I Didn't Know What Time It Was 時さえ忘れて

蕎麦 or うどん or ラーメン、それにスーパードライとジャズがあれば

「じん六」京都市北区

2009-11-25 | 蕎麦 旅の空
悟りの窓・迷いの窓からゆっくりと紅葉を眺め、風情を感じたいと思うものの観光客で溢れる鷹峯ではそうもいかず、
2時間ほど散策後もう一軒の蕎麦屋へ。



夜まで通しでやっていることを事前に電話で確認し14:30に店内に入ったが、蕎麦が売り切れと言われてしまった。
30分ほど待っていただければ、これから打つとのこと。定休日の「SOBAダイニングもうやん」を下見して時間潰し。





すっかり客が引いた店内は、吹き抜けの現し天井も真新しく、明るさがやけにまぶしく感じる。キャパは18席ほど。
小上がりに落ち着き、にしんそば1350円とざるそば950円を注文。BGMがないので、スタッフの話し声が少々気になる。




 
とても薄い色の蕎麦ツユ。出汁がよく効いたちょっと甘めのもので、このままでもグイグイ飲めそう。
少し遅れて、かなり緑色がかったざるそばもなかなか凝った皿に盛られて運ばれてきた。




茨木産と言われた蕎麦を手繰ってみれば、モチっとしてコシが感じられなく、期待していただけに残念。





驚いたのは、にしん。丼からはみ出んばかりの大きさだ。それに普通もっと煮込んだ感じの色が出ているのにそれもない。



食べてみれば、ちゃんと味も付いているし、ホロホロと柔らかくなかなかの逸品。
蕎麦はざると同じもので、暖かい汁もののほうに向いているかもしれないが、やはり好みではないと言わざるをえない。



ところで、ひとつ気になったのが、割り箸の臭い。蕎麦の風味を損ねてしまうので、吟味してもらいたいものだ。


何か負のイメージばかりになってしまったが、売切れて注文できなかった田舎(粗挽き)や蕎麦三昧を食べていたら、
また違った印象を持ったかもしれない。 (長野の「丸富」で同じ様な日記を書いた記憶が・・・)



さて、京漬物のひとつでも買って、ぼちぼち名古屋へ帰ることにするかな。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「手打ち蕎麦 かね井」京都市北区

2009-11-25 | 蕎麦 旅の空
京都での紅葉狩りもそこそこに、念願の店を訪問。


開店時間の11:30になっても開かないが、これも「11時半すぎ」と書かれてあれば致し方ない。



暖簾を持った女将にようやく招かれ、京町家の三和土で靴を脱いで、一番奥の坪庭がみえるところへ歩を進める。
ちゃんと織部板まで付いた釣り床には書が一幅。「この日ある愉しさ」とあり一期一会に通じる店主の思いを感じる。

 




お品書きとは言わず、「できますもの」という言い方も奥ゆかしい(笑)




蕎麦前に京都の富翁、この時期故のひやおろしをいただくことにした。アテは山葵漬けと岩塩。奥は茶請けの蕎麦せんべい。



雑誌『男の隠れ家』で見たこのお猪口がいい。なんでも滋賀の作家のものとか、ひとつ譲ってほしいと言いたいところだ。






焼みそは、白味噌仕立てでちょっと私には甘いが、柚子の風味が効いてなかなか美味。ぬる燗でもう一本といきたい





さて、鮫肌おろし板に載った立派な山葵と白髪ネギ、濃い色のツユそれに荒挽き用にとまた岩塩が運ばれてきた。

 パフォーマンスという人もいるようだが、私は好きかも。



いよいよざるそば900円と、荒挽きそば1100円のお出まし。

 とても細くて端正な感じがする、コシもあって喉越しのいいタイプ。




 粗挽きらしく粒々感があり、長さは不揃い。
噛んでみれば蕎麦の風味も確かで、とても旨いが、ざるのようなコシも喉越しも欲張りたい。

蕎麦湯はポタージュ・タイプなので、こちらを好む人もいるだろうが、私にはちょっと・・・。


いずれも思っていた以上にボリュームもあり、京の風情漂うはんなり空間を楽しみながら二人とも大満足。
(静岡の名店と違い写真に撮ることができたのも嬉しいが、どちらか一方を選べと言われれば東に軍配を揚げる)




ところで、食べログに「この席は無理やり造らています。なんと、床の間なのに、柱を途中で切ってあるのです。席を多く取りたい気持ちは分かりますが、京都人としてはちょっと疑問を感じますね。」と書かれたコメントがあったが、あれは釣り床(つりどこ)という床の間の一つの形式であって、決して間違いでないということを店の名誉のために論じておく。また限られた空間にも侘び・寂びを求めた古の賢人の創意・工夫の賜物であり、そこにこそ粋を感じてもらいたいと私は思う。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする