27日(月)。昨日は午後早々に小雨が降っていたこともあり相当寒かったので、今秋初めてコートを着てコンサートに出かけました 何事も 飽きがこないのは良いことですが、秋がこないのは困ったものです
今となっては、あれほど暑くて長かった夏が懐かしく思い出されます
人間なんて勝手なものですね
ということで、わが家に来てから今日で3239日目を迎え、「私人逮捕」や「世直し」をうたい、痴漢や盗撮などを取り押さえる様子などを動画投稿サイトにアップして再生回数を稼ぐユーチューバーが相次いで警視庁に逮捕された というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自らの犯罪行為を動画という証拠で残した結果 逮捕されたという お粗末な奴らだ
昨日、NHKホールでN響11月度Aプロ公演を聴きました プログラムは①スヴィリドフ「小三部作」、②プロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」より「ワルツ」(第2場)、③アントン・ルビンシテイン:歌劇「悪魔」のバレエ音楽より「少女たちの踊り」、④グリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」、⑤リムスキー・コルサコフ:歌劇「雪姫」組曲、⑥チャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」です
当初、ウラディーミル・フェドセーエフが指揮をとる予定でしたが、体調不良のため来日不能となったため、NHK交響楽団指揮研究員の平石章人が前半(①~⑤)を、同じく湯川紘惠が後半(⑥)を振り分けることになりました
オケは16型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び コンマスは伊藤亮太郎です
前半で指揮をとる平石章人(ひらいし あきと)は上野学園大学・研究生「指揮専門」で下野竜也、大河内雅彦に学び、東京音楽大学で広上淳一、田代俊文に指導を受ける 2017年に渡欧しウィーン国立音楽演劇大学で研鑽を積む。2021年9月からNHK交響楽団で首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月から指揮研究員として公演に携わっている
これまでに東京フィル、広島ウィンドオーケストラを指揮、東京・春・音楽祭の「ローエングリン」でマレク・ヤノフスキのアシスタントを務めた
1曲目はスヴィリドフ「小三部作」です この曲はゲオルギー・スヴィリドフ(1915-1998)が1964年に作曲、1966年2月5日に初演されました
第1曲「アレグロ・モデラート・ウン・ポーコ・ルバート」、第2曲「コン・トゥッタ・フォルファ、ウン・ポーコ・マエストーソ」、第3曲「アレグロ・モデラート」の3曲から成ります
平石の指揮で演奏に入ります 第1曲ではオーボエの抒情的な演奏が印象的でしたが、読響首席の金子亜未さんの客演ではないでしょうか
第2曲ではトロンボーン、テューバ、ホルンの重厚な演奏で開始されましたが、ホルンのベルアップ奏法により音が力強く伝わってきました
第3曲はピアノやチェレスタの刻みに乗せて演奏されるヴァイオリンやフルートの演奏が美しく響きました
2曲目はプロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」より「ワルツ」(第2場)です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)がトルストイの長編小説「戦争と平和」に基づいて1941年から1952年にかけて作曲、1946年6月12日に初演されました
この曲ではヴァイオリン・セクションをはじめとする弦楽のアンサンブルが美しかったです
3曲目はA.ルビンシテイン:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」です この曲はアントン・ルビンシテイン(1829-1894)が1871年に作曲、1875年1月25日に初演されました
この曲では冒頭をはじめヴィオラ・セクションの演奏が冴え渡っていました また、金子のオーボエが美しかったです
4曲目はグリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」です この曲はミハイル・グリンカ(1804-1857)が1836年に作曲、同年12月9日に初演されました
この曲ではトロンボーン、フルートを中心に楽しい音楽が奏でられました
5曲目はリムスキー・コルサコフ:歌劇「雪姫」組曲です この曲はニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844-1908)が1880年2月から81年3月にかけて作曲(組曲は1895年)、1882年2月10日に初演されました
第1曲「序奏:美しい春」、第2曲「鳥たちの踊り」、第3曲「ベレンデイ皇帝の行列」、第4曲「軽業師の踊り」の4曲から成ります
この曲では、弦楽セクションをはじめ、木管楽器群、金管楽器群がリムスキー・コルサコフらしい色彩感溢れる演奏を繰り広げました
以上の通り、前半はロシアの5人の作曲家の短い作品を集めて演奏されたわけですが、平石の指揮は気負ったところがなく終始クールで、それぞれの作曲家の魅力をN響の面々から引き出していました
プログラム後半はチャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年10月から1889年8月にかけて作曲、1890年1月15日に初演されました
この日演奏されるのはフェドセーエフが編んだ組曲です
第1曲「行進曲」、第2曲「踊りの場」、第3曲「パ・ド・シス」、第4曲「ワルツ」、第5曲「パ・ダクシオン」、第6曲「オーロラ姫のヴァリアシオン」、第7曲「パノラマ」、第8曲「アダージョ」、第9曲「テンポ・ディ・マズルカ」、第10曲「サラバンド」、第11曲「銀の妖精」、第12曲「オーロラ姫とデザイア王子のアダージョ」の12曲です
通常は「テンポ・ディ・マズルカ」が終曲なのですが、フェドセーエフはこの後に3曲加えて、最後に大団円で終わる「アダージョ」をもってきました
この曲で指揮をとる湯川紘惠(ゆかわ ひろえ)は東京藝大指揮科、同大学院指揮専攻卒。これまでに指揮を高関健、山下一史、尾高忠明、田中良和に師事 2021年9月からNHK交響楽団でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月から指揮研究員として公演に携わっている
湯川が登場し指揮台に上ります ハイヒールを履いていることもあってか、かなり背が高く見えます
湯川の指揮で演奏に入りますが、全体を通して 弦楽セクションも木管・金管楽器も良く鳴っていました 個々の演奏を振り返ると、3曲目の「パ・ド・シス」では松本健司のクラリネット、6曲目の「オーロラ姫のヴァリアシオン」では金子亜未のオーボエ、8曲目の「アダージョ」では甲斐雅之のフルートが、それぞれ素晴らしい演奏を繰り広げていました
また、5曲目の「パ・ダクシオン」では藤森亮一の長めのソロが、さすがは首席と思わせました
全体を通じて「フェドセーエフ・セレクション」は激しい場面は少なく、比較的穏やかなシーンが採用されているようです そういうこともあってか、湯川の音楽作りは終始 ソフトで温かみを感じさせ、N響の面々はそんな湯川を盛り立てていました
この日のプログラムの前半と後半を2人でどう分担するか、N響内部で検討されたと思いますが、曲想からして今回の判断は正解だったのではないか それぞれの個性が生かされていたように思います
2人とも代役を立派に果たしたと思いますが、指揮者の世界では「四十、五十は はなたれ小僧」と言われているようです その意味では 平石章人さんも湯川紘惠さんも指揮者としてのスタートラインに着いたばかりです
しかし、今回のように"準備が出来ている人"には必ずチャンスがやってきます
お二人には次のチャンスを逃さないためにも、準備を怠らないように精進してほしいと思います
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