人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

チョン・ミョンフン ✕ 東京フィルでベートーヴェン「交響曲第6番”田園”」、ストラヴィンスキー「春の祭典」を聴く

2024年02月23日 00時06分16秒 | 日記

23日(金)。わが家に来てから今日で3327日目を迎え、ウクライナ侵攻への反対を訴えてロシア大統領選への立候補を目指すボリス・ナジェージュジン氏が、中央選挙管理委員会による候補者登録の却下を不服とした訴えについて、ロシア最高裁は21日に審議し、棄却すると決めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今のロシアに三権分立は存在しないからな すべての権力はプーチンの支配下にある

 

         

 

昨日、夕食に「海老の肉巻き」「生野菜とアボカドのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 「海老の肉巻き」は柔らかく焼けて美味しかったです

 

     

 

         

 

前日に続き昨夜、腰痛対策ベルトを着用して、サントリーホールで東京フィル「第996回サントリー定期シリーズ」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第6番 ヘ長調 作品68 ”田園”」、ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です 指揮は東京フィル名誉音楽監督チョン・ミョンフンです

東大在籍のK.H氏がプログラム・ノートを書いていますが、ベートーヴェンの「田園」とストラヴィンスキーの「春の祭典」の共通点について、「作曲家が生きた時代の『自然観』が見事に結晶化している点だ」と述べています その説明を読んでみましたが、頭の悪い私にはさっぱり理解できませんでした 私は、両作品の共通点は「革新性」ではないかと思います 「田園」は”5楽章形式”で第3楽章から第5楽章は続けて演奏され、”標題音楽”の先駆を為す作品である点で、「春の祭典」は強烈なリズム感の解放、管弦楽の大胆な極限的効果による”バーバリズム”によって反ロマン主義の20世紀音楽の方向性を決定的にした作品であるという点で、ともに「革新的」であると言えるのではないかと思います

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び。コンマスは三浦章宏、隣は近藤薫というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はベートーヴェン「交響曲第6番 ヘ長調 作品68 ”田園”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年から08年にかけて作曲、1808年にアン・デア・ウィーン劇場で「交響曲第5番」等と共に初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ(田舎に着いた時の愉快な気分とめざめ)」、第2楽章「アンダンテ・モルト・モッソ(小川の風景)、第3楽章「アレグロ(田舎の人々との楽しい集い)」、第4楽章「アレグロ(雷雨・嵐)」、第5楽章「アレグレット(牧歌~嵐の後の喜びと感謝)」の5楽章から成ります

演奏は流れが良く、流麗な音楽が続きます オーボエ、フルート、ファゴット、クラリネットといった木管楽器がよく歌い、ホルンが素晴らしい演奏を繰り広げます 穏やかな音楽が続きますが、第4楽章「雷雨・嵐」に入るとティンパニの連打、トロンボーン、ピッコロの雄叫び、弦楽器の渾身の演奏によりクライマックスが築き上げられます そして、それが山頂であるかのように再び穏やかな音楽に変わり幸福感に満ちたフィナーレに向かいます 全体を通して、チョン・ミョンフンはかなりテンポを変えて演奏を進めましたが、フィナーレでは極端にテンポを落とし、「いつまでもこの平和が続きますように」と祈るかのように曲を閉じました

満場の拍手とブラボーがステージに押し寄せる中、カーテンコールが繰り返されました

 

     

 

プログラム後半はストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の委嘱により1911年から1913年にかけて作曲、1913年5月29日にパリのシャンゼリゼ劇場でピエール・モントゥーの指揮、ニジンスキーの振付により初演されました

第1部「大地の礼賛」①序奏、②春の兆し(乙女たちの踊り)、③誘拐の儀式、④春のロンド、⑤敵部族の儀式、⑥長老の行進、⑦長老の大地への口づけ、⑧大地の踊り。

第2部「いけにえの儀式」①序奏、②乙女たちの神秘的な輪、③選ばれた生贄への讃美、④祖先の召喚、⑤祖先の儀式、⑥生贄の踊りから成ります

弦楽器は16型に拡大し、管楽器、打楽器も増員され、フルオーケストラ態勢となります チョン・ミョンフンの前に譜面台はありません 彼はどんな曲でも(たとえオペラでも)暗譜で指揮をします

第1部の冒頭はファゴットによって息の長い旋律が奏でられますが、これが半端なく長かった 通常の2倍は引き延ばしたのではないか 冒頭から「いつもとは違う」という印象付けを狙っているのだろうか その後は、切れ味鋭い弦楽器、研ぎ澄まされた金管・木管楽器、バーバリズムの極致を行く打楽器によって、変拍子に次ぐ変拍子の複雑な演奏が繰り広げられます しかも緩急の変化が激しいので、演奏者には極度の集中力が求められます その点、東京フィルはダテに楽団員総数が日本一ではないところを完璧な演奏で証明します

集中力に満ちたアグレッシブな演奏に満場の拍手とブラボーが飛び交い、そこかしこでスタンディングオベーションが見られました

カーテンコールが繰り返されるなか、チョン・ミョンフンが楽員の方を振り返り指揮を始めようとして、途中で止めました どうやらアンコールを演奏しようと思ったら大太鼓奏者が楽器を片付けていたようで、慌てて演奏の準備に取り掛かり、楽団員と客席の笑いを誘いました 準備が出来たところで、第1部の終曲「大地の踊り」が超高速で演奏され、再び大きな拍手とブラボーとスタンディングオベーションが巻き起こりました 凄い演奏でした

 

     

 

この日も腰痛対策ベルトが功を奏したようで、演奏中も家に帰ってからも腰に痛みは出ませんでした しかし、ここまできて油断は禁物です 今日は大事を取ってどこにも出かけず、家で本を読んで大人しく過ごそうと思います

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