発からの命の守り方』を詳しくお伝えします!ぜひ守山市にお越しください!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1736)12都県に大雨特別警報発令中。命を守って下さい!ダムが次々と緊急放流を開始中!ものすごく危険です!

2019年10月12日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191012 22:30)

台風19号が伊豆に上陸、12都県に大雨特別警報発令中です!

超大型でものすごい暴風雨を伴う台風19号が伊豆半島に上陸し現在、千葉県松戸市付近を通過しつつあります。
気象庁は本日(12日)15時半に静岡、神奈川、東京、埼玉、群馬、山梨、長野に大雨特別警報を発令、さらに19時50分に宮城、福島、茨城、栃木、新潟にも同警報を発令しました。
これだけの広域発令は、昨年7月豪雨において西日本の広範囲に出されて以来、対象の都県数も上回りました。直ちに命を守る行動が必要です。どうかこの急場をしのいでください。


各地でダムが緊急放流を開始、危険です

すでに多くの地域から記録的豪雨が報告されています。神奈川県箱根町は降り始めからの雨が1000ミリを超えました。こうした雨が各地に降り注いでいます。
このため流量に耐えられなくなったダムが次々と放水を始めました!大変なことです。

茨城県北茨城市の水沼ダムが20時50分から緊急放流を開始、神奈川県相模川上流の城山ダムも午後9時半から開始しています。
長野県伊那市の美和ダムも午後9時半から、栃木県那須塩原の塩原ダムも午後9時半から緊急放流を開始、福島県いわき市の高柴ダムも午後11時過ぎから開始するとのことです。 
これらを含めて関東甲信越の8つないし9つの川が放流を開始しているか検討しているとNHKは報じていますが、これだけで済むのか、もっと増えるのか、良く分かりません。


NHK NWES WEBより

それぞれのダムの下流のみなさん、命を守って下さい!とくに川に近い方、近くに身を寄せられる頑丈で2階以上の建物があれば移って下さい。外に出るのが危険な場合は2階以上に上がり崖と反対側に身を寄せて下さい。 おそらくもっとたくさんのダムが放流を行うことが予想されます。川の近くの方はぜひ上流にあるダムが緊急放流を検討していないか調べて下さい。NHKのサイトなどで随時発表しています。

各地の川も氾濫を始めています

広範な地域で川の氾濫も始まっています。川については上流域に降った水が下流域にくるまでタイムラグがありますから、台風が通過した後も危険が続きます。
すでに福島県相馬市の宇田川、栃木県佐野市の秋山川、長野県千曲川、埼玉県の入間川、新河岸川、ふろう川、江川、東京多摩川の世田谷区玉川付近などの氾濫が伝えられています。
氾濫危険水域に至っている川は福島県いわき市夏井川、群馬県高崎市烏川、宮城県富谷市竹林川などなど。氾濫している川も危険水域の川もとても情報をつかみきれません。


暴風や竜巻にも注意を!

一方で風について懸念されるのは各地で竜巻などが起こっていること。今朝8時過ぎに千葉県市原市で竜巻が起こり、家が倒壊し、車が壊されて中にいた49歳の男性の死亡が確認されています。市原市は台風15号でゴルフ場の鉄柱倒壊があったところです。 竜巻は台風の中心と大きく離れたところでもしばしば起きています。
台風の進路から大きく離れたところでも被害が出る可能性があります。どうか十分に警戒してください。
暴風も各地で猛威をふるっています。強風が吹いている際はとにかく家をでないことです。窓ガラスにも気を付けてください。雨戸があれば閉め、カーテンも閉めてください。


朝日新聞デジタルより

この国は自然災害に極めて弱い!台風後に災害対策の見直しを!

いま、このように命を守るための情報発信をしながら、正直なところ怒りも感じています。 この国の自然災害に対する脆弱さがさまざまに指摘され続けてきているのに、政府がまともな対策を重ねないままに今日まで来ているからです。

たったいまはとにかく台風19号の猛威からみんなで一致協力して命を守り切ることが問われていますが、しかし台風が過ぎ去ったらすぐに被災者救済と災害対策の強化に向かいましょう。 そのこともみすえてみなさま。とにもかくにも今宵を凌いでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1735)関電原発マネー問題の追究によって原子力政策を終わらせ国の根幹を問うていこう!

2019年10月11日 19時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191011 19:00)

関電原発マネー問題がどんどん拡大を見せています!

高浜町以外、2011年以前にもさまざまな賄賂が渡されていた

関電原発マネー問題、さらに広がりを見せています。これまでも問題が2011年からの7年間にとどまるはずがないと多くの人々が指摘していましたが、やはり新たな事実が出てきました。
1990年代に大飯原発に就任した関電幹部に森山氏が20万円分の商品券を渡していたのです。幹部は一週間後に森山氏を訪れ返却したとしていますが、金品授受が何十年間も構造化していたことは明らかです。


関電・大飯原発元所長、20年以上前の金品受領判明 TBSニュース 11日午後1時代 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3800906.html

この新たな問題が告げていることは関電のこの間の社内調査の無効性です。調査は2011年以降、また高浜町に限られていたからです。
しかし関電が一方的に描く森山氏像が少しでも実情に近いのなら、これらは容易に推察が付くこと。いや1990年代に大飯原発所長に就任祝いを持って行ったのですから、そのころから適正な対処のあり方を社内的に検討し申し送りできたはずです。
もちろん関電はそんなことはしなかった。森山氏のマネーと恫喝の力を常に関電が必要としてきたからです。

大飯原発に関わった幹部への森山氏の接近が他にも行われていたことも毎日新聞が10月8日に報じています。
「元幹部の一人は、80年代に大飯原発に所属しており、関係する工事の発注権限を持っていた。就任時に金品を届けにきたという。
森山氏が関係する県外の会社が、大飯原発の関連工事で受注の機会を狙っていたとみられ、森山氏は具体的な社名をあげて、契約するよう迫ってきた。」

いったい闇はどこまで広がっていたのでしょうか?

政府閣僚にも金品授受がなされていた

故森山氏が賄賂を渡していたのは関西電力幹部だけではありません。次々と政治家の名前も出てきています。

筆頭に上がったのが福井県出身の稲田朋美元防衛相(福井1区)と高木毅元復興相(福井2区)です。森山氏が株主で取締役だったオーイング(警備会社)とアイビックス(同)などが「献金」していたのです。




稲田氏にはオーイングが2011~13年にそれぞれ12万円、アイビックスは11~13年毎年36万円、14~16年毎年12万円、17年は42万円を出しています。11年にはそもそも稲田氏の後援会長を務めていたアイビックス吉田会長個人が50万円出しています。
なんのことはない、稲田氏は元森山氏の息のかかった会社会長を自らの後援会長にしていたのです!そしてアイビックスの関連会社、北興産業、伸海エンジニアリング、エイワイ興産からも献金を受けています。

高木氏の場合は事務所が16年にオーイングに警備費用として19万4千円を支払っています。また敦賀市長を務めた父親の孝一氏(1979年から95年まで4期16年間)が森山氏と親しくしていたともされています。
敦賀市はもんじゅの立地市ですが、孝一氏は毎日新聞によれば、1983年1月26日に石川県の志賀町で行った講演の際に「原発は金になる」「50年後、100年後に生まれた子どもがみんな障害者でも心配する時代でない」と語った人物です。
なお記事には「みんな障害者でも」と書かれていますが、生の発言では「みんなかたわでも」ときわめて差別的に語ったそうです。


毎日新聞 1983年2月5日

さらに名前が挙がってきたのが世耕弘成元経産相です。森山氏が「相談役」として雇用されていうたメンテナンス会社「柳田産業」社長から2012~15年に計600万円の献金を受けていました。
柳田産業は関電から原発のメンテナンス工事などを受注。高浜・大飯原発などで本年度を含む5年間に約149億円も受注しています。
同社は共同通信の取材に、助役を退職後の森山氏を雇用していたことを認め、「(高浜原発の)地元との調整をしてもらった」と説明しているそうです。


毎日新聞 2019年10月8日


そもそも関電が歴代首相に盆暮れに1000万円届けていた

ここまで森山氏のみが金品を渡す主体として登場してきましたが、実はそんなことはまったくない。関電自身が歴代首相7人に金品を渡していたという大スクープも過去になされています。
報道は2014年7月28日の朝日新聞1面でなされました。元関電副社長の内藤千百里(ちもり)氏が、1972年から18年間、歴代7人の首相、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登氏に献金していたことを証言したのです。


朝日新聞は一面トップでこの問題を伝えた

額はなんと盆暮れに1000万円ずつ。内藤氏は同じ日の報道ステーションでインタビューにも応えています。「正しいことは言うておかないといかん」「原子力発電所は安全と思ったことがないんです」と率直に語られています。

元関電副社長「歴代総理らに年間数億円を献金」
https://www.youtube.com/watch?v=MNZiGqdXDwo

この問題、大平元首相の金庫番だった小国宏氏が認めており、少なくとも大平氏への献金は当事者の証言で裏付けられています。いやその他の7人にも確実に盆暮れに1000万円ずつ届けられていたのでしょう。
内藤氏の発言が本質をついていることにも注目してください。「原子力発電所は安全と思ったことがないんです」、これです。だから巨額のマネーが動いてきたのです。恫喝も状態化していきたのです。それが原子力発電の本質なのです!


報道ステーションより

これはもはや原発にとどまらずこの国のあり方の根本に関わらう問題です。「ウミを出す」というのであれば、ぜひとも歴代首相への献金にさかのぼってウミを出して欲しい。
内藤氏の告発時は残念ながら国の根本を変えるまでには至りませんでしたが、しかしいま私たちはそこまでを射程に入れた問題追究を進めなければなりません。
危険だからこそ巨額のマネーを生む原発など、ただちに終わらせ。さらにそんなあり方を常態化させてきた国のあり方の根幹を変えましょう!


報道ステーションより

10月13日滋賀県守山市でお話します!

この問題も含めて10月13日(日)に滋賀県守山市で講演します。「安定ヨウ素剤を配って!10・13講演と連絡会結成のつどい」です。
この日を持って「安定ヨウ素剤を配ってよ!しが連絡会」が結成されるのですが、そのために講演させていただきます。 「原発からの命の守り方―安定ヨウ素剤ってなあに?」のタイトルでお話します。

詳しくはチラシ、ないしFacebookへの投稿をご覧ください。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10217524729928446&set=a.3300903639751&type=3&theater

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1734)台風15号被害の最中にある千葉など、被災地域をみんなで助けたい(台風19号にも最大級の警戒を!)

2019年10月10日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191010 12:00)

超大型の台風19号が接近しつつあります。恐ろしいのはちょうど一月前に暴風被害をもたらした台風15号と似通った進路をとりつつあること。
関東平野直撃が大変懸念されます。関東は多くの地域が台風15号の被害を受けたばかり。とくに甚大な被害を受けた千葉県をはじめ、各地の被害はまだまだ続いています。
台風19号に備えるとともに、台風15号被災地の痛みをみなさんでシェアすることを訴えたいと思います。

● 台風19号、猛烈な勢力で接近中!最大級の警戒を!

多くの方がニュースに釘づけではないかと思いますが、台風19号、非常に強い勢力のまま日本に近づいています。
「12日未明には紀伊半島の南の海上に進み、その後、非常に強い勢力を保ったまま東海から関東にかなり接近し、上陸する恐れがある」と報じられています。
どこに上陸しても被害が出る可能性が高いですが、関東は千葉を筆頭に多くの地域でまだ台風15号被害からの回復がなされていません。台風が太平洋上に大きくそれることを願うばかりですが、ともあれ最大級の警戒を呼びかけます。

台風19号 勢力落とさず接近…上陸の恐れ 日テレ 10月10日 午前4時39分配信 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20191010-00000035-nnn-soci

暴風対策、大雨洪水対策が必要です。家の周りの飛ばされそうなものをしまったり補強を加えてください。停電にも備えてください。
直撃が予想される地域は早めの避難所への移動を強くお勧めします。万が一を考えて行動してください。
行政の方はとても大変だと思いますが、風雨への対策と共に、再び広域停電が起こる可能性が高いので発電機の準備、各地域への備蓄などに務めて下さい。ブルーシートの確保・備蓄なども進めてください。

● 台風15号被害で起こっていること

まず以下の毎日新聞の記事をご紹介します。 千葉県の被災地域の空撮動画もありますのでぜひご覧ください。


千葉県・鋸南町空撮 毎日新聞

台風15号から1カ月 千葉で住宅被害4万5000棟 ブルーシートすらない住宅が581棟
毎日新聞2019年10月9日 20時12分
https://mainichi.jp/articles/20191009/k00/00m/040/256000c

総務省消防局や千葉県の9日までのまとめによると住宅被害は1都7県で4万1868棟でこのうち一部損壊が3万9348棟と94%を占めています。
しかしこの数字はまだまだ十分に現地の様子を把握できていないもので、千葉県の市町村に毎日新聞が取材したところ、被害住宅数は4万5千棟にのぼるそうです。
被害はこれ以上に多いと考えられることを踏まえた上で、総務省と千葉県のまとめた住宅被害棟数(かっこ内は一部損壊)をご紹介しておきます。

千葉県3万5632(3万3377)棟、茨城県2752(2712)棟、東京都1754(1633)棟、神奈川県1657(1570)棟、静岡県42(38)棟、埼玉県16(15棟)、福島県12(0)棟、栃木県3(3)棟、合計4万1868(3万9348)棟。
空撮動画でも明らかなように、多くは屋根の損壊で、ブルーシートが広範に貼られていますが、それすらも間に合わない家もあります。
今回の台風でこれらのブルーシートの上に暴風雨がやってくることを考えると本当にぞっとするばかりです。その場合、避難所生活が長引く方も増えると思われます。

● 政府に大きな予算投入での復興支援をさせよう!

これほどの被害が出ていながら、政府の動きはあまりに遅い。千葉県の森田知事の初動の遅れが指摘されていますが、しかし安倍首相、麻生大臣など、あの大被害が起こってるときにジャージを着てラグビー観戦していました。
なぜ動かなかったのか。現地訪問すらしなかったのか。大災害発生ならできなかったはずの消費税値上げと重なったからではなかったか。あるいは東京オリンピック会場周辺が災害に襲われていることを出したくないのでは?
そしてそのことが今回の19号到来に対しても国としての無為無策にもつながっているように思われます。15号被害の教訓に学んだ次の一手が何も打たれていない。多くの被災地域がそのまま19号の猛威の前に立たされています。


9月20日、まだ千葉県内が2万戸停電しているときに安倍晋三首相、萩生田光一文部科学相、麻生太郎財務相が揃ってラグビー観戦ではしゃいだ。首相官邸ホームページに多数の批判的書き込みが  写真は朝日新聞デジタルより

19号の被害ができるだけ少なく済むことを祈るばかりですが、ともあれ私たちは15号の被害だけでも政府に大きな予算を出させ、被災地を救済させる必要があります。
台風が次々と襲来し、さらに秋の長雨もあるこの国で、とてもブルーシートでしのぎ続けることはできません。この状態が放置されるのは人権問題です。生存権の侵害です。
さらに日本の避難所は自然災害のときの一時しのぎの場としてしか設定されていません。せいぜい数日間いることを大前提にしていて、とても長期にわたって人が住む想定がされていないのです。これもまた人権問題です。

台風が過ぎ去ったらぜひともすぐにこの声を上げましょう。屋根が壊れて普通の生活ができない人を助けなくちゃいけない。大掛かりな屋根修復プロジェクトを立ち上げなければなりませんが、同時に避難所の改善にも取り組まなくてはいけません。
もはや各地の避難所が長期生活を余儀なくされる場になっているのですから、災害対策のあり方全般を見直さなくてなりません。
このことをしっかりと頭の隅におきながら、今は台風19号に厳重に備えましょう!

続く(次回は千葉県被災地の取材報告を出します)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1733)関電は贈賄を受け取った全職員を辞職させ、高浜・大飯原発をただちに止めるべきだ!(「関電原発マネー問題」を読み解く―1)

2019年10月09日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191009 21:00)

関西電力の原発マネーをめぐる問題が連日マスコミをにぎわしています。 この問題をどう読み解いていけばいいのかの考察を行いたいと思います。

関電原発マネー問題の概要

今回の問題、マスコミでは「関電金品授受問題」と呼称されることが多いですが、ここでは「関電原発マネー問題」と名付けたいと思います。問題の本質は金品授受そのことよりも危険な原発の運転を賄賂によって強行してきたことにあるからです。
概要はこうです。元高浜町助役だった故森山栄治氏から八木誠会長、岩根茂樹社長など関電幹部ら20人が、2011年から2018年の7年間に、総額で約3億2千万円におよぶ金品を受け取っていたというのです。
その森山氏自身は、自ら顧問を務め、関電から原発関連工事の発注を多数受けてきた土木建築会社「吉田開発」から少なくとも3億円の資金を調達していました。どうみたって原発マネーの一部が幹部に還流され続けていたのです。


図は朝日新聞より


当初、幹部らは「金品は預かっていただけで違法性はない」と居直り、辞任を拒否していましたが、多くの批判を受けて、本日9日午後に八木会長、岩根社長を含む幹部の大量辞任を発表しました。
会長・社長の他、原子力部門トップの森中郁雄副社長、常務執行役員の右城望氏、鈴木聡氏、大塚茂樹氏が辞任。豊松秀己副社長が非常勤嘱託になるとのこと。
それぞれ受け取っていた金品は、八木会長・859万円相当、岩根社長・150万円相当、森中副社長・4060万円相当、右城常務・690万円相当、鈴木常務・1億2367万円相当、大塚常務・720万円相当、豊松副社長・1億1057万円相当でした。


毎日新聞 2019年10月7日より

ここまでの過程で関電は問題の責任を地元で「天皇」と呼ばれていた故森山氏の「横暴さ」になすりつけようとしました。金品を変えそうとすると「ダンプカーを突っ込ませる」とか「おまえにも娘がいるだろう。かわいくないのか」と脅されたと言うのです。
しかし故森山氏は高浜原発建設当初から、地元の反対を抑え込み、他方で揉めやすい建設利権などを差配し、高浜原発の危険性を無視した強引な建設と稼働を可能にしてきたキーパーソンだったのでした。関電が育て、利用してきたのです。
その森山氏一人を悪者に仕立てあげ、あたかも自分たちを被害者であるかのように演出して社会的責任から逃げようとしたことにも、関電があまりにも「人としての道」を踏み外した道を歩んできたことが現れています。

マネーと腕力でもみ消さなければならないほど原発は危ない!

これらを踏まえて私たちが問題の一番の本質として押さえなければならないのは、原発が危険性に満ちており、多くの批判にさらされてきたからこそ、マネーの力と恫喝など野蛮な力によらなければ建設も稼働もできなかった点です。
事実関電の原発はさまざまな事故を繰り返してきています。2004年に美浜原発で死者5名、重傷者6名を出す重大事故も起こしました。関電はそのたびにマネーと恫喝の力の発揮で事態を乗り切ってきたに違いないのです。だから森山氏も影響力を持てたのです。
いま浮上している金品授受はというと福島原発事故後のもの。あの事故で全国で沸き起こった原発の危険性に対する懸念や批判を抑え込むこと、そのための「安全対策」工事が、儲けの対象となり、関電幹部にもマネー還流していたのです。


11人死傷!美浜原子力発電所事故 当日のニュース
https://www.youtube.com/watch?v=PtvBSovjisM


だからいま、真っ先に行わなければならないのは関電の原発の即時停止です。危険性に対する懸念を金と恫喝の力で抑え込んできたのですから、とてもではないけれど「安全・安心」ではありません。ものすごく危険なのです!
そもそも事業のトップの会長と社長、原子力部門トップの副会長が、こうした恫喝に屈して金品を受け取ってきたとさえ語っているのです。しかしそのお金も恫喝も、関電の意向を受けて、他の多くの人々に向けられてきたこともあまりに明白です。
この一点において関電の語る「安全性」への信頼は完全に崩れ去ったのです。だから原発を即刻停めねばならない。この問題を「関電金品授受問題」と称せず「関電原発マネー問題」と名付けるべき根拠もここにあります。

私たち自身もまた問われていることを自覚せねばなりません。モラルを完全に欠き、お金の力を駆使し、恫喝すら行う人々が危険な原発を動かしてきたのです。すぐにも止めさせなければ危ない。子どもたち、未来世代への責務としても。
その点で、私たちはワイドショーを見ているだけであってはなりません。関電を批判しているだけでも足りない。原発を止めなくてはいけません。
同時に原発がまだ稼働していること、止めてもすぐには安全にならないことも踏まえて、原子力災害対策を真剣に進めなければいけません。せめてヨウ素剤を広範囲に配らなければ。


関電の原発マネー徹底究明と原子力からの撤退を求める緊急署名にご協力を!

これらを踏まえた具体的提案の一つとして、今宵は小見出しに掲げた緊急署名をご紹介します。 ぜひ協力くだささい!締め切りは2019年10月15日です。

関電の原発マネー徹底究明と原子力からの撤退を求める緊急署名
https://forms.gle/vD3CHxycqYD17ueH9
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/signature191002.pdf

なおネット署名も展開中です。下記のタイトルで検索してみてください。

10月13日滋賀県守山市でお話します!

また僕は10月13日(日)に滋賀県守山市で講演します。「安定ヨウ素剤を配って!10・13講演と連絡会結成のつどい」です。
この日を持って「安定ヨウ素剤を配ってよ!しが連絡会」が結成されるのですが、そのために講演させていただきます。
「原発からの命の守り方―安定ヨウ素剤ってなあに?」のタイトルでお話します。ぜひお越しください!

詳しくはチラシ、ないしFacebookへの投稿をご覧ください。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10217524729928446&set=a.3300903639751&type=3&theater

関電原発マネー問題、さらに考察を続けます。乞うご期待です。

続く 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1732)今年最強の台風が接近中!厳重警戒を!

2019年10月08日 08時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191008 08:30)

みなさま。「明日に向けて」の更新が長らくストップしてしまいました。
ここのところさまざまなことで動いており、Facebookには反映されているのですが、ブログ・メルマガを介して僕の活動を見て下さっている方には伝わらないため「病ではないか」というご心配も。元気です!ご心配させてしまって申し訳ありません。

またこの間、あまりに激しく重大事態が続くので、分析を続けている間に次、次と目移りしてしまって、記事をまとめられない日も続きました。
落ち着いて一つ一つ論じていかなくちゃいけない。また頑張って論じていきますのでどうかよろしくお願いします。
さしあたり今日は台風情報をご紹介します。

今年最強の台風が接近中!厳重警戒を!

すでにご存じのことと思いますが、いま太平洋上で再び台風が発生し、大型となって日本列島に向かいつつあります。
「今年最強の台風」と報じられています。 今朝6時22分に報道されたテレ朝ニュースを転載します。

今年最強の台風列島直撃へ 3連休は広範囲で大荒れ テレ朝ニュース 10/8(火) 6:22配信 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20191008-00000004-ann-soci

昨日から今日にかけての予報円を見ると、日本近海からのコース予想が少しずつ東に傾き出していますが、今のところ西日本から東日本の広範囲の地域に上陸する可能性があります。
台風15号で千葉県にもたらされた大きな被害と同じような事態が発生する可能性があります。
どうかみなさん。厳重に警戒してください。

台風15号被害の教訓から

まだ記事に反映できていないのですが、実は先週の月曜・火曜と千葉県を取材してきました。
成田空港直近、三里塚の農家さん、市原市のゴルフ場倒壊現場、そして日本共産党千葉県南部ボランティアセンターの事務局長を務められた方と、フード支援を行った千葉県のフードバンクにお話を聞いてきました。
いまそれらからお伝えできるエッセンスを書くと、とにかく台風15号の被害ですごかったのは強風だということです。

しかもどうも各地で竜巻していたと思われること、またそれに至る可能性のあるような渦巻き状の風が激しく吹いたということです。
例えば三里塚では「作物がクルクル風で回されてねじ切られたり吹っ飛ばされたりした」ということをお聞きしました。
南部ボラセンの事務局長の方からは、ある丘上の住宅地で一番下にあった倉庫が激しく壊れて高いところまで吹きあげられた例があることを聞きました。

「たつまき」アラートによって命が助かった例もあります!市原市のゴルフ場倒壊現場においてです。
あのゴルフ場鉄塔の倒壊は夜半3時ごろだったのですが、その直前にたつまきアラートが鳴り、それを聞いたある家の若い女性が不安になって2階の寝室を出て1階にくだったところ鉄塔が倒壊!2階の寝室が押しつぶされましたが命は無事だったそうです。
千葉県は広域に被害が出ており、一つひとつの地域で竜巻が発生したかどうか確かめるのは難しいようですが、ともあれ竜巻が発生しやすい状況に各地がなっていたことは間違いないようです。

全国で風対策を!

一方で今回の取材の過程で知ったのは九州のゴルフ場は風対策がなされており、強風の際はネットが下がるようになっていること。
これに対して千葉県ではこのような対策がなされていませんでした。これまでこれほどの強風の経験がなかったからです。ゴルフ場だけでなく千葉県の多くの地域で「思いもしないような風で対策ができていなかった」という声を聴きました。
重大なポイントはここです。これまでの経験になかったおそらくは竜巻を含む強風が吹いたのです。

ということは今回の台風21号でも列島を直撃した場合、同じような被害が全国各地で出る可能性があります。
とくに風対策がなされていないゴルフ場の関係者の方は、応急措置としてワイヤーをはることなど、ぜひ可能な対策を行ってください。
また一般方も家の周りの飛ばされやすいものを片づけたり、農家さんの場合は、進路を見据えてビニールハウスの風対策をするなどしてください。

行政の方もまずは応急措置としてブルーシートと発電機を準備してください。
大風は各地で電信柱をなぎ倒し、広域の停電をもたらします。また屋根が著しく損壊する例が多発していますから、せめて応急措置のブルーシートが必要です。
さらにブルーシート張りは高所作業ですので、事前に万が一のときのために業者さんとの打ち合わせも進めて欲しいです。

みなさま。台風21号に逞しく備えましょう!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする